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21 中心静脈から投与しなければならないのはどれか。
1.脂肪乳剤
2.生理食塩液
3.5%ブドウ糖液
4.高カロリー輸液
解答4
解説
中心静脈は、末梢静脈に比べて血管が太く、血液流量も多いため、薬剤を投与してもすぐに希釈される特徴を持つ。よって、血管外漏出が問題となる薬剤や高濃度の薬剤などを投与することができる。ちなみに、中心静脈栄養法とは、消化管の消化吸収障害があり、口から栄養を補給できない場合に、中心静脈(上大静脈、下大静脈)にカテーテルを留置して、高カロリーの輸液を行う方法である。高カロリー輸液を行うため、高血糖、肝機能障害などの合併症、血流感染や静脈炎などのリスクがある。そのため、衛生面など管理には細心の注意が必要である。また、腸管粘膜が萎縮し、消化機能が低下し、血栓が形成されることがある。
1~3.× 脂肪乳剤/生理食塩液/5%ブドウ糖液は、末梢静脈からの投与が可能である。なぜなら、ほぼ血漿と等しい浸透圧濃度であるため。
4.〇 正しい。高カロリー輸液は、中心静脈から投与する。高カロリー輸液とは、中心静脈栄養とも呼ばれ、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与することで、エネルギーをはじめ、からだに必要な栄養素を補給する方法である。
22 赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。
1.死亡群
2.保留群
3.最優先治療群
4.待機的治療群
解答3
解説
(※引用:医師会の災害時医療救護体制「トリアージの区分」)
トリアージとは、災害時などの制約があるなかで、治療・搬送の優先順位を決めることである。災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、より効果的に傷病者の治療を行うために、治療や搬送の優先順位を決定するものである。
1.× 死亡群は、黒色に分類される。直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なもの、または既に死亡しているものを指す。
2.× 保留群は、緑色に分類される。歩行可能など、専門医の治療をほぼ必要としないものを指す。
3.〇 正しい。最優先治療群は、赤色に分類される。直ちに処置を行えば、救命が可能なものを指す。
4.× 待機的治療群は、黄色に分類される。多少治療の時間が遅れても生命には危険がないものを指す。生命・四肢が危機的状態にあるが、基本的にはバイタルサインが安定しているものである。
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23 温罨法の作用で正しいのはどれか。
1.平滑筋が緊張する。
2.局所の血管が収縮する。
3.還流血流量が減少する。
4.痛覚神経の興奮を鎮静する。
解答4
解説
温罨法(※読み:おんあんぽう)とは、身体の一部に温熱刺激を与える(温める)看護技術である。温熱刺激を体の一部に与えて血管、筋、神経系に作用させ、血液やリンパ液の循環を促進したり、老廃物の排出を促したり、筋肉の緊張や疼痛を緩和するなどの目的で行う。
【温罨法の作用】
血管拡張、循環促進、細胞の新陳代謝促進、筋の緊張緩和、鎮痛など。
1.× 平滑筋は、「緊張」ではなく弛緩する。なぜなら、温熱によって身体が温まり、副交感神経が優位になるため。
2.× 局所の血管は、「収縮」ではなく拡張する。
3.× 還流血流量は、「減少」するのではなく増加する。
4.〇 正しい。痛覚神経の興奮を鎮静する。慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。
①組織の粘弾性の改善
②局所新陳代謝の向上
③循環の改善
慢性的な疼痛に対する温熱療法の生理学的影響として、血行の改善によるケミカルメディエーター(痛み物質)の除去、二次的な筋スパズムの軽減、疼痛閾値の上昇などがある。
24 体温調節中枢があるのはどれか。
1.橋
2.延髄
3.小脳
4.大脳皮質
5.視床下部
解答5
解説
(※図引用:「イラスト素材:脳」illustAC様より)
セットポイントとは、設定値と直訳でき、体温調節中枢には、体温を一定に保つ働きがあり、こうして設定された体温のことを指す。体温のセットポイント(設定値)が突然高く設定された場合(つまり、通常の体温が低く寒い)と認識するため、寒冷にさらされた場合と同様に体温を上昇させる反応が起こる。
1.× 橋とは、中脳と延髄に挟まれた、脳幹の一部である。運動に関する情報を大脳から小脳に伝える役割をもつ。
2.× 延髄とは、呼吸や循環、消化機能などの生命維持に関係する様々な中枢が集まっている。橋や延髄は脳幹と呼ばれる。
3.× 小脳とは、後頭部の下方に位置し、筋緊張や身体の平衡の情報を処理し運動や姿勢の制御(運動系の統合的な調節)を行っている。
4.× 大脳皮質とは、大脳の表層を覆うシワシワの部分で、前頭葉、頭頂葉、側頭葉などと呼ばれる部位の総称である。全身から送られてくる外界の情報を処理して思考・判断を行い、随意運動の指令を送り出している。
5.〇 正しい。視床下部に、体温調節中枢がある。視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。
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25 腎機能を示す血液検査項目はどれか。
1.中性脂肪
2.ビリルビン
3.AST(GOT)
4.クレアチニン
5.LDLコレステロール
解答4
解説
1.× 中性脂肪とは、食事から摂取した栄養のうち、体内でエネルギーとして使われる脂肪のことである。運動により、エネルギー消費量が増加し、内臓脂肪と皮下脂肪がエネルギー源として利用される。肝臓で主に代謝され、脂質代謝の異常を知るための指標となる。
2.× (総)ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。
3.× ASTとは、肝細胞・心筋・骨格筋に含まれており、これらの障害にて血中に増加する。血中半減期はASTが、1日弱である。したがって2~3日前から、採血時までの状態を反映している。
4.〇 正しい。クレアチニンは、腎機能を示す血液検査項目である。血清クレアチニンは、筋量に影響を受け、筋肉に含まれているタンパク質の老廃物である。本来は、尿素窒素と同様に腎臓の糸球体で濾過され尿中に排泄されるが、腎臓の機能が低下すると尿中に排泄される量が減少し、血液中にクレアチニンが溜まる。
5.× LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールとも呼び、全身の末梢血管にコレステロールを運ぶ作用を持つ。肝臓で主に代謝され、140mg/dL以上あると脂質異常症と診断される。ちなみに、脂質異常症とは、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症を指し、動脈硬化の原因となる。その治療で重要なのは、薬物療法のほか、食事指導による適正体重の維持や内臓脂肪の減量である。まず食事指導の基本は、総摂取エネルギーと栄養素配分を適正化することである。