第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午前111~115】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200g の児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。

111 産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。
 Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

1.3時間ごとに授乳させる。
2.児が前屈姿勢になるように支える。
3.児が啼泣している時に授乳させる。
4.児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
5.児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。

解答4・5

解説

本症例のポイント

・産褥4日。
・乳頭を児にうまくくわえさせられない。
・「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と。
・児の体重:3,040g、排尿:5回/日、排便:4回/日。
→本症例は、乳頭を児にうまくくわえさせられず、退院後も不安を抱いている。授乳方法の指導をする必要がある。

1.× 3時間ごとに授乳させる必要はない。なぜなら、授乳のタイミングは、児が「泣く前(自律授乳)」が基本となるため。自律授乳とは、児が欲しがるときに欲しがるだけ飲ませる授乳方法のことである。児に吸われる刺激によって母乳分泌が促されて母乳育児がスムーズになることから、とくに生後1~2か月ぐらいまでの間は自律授乳が推奨されている。自律授乳の場合、新生児期の授乳回数は1日10回以上になることもあるが、たくさん吸うことで飲むことに慣れ、上手に飲めるようになっていく。赤ちゃんの口の動きなどからほしがるサインに早期に気づき、授乳できるよう指導する。
2.× 児は、「前屈姿勢」ではなく「耳・肩・腰を結ぶ線が一直線の姿勢」が望ましい。母も児も負担がかかりにくい姿勢で行えるよう支援する。
3.× 児が啼泣「している時」ではなく、する前に授乳させる。理由は選択肢1と同様である。なぜなら、授乳のタイミングは、児が「泣く前(自律授乳)」が基本となるため。自律授乳とは、児が欲しがるときに欲しがるだけ飲ませる授乳方法のことである。児に吸われる刺激によって母乳分泌が促されて母乳育児がスムーズになることから、とくに生後1~2か月ぐらいまでの間は自律授乳が推奨されている。自律授乳の場合、新生児期の授乳回数は1日10回以上になることもあるが、たくさん吸うことで飲むことに慣れ、上手に飲めるようになっていく。赤ちゃんの口の動きなどからほしがるサインに早期に気づき、授乳できるよう指導する。
4.〇 正しい。児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。なぜなら、児は舌の上に乳頭がのると吸畷反射を起こしやすくなるため。吸啜反射とは、原始反射のひとつであり、口腔内に指を入れると、舌を動かして吸啜する(吸う)反射のことである。出生時からみられ、生後4~6か月頃には消失する。
5.〇 正しい。児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。なぜなら、児が大きく口を開けたタイミングでくわえさせることを意識すると、乳輪まで深くくわえさせることができるようになるため。

 

 

 

 

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

112 受診後のAさんの状況に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。

1.ストレスの増大
2.うつ症状の悪化
3.睡眠薬の持ち越し効果
4.SSRIの副作用(有害事象)

解答4

解説

本症例のポイント

・Aさん(37歳、女性、会社員、1人暮らし)
・異動から3週目:パニック発作を起こした。
・異動から2か月:パニック障害と診断された。
・短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が処方。
・職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。
・受診から5日後:Aさん「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と。
→Aさんの受診から5日後に起きている①気分不快、②下痢の原因を考える。ちなみに、パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。

1.× ストレスの増大が原因とは考えにくい。なぜなら、職場の協力を得て仕事量が調整されているため。
2.× うつ症状の悪化が原因とは考えにくい。なぜなら、そもそもAさんはパニック障害と診断されているため。仮にうつ症状が発症していたとしても、現在、治療が開始され、仕事量の調整が行われている。ちなみに、パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。
3.× 睡眠薬の持ち越し効果が原因とは考えにくい。なぜなら、日中の眠気に関する訴えがないため。主な睡眠薬の症状として、ふらつき・目眩、睡眠中の異常行動、眠気、頭痛・頭重感、倦怠感、残眠感、悪心、不安、悪夢などがあげられる。ちなみに、睡眠薬の持ち越し効果とは、眠りにつく前にベンゾジアゼピン系の睡眠薬を飲んだ人が、朝になっても効果が残り、眠気や頭痛、ふらつき、体のだるさなどを感じること。 薬の量を増やした場合や、効果が長く続く種類の薬に変更した場合に起きることが多い。 特に高齢者でよくみられ、自動車の運転などの、危険を伴う機械を操作することは控える必要がある。
4.〇 正しい。SSRIの副作用(有害事象)が考えられる。選択的セロトニン再取り込み阻害薬とは、抗うつ薬の一種である。脳の神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンの両方について再取り込みを阻害することで神経細胞と神経細胞の間のセロトニンとノルアドレナリンの量を増やし、情報伝達を増強して抗うつ効果を発揮すると考えられている。適応疾患として、うつ病・うつ状態以外にもパニック障害、社交不安障害、強迫性障害などに有効とされている。一方、副作用として、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が現れることがある。

 

 

 

 

 

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

113 受診から1か月後、Aさんは11階の職場に向かう途中、エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。その時は、息が止まってしまうように感じた。それ以来、エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。
 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1.「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。
2.同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る。
3.抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する。
4.ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する。

解答1

解説

本症例のポイント

・受診から1か月後:エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。
・息が止まってしまうように感じた。
・以来:エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。
→本症例は、予期不安(また発作が起こるのではないかという不安)がみられる。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。その中でも③認知行動療法とは、ベックによって精神科臨床に適応された治療法である。例えば、うつ病患者の否定的思考を認知の歪みと考え、その誤りを修正することによって症状の軽快を図る。認知行動療法の中に、系統的脱感作法がある。系統的脱感作法とは、患者に不安を引き起こす刺激を順に挙げてもらい(不安階層表の作成)、最小限の不安をまず想像してもらう。不安が生じなかったら徐々に階層を上げていき、最終的に源泉となる不安が消失する(脱感作)ことを目指す手法である。

1.〇 正しい。「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。本症例は、予期不安(また発作が起こるのではないかという不安)がみられる。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法(セルフコントロール)などである。その中でも③認知行動療法とは、ベックによって精神科臨床に適応された治療法である。例えば、うつ病患者の否定的思考を認知の歪みと考え、その誤りを修正することによって症状の軽快を図る。認知行動療法の中に、系統的脱感作法がある。系統的脱感作法とは、患者に不安を引き起こす刺激を順に挙げてもらい(不安階層表の作成)、最小限の不安をまず想像してもらう。不安が生じなかったら徐々に階層を上げていき、最終的に源泉となる不安が消失する(脱感作)ことを目指す手法である。
2.× 同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る優先度は低い。なぜなら、集団療法(同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図ること)は、主に飲酒や薬物などの依存症に対する治療であるため。本症例のようなパニック障害の予期不安に対して、適応されることは少ない。ちなみに、集団療法とは、通常10人前後の小集団を対象として、参加するメンバーの各々が自分を語ることを通じて実践される心理療法のひとつである。集団精神療法により、飲酒問題を認め、断酒の継続を行うことが治療上きわめて有効である。
3.× 抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する優先度は低い。なぜなら、本症例は、予期不安に対しての支援を求められているため。抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育することは、薬を飲まなくなってしまったり、拒否している患者に対して行うことが多い。
4.× ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する優先度は低い。なぜなら、本症例は、予期不安に対しての支援を求められているため。ちなみに、社会生活技能訓練(SST:Social Skills Training)とは、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つ(認知行動療法の一つ)である。精神科における強力な心理社会的介入方法である。患者が習得すべき行動パターンを治療者(リーダー)が手本として示し、患者がそれを模倣して適応的な行動パターンを学ぶという学習理論に基づいたモデリング(模倣する)という技法が用いられる。

 

 

 

 

 

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

114 Aさんのパニック発作は消失し、不眠も改善したため、睡眠薬の処方は終了となった。Aさんは「もともと手足が冷えて寝つきが悪かったから、睡眠薬がなくなることが少し心配です。自分で工夫できることはあるでしょうか」と看護師に尋ねてきた。看護師が以前の睡眠状況を尋ねると、睡眠時間は23時から6時までの7時間であったこと、手足が冷えて眠れない時は熱いシャワーを浴びてから布団に入っていたことを話した。
 Aさんの睡眠へのセルフケアに対する看護師の指導で適切なのはどれか。

1.「休日は昼まで寝るようにしましょう」
2.「布団に入る時間を21時に早めましょう」
3.「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」
4.「眠れるまで布団の中でじっとしているようにしましょう」

解答3

解説

本症例のポイント

・パニック発作:消失、不眠も改善した。
・睡眠薬の処方:終了。
・Aさん「もともと手足が冷えて寝つきが悪かったから、睡眠薬がなくなることが少し心配です。自分で工夫できることはあるでしょうか」と。
・睡眠時間:7時間(23時から6時まで)
・手足が冷えて眠れない時は熱いシャワーを浴びてから布団に入っていた。
→入眠(快眠)を促す生活習慣の指導が必要になる。ひとつは直接的な役割で、「運動」や「入浴」のように習慣そのものが直接的に快眠をもたらす場合である。もうひとつは間接的な役割で、良い習慣で体内時計を24時間にきっちりと調節すれば、規則正しい睡眠習慣が身に付いて快眠が得られる。そのための習慣として「光浴」がある。そしてこれらの習慣はそれを行うタイミングが重要なことも分かっている(※参考:「快眠と生活習慣」厚生労働省HPより)。

1.× あえて、休日は昼まで寝る必要はない。かえって不規則な生活リズムとなるため控えるべきである。
2.× あえて、布団に入る時間を21時に早める必要はない。なぜなら、Aさんの睡眠時間は、7時間(23時から6時まで)と確保できているため。ちなみに、成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安である。
3.〇 正しい。「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」と指導する。なぜなら、 ぬるめの湯に浸かることで、自律神経のうち副交感神経が優位になり、心身は一気にリラックスモードとなり、スムーズな入眠につながるため。逆に40度を超える湯温では交感神経が優位になり、睡眠の妨げとなってしまう。
4.× 眠れるまで布団の中でじっとしている必要はない。なぜなら、睡眠に適した環境が整っていなければ、じっとしていても眠れるようにはならないため。Aさんは「自分で工夫できることはあるでしょうか」と問われているため、寝れないときの具体的な対処法を伝えたほうが良い。最近の研究では、寝れないときには、米軍式睡眠法や連想睡眠法(シャッフル睡眠法)が効果的とされている。

 

 

 

 

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
 Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

115 病棟看護師がAさんに行う在宅酸素療法に関する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.電磁調理器の使用を勧める。
2.外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
3.在宅酸素療法の機材が介護保険で給付される。
4.酸素濃縮器は日当たりのよいところに設置する。
5.呼吸困難時にAさんの判断で酸素流量を変更してよい。

解答1・2

解説

本症例のポイント

・Aさん(75歳、女性、1人暮らし、)
・5年前:慢性閉塞性肺疾患(喫煙歴あり)。
・ADL:ほぼ自立。
・入院後:酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受けた。
・症状改善、在宅酸素療法を導入し退院。
・初めて要介護認定を受けたところ、要支援2
→酸素療法とは、室内空気より高い濃度の酸素を投与することである。したがって、在宅酸素療法とは、酸素療法を自宅で実施することをさす。適応として、慢性呼吸不全や慢性心不全により体内の酸素濃度が低下している人に対して行われる。在宅でも安心して酸素療法を受けられるよう、生活指導などの看護支援が必要で、在宅酸素療法を実施している間は、火気厳禁となる。したがって、喫煙者が家族にいないかなどに注意し、電磁調理器の使用を推奨する。携帯用酸素ボンベや外部バッテリー接続などで3時間程度は酸素吸入が可能となる。

1.〇 正しい。電磁調理器の使用を勧める。なぜなら、在宅酸素療法を実施している間は、火気厳禁となるため。したがって、喫煙者が家族にいないかなどに注意し、電磁調理器の使用を推奨する。
2.〇 正しい。外出時にデマンドバルブの作動を確認する。デマンドバルブ(呼吸同調器)は、患者の呼吸に合わせて酸素を吸う時のみ酸素ボンベから酸素を供給するものである。デマンドバルブを利用すると、酸素を節約でき、酸素ボンベの使用可能時間を2~3倍に増やすことができる。したがって、外出時は、携帯用酸素ボンベ(デマンドバルブ)を利用する。
3.× 在宅酸素療法の機材は、「介護保険」ではなく医療保険で給付される。機材のリース、ボンベの交換などにかかる個人負担は1~3割である。一般的に月額、1割負担の場合は7,680円、2割負担で15,360円、3割負担で23,040円である。ちなみに、介護保険とは、平成12年4月から開始された介護を必要とする方に費用を給付し、適切なサービスを受けられるようにサポートする保険制度である。40歳以上の人は、介護保険の被保険者となり、①65歳以上の人(第1号被保険者)と、②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)になる。
4.× 酸素濃縮器は、「日当たりのよいところ」ではなく、直射日光の当たらないところに設置する。温度:-20~60℃、湿度:0~95%の場所に保管する。また、気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分を含んだ空気等により悪影響の生ずる恐れのない場所に保管することが求められる。
5.× 呼吸困難時でも、Aさんの判断で酸素流量を変更することはできない。なぜなら、多すぎる酸素はかえって身体に害を及ぼすことがあるため。高濃度の酸素を投与し、抗酸化防御機構の処理能力を上回る活性酸素が発生すると、気道や肺が障害される「酸素中毒」が起こるおそれがある。酸素中毒の症状とし、トンネルの中から出口を見たように視野が狭くなり(トンネル・ビジョン)、耳鳴り、吐き気、部分的な筋肉のけいれん(特に顔面)、気分の 変調、めまいなどが起こる。したがって、必ず医師の判断と指示が必要となる。

介護保険の貸与と購入の対象

【貸与の対象】
①車椅子
②車椅子付属品
③特殊寝台
④特殊寝台付属品
⑤床ずれ防止用具
⑥体位変換器
⑦手すり
⑧スロープ
⑨歩行器
⑩歩行補助杖
⑪認知症老人徘徊感知機器
⑫移動用リフト(つり具の部分を除く)
⑬自動排泄処理装置
(※赤文字は要介護2~5の貸与対象である)

【購入の対象】
①腰掛け便座
②自動排泄処理装置の交換可能部分
③入浴補助用具
④簡易浴槽
⑤移動用リフトの吊り具の部分

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)