第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前91~95】

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次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。

91 Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果を下図に示す。
このときの心電図の所見で適切なのはどれか。


1.発作時はST低下がある。
2.発作時はP波が低下している。
3.安静時は異常Q波がある。
4.安静時は冠性T波がある。
5.安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。

解答1

解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

本症例のポイント

・Aさん(56歳、男性、脂質異常症)
・不規則な生活が続く。
・荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現。
狭心症が疑われた。
→本症例は、①心電図においてSTが低下していること、②荷物を運ぶとき(労作時)に胸部圧迫感が出現していることから、狭心症(労作性狭心症)が疑われている。労作性狭心症とは、心臓に栄養を送る血管である冠動脈の一部が動脈硬化によって75%以上狭窄し、血流の流れが悪くなってしまう状態である。症状として、胸痛発作の頻度(数回/周以下)、持続時間(数分以内)、強度などが一定であることや、一定以上の運動や動作によって発作が出現する。その4大危険因子は、「①喫煙、②脂質異常症、③糖尿病、④高血圧」である。そのほかにも、加齢・肥満・家族歴・メタボリックシンドロームなどがある。診断には、患者への侵襲が比較的少ない運動負荷心電図検査が行われる。

1.〇 正しい。発作時はST低下がある(※図参照)。
2~5.× 発作時はP波が低下している/安静時と発作時ともにQRS幅が拡大しているとはいえない。P波は心房の興奮である。P波の消失、幅が広く形の異なるQRSを認めた場合は、心室性期外収縮を疑う。心室性期外収縮とは、本来の洞結節からの興奮より早く、心室で興奮が開始していることをいう。
3~4.× 安静時は異常Q波がある/安静時は冠性T波があるとはいえない。ST上昇、異常Q波、冠性T波がみられている場合は、心筋梗塞を疑う。心筋梗塞では、T波の増高が最も早くみられ、時間の経過と共に【ST上昇→異常Q波→冠性T波】がみられるようになる。ちなみに、異常Q波とは、幅が0.04秒以上、または、Q波の深さがR波の高さの1/4であることを指す。また、冠性T波とは、急性心筋梗塞を発症してから1~4週後に認められる左右対称性の陰性T波である。発作時、安静時ともにT波は陽性となる。

急性心筋梗塞とは?

急性心筋梗塞とは、冠状動脈内に血栓が形成され、動脈を閉塞し心筋が壊死することである。リスクファクターとして、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。ちなみに、労作性狭心症とは、心臓に栄養を送る血管である冠動脈の一部が動脈硬化によって75%以上狭窄し、血流の流れが悪くなってしまう状態である。症状として、胸痛発作の頻度(数回/周以下)、持続時間(数分以内)、強度などが一定であることや、一定以上の運動や動作によって発作が出現する。その4大危険因子は、「①喫煙、②脂質異常症、③糖尿病、④高血圧」である。そのほかにも、加齢・肥満・家族歴・メタボリックシンドロームなどがある。

次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。

92 検査の結果、Aさんは労作性狭心症と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。手術中から抗凝固療法を実施している。
手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.乏尿の有無
2.皮膚の黄染
3.出血の有無
4.両足背動脈の触知
5.穿刺部位の感染徴候

解答3・4

解説

本症例のポイント

・検査:労作性狭心症(内服:硝酸薬、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬)
・1か月後:胸部の圧迫感増強、放散痛:左上腕から前腕。
経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた。
・カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。
・手術中から抗凝固療法を実施している。
→経皮的冠動脈形成術とは、冠動脈内腔の狭くなった部分にカテーテルを使って拡げる治療である。主な合併症は急性心筋梗塞、急性心不全、重症不整脈、血管損傷、造影剤やその他の薬によるアレルギーなどによるショック、塞栓出血感染症などの可能性がある。したがって、①出血の有無、②両足背動脈の触知などを観察する必要がある。

1.× 乏尿の有無より優先度が高いものが他にある。乏尿の原因は、腎炎、ネフローゼあるいは心不全などが考えられる。ちなみに、乏尿とは、1日の尿量が400mL以下となった状態である。
2.× 皮膚の黄染より優先度が高いものが他にある。横断の原因として、血中ビリルビンの上昇があげられる。血中ビリルビンの上昇する要因として、①肝臓そのものの不調、②赤血球が沢山分解されること、③肝臓で作られる胆汁という消化液の通り道である胆管が詰まることなどがあげられる。
3~4.〇 正しい。出血の有無/両足背動脈の触知は手術直後の観察項目である。経皮的冠動脈形成術とは、冠動脈内腔の狭くなった部分にカテーテルを使って拡げる治療である。主な合併症は急性心筋梗塞、急性心不全、重症不整脈、血管損傷、造影剤やその他の薬によるアレルギーなどによるショック、塞栓出血、感染症などの可能性がある。したがって、①出血の有無、②両足背動脈の触知などを観察する必要がある。本症例の場合は、設問文より「カテーテルを右大腿動脈から挿入されている」ため、血栓が形成された場合、大動脈の末梢に循環障害をきたすこと(両足背動脈が触知しにくくなること)がある。また、設問文より「手術中から抗凝固療法を実施している」ため、出血しやすいこと(他の臓器や血尿)にも観察対象である。
5.× 穿刺部位の感染徴候より優先度が高いものが他にある。なぜなら、感染徴候は手術直後には現れないため。創部感染とは、皮膚を縫合している創部に感染が起こっている状態であり、術後2~3日以降に起こり、5〜7日がピークである。

次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。

93 Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。A さんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.「水分摂取を控えましょう」
2.「肉類を多く食べましょう」
3.「睡眠時間を確保しましょう」
4.「自動車の運転はやめましょう」
5.「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」

解答3・5

解説

本症例のポイント

・・Aさん(56歳、男性、脂質異常症労作性狭心症
術前の生活:不規則な生活、ストレス多く、睡眠不十分。
・手術後4日:退院予定。
・Aさん「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と。
→本症例は、労作性狭心症である。労作性狭心症とは、心臓に栄養を送る血管である冠動脈の一部が動脈硬化によって75%以上狭窄し、血流の流れが悪くなってしまう状態である。症状として、胸痛発作の頻度(数回/周以下)、持続時間(数分以内)、強度などが一定であることや、一定以上の運動や動作によって発作が出現する。その4大危険因子は、「①喫煙、②脂質異常症、③糖尿病、④高血圧」である。そのほかにも、加齢・肥満・家族歴・メタボリックシンドロームなどがある。したがって、術前の生活状況から、生活習慣の改善をするよう支援する必要がある。

1.× 水分摂取を控える必要はない。なぜなら、脱水により塞栓のリスクが助長されるため、むしろ水分摂取を促す。また、経皮的冠動脈形成術の合併症として、急性心筋梗塞、急性心不全、重症不整脈、血管損傷、造影剤やその他の薬によるアレルギーなどによるショック、塞栓、出血、感染症などの可能性がある。
2.× 肉類を多く食べる必要はない。なぜなら、肉類の多いと動脈硬化を促進するため。本症例が呈している労作性狭心症とは、心臓に栄養を送る血管である冠動脈の一部が動脈硬化によって75%以上狭窄し、血流の流れが悪くなってしまう状態である。したがって、動脈硬化を予防するため、魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻、きのこ類、こんにゃくを積極的にとるよう助言する。
3.〇 正しい。「睡眠時間を確保しましょう」と退院指導する。なぜなら、本症例の術前の生活は、不規則な生活で、ストレス多く、睡眠不十分であったため。また、睡眠不足により体内に蓄積したストレスや疲労は、高血圧や動脈硬化を引き起こす原因になる。 睡眠時間が5時間以下の人は、7〜8時間睡眠の人に比べ、高血圧の発症率が2倍に増えるという報告ある。
4.× 自動車の運転をやめる必要はない。なぜなら、現状、術後は順調で、手術後4日に退院予定が決まっているため。長時間の運転は血栓の形成(エコノミー症候群)を助長するため注意する必要がある。
5.〇 正しい。「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」と退院指導する。なぜなら、重い荷物を運ぶ作業は、心臓に負担(血圧上昇心拍数増加など)を強いるため。ちなみに、本症例は、術前にも、「荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現」していた。現在も「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と言っていることからも重い荷物を運ぶ作業は控えるよう指導する。

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(55歳、男性)。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。Hb 13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。

94 このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1.貧血のため脈拍が速い。
2.疼痛のため血圧が高い。
3.創部感染のため体温が高い。
4.心不全のため呼吸数が多い。

解答2

解説

本症例のポイント

・Aさん(55歳、男性、胃癌:胃全摘出術)
・術中の出血量:300mL(輸血なし)。
・既往歴:なし、入院時身長166cm、体重78kg。
・手術後1日:硬膜外持続鎮痛法が行われている。
創部痛が強い呼吸が浅く、離床できず。
体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分血圧162/90mmHg
・SpO2:93%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。
Hb 13.8g/dL、尿量60mL/時、意識清明、心音および呼吸音に異常なし。
頸静脈怒張なし下肢に浮腫なし創部に熱感や発赤を認めない
・腹腔ドレーンから:少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。
→Aさんは胃全摘出術後でその合併症に注意する。それだけでなく、現在の評価で正常から逸脱した項目の原因を考察することが大切である。

1.× 貧血のため「脈拍が速い」とはいえない。なぜなら、Aさんは、Hb13.8g/dL(成人男性のヘモグロビン基準値は14~18g/dL)であるため。したがって、Aさんは貧血を認められない。また、設問文より「Aさんには創部痛があり呼吸が浅い」という記述がある。脈拍が速い主な原因として、疼痛により交感神経が優位に働いているためと考えられる。
2.〇 正しい。疼痛のため血圧が高い。設問文から「創部痛があり」と記載されている。疼痛が生じると、ストレスによる交感神経が優位に働き、血圧・脈拍・呼吸数の上昇などがみられる
3.× 創部感染のため「体温が高い」とはいえない。なぜなら、設問文には「創部に熱感や発赤を認めない」と創部感染を否定的にとらえられるため。術後の体温の上昇は正常の身体反応で、通常、術後2~3日間は、体温は37.0~38.0℃で程度まで上昇する。これは、術後、手術侵襲によって炎症性サイトカインが産生・分泌されることで起こる。サイトカインは情報伝達物質であり、全身に侵襲の発生を伝え、適切な生体反応を起こさせる役割を担う。生体反応の1つとして視床下部の体温調節中枢にサイトカインが作用することで発熱が起こる。
4.× 心不全のため「呼吸数が多い」とはいえない。なぜなら、設問文に「①心音および呼吸音に異常なし、②頸静脈怒張なし、③下肢に浮腫なし」と心不全を否定的にとらえられるため。ちなみに、Aさんの呼吸数22回:頻呼吸(成人の呼吸数の基準値は12~18回/分)は、疼痛があると交感神経が優位となった働きで、血圧・脈拍・呼吸数の上昇などがみられるためと考えられる。

心不全とは?

心不全は心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。

心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(55歳、男性)。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。Hb 13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。

95 手術後5日からAさんの食事が開始された。Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。
現状で最も考えられるのはどれか。

1.術後せん妄
2.乳糖不耐症
3.偽膜性大腸炎
4.ダンピング症候群

解答4

解説

本症例のポイント

・手術後5日:食事開始。
・食事後:めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現。
・冷汗がみられる。
→胃全摘出術後は、胃の機能的喪失や消化管再建などに基づく様々な障害が生じる。しばしば生活支障をきたす可能性があり、対応や治療が必要である。【胃全摘出術後にみられやすいもの】①胃酸が不足することによる鉄の吸収障害。②胃の壁細胞から分泌されるキャッスル内因子が減少することによるビタミンB12不足。その他にも、小胃症状、体重減少、ダンピング現象、貧血、骨粗鬆症、逆流性食道炎、下痢などが考えられる。

1.× 術後せん妄とは、手術をきっかけにしておこる精神障害(意識障害のひとつ)で、手術の後いったん平静になった患者さんが1~3日たってから、急激に錯乱、幻覚、妄想状態をおこし、1週間前後続いて次第に落ち着いていくという特異な経過をとる病態をいう。 症状は他にも、一過性・変動性の見当識障害や抑うつ、不安などがみられる。高齢の方に起こりやすく、術後の回復期に起こることが多い。
2.× 乳糖不耐症とは、ミルクに含まれる糖質である乳糖をグルコースとガラクトースに分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下しているために、乳糖を消化吸収できず、著しい下痢や体重増加不良をきたす疾患である。つまり、腸内のラクターゼの不足により牛乳を飲むと下痢を起こす状態である。
3.× 偽膜性大腸炎とは、主に抗菌薬の使用によりクロストリジウム・ディフイシル菌(Clostridium difficile:CD)という菌が異常に増殖して起きる感染性大腸炎の1種である。内視鏡検査で大腸の壁に小さい円形の膜が見られる。薬剤服用後数日から2~3週間後に下痢、発熱、腹痛など の症状が出始める。
4.〇 正しい。ダンピング症候群とは、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こる。2種類に分類され、①早期ダンピング症候群:食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、②後期ダンピング症候群:食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられる。早期ダンピング症候群は、食物が腸に急速に流れ込むことで起こる。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感など。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もあり、本症例の症状と合致する。

せん妄とは?

せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。高齢者は薬剤によってせん妄が引き起こされる場合も多い。
【原因】脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。

【症状】
①意識がぼんやりする。
②その場にそぐわない行動をする。
③夜間に起こることが多い。 (夜間せん妄)
④通常は数日から1週間でよくなる。

【主な予防方法】
①術前の十分な説明や家族との面会などで手術の不安を取り除く。
②昼間の働きかけを多くし、睡眠・覚醒リズムの調整をする。
③術後早期からの離床を促し、リハビリテーションを行う。

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