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6 原始反射はどれか。
1.手掌把握反射
2.視性立ち直り反射
3.パラシュート反射
4.Landau(ランドー)反射
解答1
解説
原始反射は、知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。つまり、原始反射とは、新生児期から乳児期早期にかけて(生まれた日を0日とし、生後28日未満)のみ認められる反射である。
1.〇 正しい。手掌把握反射は原始反射である。手掌把握反射とは、出生時からみられ生後4か月ころに消失する反射である。児が指を開いているときに指で手のひらを刺激すると、指を握りしめようとする反射で、代表的な原始反射のひとつである。生後3~4か月で消失する。
2.× 視性立ち直り反射(視覚性立ち直り反応)は、腹臥位:3ヵ月、座位・立位:5~6ヵ月に出現し生涯継続する。視覚刺激の誘発により、頭部の位置を正常に保持する反射のことで、例えば座位の場合、を座らせて左右に傾けると頭を垂直にしようとする。視性の刺激が立ち直りに関与する。
3.× パラシュート反射(保護伸展反応)は、下方:6ヵ月、前方:6~7ヵ月、側方:7~8ヵ月、後方:9~10ヵ月で発現し、生涯継続する。防御的に四肢を伸展して頭部を保護したり、支持して姿勢を安定させようと働く反応のことである。抱き上げた子どもの体を支えて下方に落下させる、もしくは座位で前方・側方・後方に倒すと、両手を伸ばし、手を開いて体を支える。
4.× Landau(ランドー)反射は、第1相:0~6週、第2相:7週~3、4 ヵ月、第3相:6 ヵ月から1~2歳で統合される。乳児の腹部を検者の手掌で支えて水平にすると、頭を上げ体幹をまっすぐにし,さらに下肢を伸展する。3つの頭部の立ち直り反応すべての効果が合わさった反応である。第1相:頸部、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第2相:頸部水平、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第3相:頸部伸展挙上、体幹伸展、四肢伸展傾向。
7 思春期にみられる感情の特徴はどれか。
1.情緒的に安定し穏やかになる。
2.思い通りにならないと泣き叫ぶ。
3.親に対して強い愛情表現を示す。
4.依存と独立のアンビバレント(両価的)な感情をもつ。
解答4
解説
乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感
幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳):自律性vs恥・羞恥心
幼児後期(4歳~6歳):積極性(自発性)vs罪悪感
児童期・学童期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感
青年期(12歳~22歳):同一性(アイデンティティ)vs同一性の拡散
前成人期(就職して結婚するまでの時期):親密性vs孤立
成人期(結婚から子供が生まれる時期):生殖性vs自己没頭
壮年期(子供を産み育てる時期):世代性vs停滞性
老年期(子育てを終え、退職する時期~):自己統合(統合性)vs絶望
1.× 情緒的に安定し穏やかになるのは、思春期以降に見られる。なぜなら、思春期を迎えると、成長ホルモンや性ホルモンの分泌が盛んになり、体は大人の体へと急速に変化し、第二次性徴も始まるため。性的な衝動や攻撃的な衝動が高まり、落ち着きがなくなり、そわそわしたり、イライラし始める時期である。
2.× 思い通りにならないと泣き叫ぶのは、幼児期前期の特徴である。エリクソンの発達課題において、幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳)は、自律性vs恥・羞恥心である。自我がめばえ、自分の思いどおりにならないと泣き叫んだり、たたいたりする。
3.× 親に対して強い愛情表現を示すのは、乳児期の特徴である。エリクソンの発達課題において、乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感である。親に対して強い愛情表現を示す愛着行動が特徴である。ちなみに、愛着形成とは、精神科医のジョン・ボルビィが1969年に著書「愛着行動」の中で書かれた考え方である。 「子どもが不安な時に親や身近にいる信頼できる人にくっつき安心しようとする行動」のことである。
4.〇 正しい。依存と独立のアンビバレント(両価的)な感情をもつ。アンビバレントとは、同じ対象に対して正反対の感情を同時に抱くことである。思春期には自我が発達し、絶対的な権威であった親に対して批判的・反抗的になる一方で、これまでどおり親への依存心・甘えの感情を抱く。
二次性徴とは、性ホルモンの分泌が促進されることにより、性器および身体に現れる変化である。第二次性徴に関わるホルモンは、男性の場合はアンドロゲン、女性の場合はエストロゲンとプロゲステロンである。アンドロゲンは精巣から、エストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌される。
平均的に見ると男児の場合は、10歳前後に始まり約5年間続く。 体の成長には決まった順番があり、①睾丸の発達→②陰毛の発生→③精通→④声変わり→⑤体型の変化という順番をたどる。女児の場合は、8歳前後から始まり①乳房発育→②陰毛発生→③初経という順に進行することが一般的である。その評価にはTanner分類が用いられている。
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8 老年期の身体的な特徴はどれか。
1.総水分量が増加する。
2.胸腺の重量が増加する。
3.嗅覚の閾値が低下する。
4.高音域における聴力が低下する。
解答4
解説
世界保健機構の定義では、65 歳以上の者となっている。日本では、65~75歳が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者となっている。
1.× 総水分量は、「増加」ではなく低下する。なぜなら、加齢に伴い水分を多く備蓄している筋肉が減少(水分の割合が少ない体脂肪の割合が増加)するためである。総水分量(細胞内・外液量)の割合は、成人では体重の約60%だが、高齢者では50%に低下する。したがって、若い頃より脱水症になりやすいといえる。他にも、脱水症の原因として、加齢とともに喉の渇きを感じる「口渇中枢」が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなる。
2.× 胸腺の重量は、「増加」ではなく低下する。なぜなら、加齢に伴い胸腺は萎縮するため。ちなみに、胸腺とは、胸骨裏面の前縦隔に位置する免疫担当臓器で、Tリンパ球が成熟する場所である。10~12歳頃に最も大きくなり、その後は加齢とともに小さくなる。
3.× 嗅覚の閾値は、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、嗅覚の感覚受容器である嗅細胞が加齢に伴って減少するため。閾値とは、感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な、最小の強度や刺激などの(物理)量である。したがって、閾値が高いと(上がると)、 感覚を感じにくくなることをさす。嗅覚の闘値が上昇するということは、においの識別が困難になるということである。
4.〇 正しい。高音域における聴力が低下する。これは、蝸牛におけるコルチ器の有毛細胞(高音域を識別する部位)が、加齢に伴い変性・減少していくためといわれている。生理的老化による感音性難聴により、50歳頃から始まる。弁別能の低下や高音域の聞き取りにくさがみられ、人との会話が聞き取りづらくなる。これにより、人と会ったり、外出したりすることを避けるようになり、外部との交流が途絶え、孤立につながる。
9 一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【 】人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定められている。
【 】に入るのはどれか。(※不適切問題:採点除外)
1.2
2.3
3.4
4.6
解答2(採点除外)
理由:問題としては適切であるが、必修問題としては妥当でないため。
解説
一般病床の看護職員の配置基準は、医療法21条に「病院は、厚生労働省令(第一号に掲げる従業者(医師及び歯科医師を除く。)及び第十二号に掲げる施設にあつては、都道府県の条例)の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。」と記載されている(※一部引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
病院の一般病棟(感染症病床含む)では、患者:医師=16:1、患者:看護師(または准看護師)=3:1。これは、患者16名に対して医師が1名必要・患者3名に対して看護師(または准看護師)が1名必要という意味である。療養病棟(医療保険適応)では、患者:医師=48:1、患者:看護師(または准看護師)=4:1。特定機能病院では、患者:医師=8:1、患者:看護師(または准看護師)=2:1と定められている。
一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【 3 】人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定められている。したがって、選択肢2.3が正しい。
特定機能病院とは、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院である。1992年6月改正、1993年4月施行の医療法の第2次改正によって制度化された日本の医療機関の機能別区分のうちのひとつで、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が承認する必要がある。ちなみに、医療安全管理者とは、医療機関の管理者から委譲された権限に基づいて、組織全体を俯瞰した安全管理に関する医療機関内の体制の構築に参画し、委員会等の各種活動の円滑な運営を支援する。また、医療安全に関する職員への教育・研修、情報の収集と分析、対策の立案、医療事故・発生時の初動対応、再発防止策立案、発生予防および発生した医療事故の影響拡大の防止等に努める。そして、これらを通し、安全管理体制を組織内に根づかせ機能させることで、医療機関における安全文化の醸成を促進する。(※一部引用:「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」厚生労働省HPより)
10 嚥下に関わる脳神経はどれか。
1.嗅神経
2.外転神経
3.滑車神経
4.迷走神経
解答4
解説
三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。咀嚼筋とは、下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋肉の総称である。咀嚼筋は一般的に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられる。咀嚼筋は、主にⅤ:三叉神経支配である。
1.× 嗅神経(Ⅰ)は、嗅覚を大脳に伝える。ちなみに、嗅覚は鼻腔上部の嗅部の粘膜上皮(嗅上皮)の嗅細胞で受容される。嗅細胞の中枢性突起が嗅神経となり、篩骨篩板を通って嗅球に入る。嗅球から後方に向かって嗅索が走り、その線維は大部分外側嗅条を通って海馬旁回の嗅覚野に達する。つまり、①嗅細胞→②嗅神経→③嗅球→④嗅索→⑤嗅覚野(1次感覚野)に達する。
2.× 外転神経(Ⅵ)は、眼球運動(外転直筋)に関わる。
3.× 滑車神経(Ⅳ)は、眼球運動(上斜筋)に関わる。
4.× 〇 正しい。迷走神経(Ⅹ)は、嚥下に関わる脳神経である。嚥下は飲み込むこと、咀嚼は噛むことなので間違えないようにする。迷走神経とは、感覚神経・運動神経の一つである。嚥下運動や声帯の運動、耳介後方の感覚などに作用する。内臓(胃、小腸、大腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしている。刺激すると徐脈、咳、嘔吐などを生じる。強い痛みや精神的ショックなどが原因で、迷走神経が過剰に反応すると、心拍数や血圧の低下、失神などを引き起こす(迷走神経反射)。
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋