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26 健常な成人の血液中にみられる細胞のうち、核が無いのはどれか。
1.単球
2.好中球
3.赤血球
4.リンパ球
解答3
解説
血液中の血球成分は、赤血球、白血球、血小板の3種に分かれ、うち核をもつのは白血球のみである。白血球には主に5種類(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)がある。これらを総 称して白血球と呼び、それぞれの割合を示したものを血液像(白血球分画)という。
1.× 単球とは、白血球の一種であり、核をもつ。最も大きなタイプの白血球である。マクロファージなどへ分化し、貧食・消化・殺菌などの機能を発揮する。単球は、末梢血白血球の2~9%を占める。ちなみに、マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
2.× 好中球とは、白血球のー種であり、核をもつ。白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貧食する。
3.〇 正しい。赤血球は、健常な成人の血液中にみられる細胞のうち、核が無い。赤血球とは、血液中の血液細胞の一種であり、主な役割は、酸素を全身に運ぶことである。赤血球中にはヘモグロビン(血色素)と呼ばれる蛋白質があり、ここに酸素を結合させて運んでいる。赤血球は骨髄で作られる際に、骨髄中で成熟し、脱核して末梢血中に出る。血管のなかで約120日間働いた後、肝臓や脾臓で壊される。
4.× リンパ球とは、白血球の一種であり、核をもつ。ウイルスに対する免疫反応に関与する。リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
27 自発呼吸時の胸腔内圧を示す曲線はどれか。
解答4
解説
(※図引用:「PLAZA」大学病院医療情報ネットワークより)
1~2.× 胸膜腔は、吸息相・呼息相ともに陽圧にはならない。通常陰圧の状態が保たれており、陽圧になるのは人工的な換気が行われた場合のみである。
3.× 吸気相でグラフが上に向かっている(陰圧が弱まっている)。肺は、能動的には動かず、横隔膜などの呼吸筋の動きとそれに伴い、胸腔内圧が変化して動かされている。
4.〇 正しい。自発呼吸時の胸腔内圧を示す曲線である。吸気時には横隔膜が収縮することで胸腔の体積が増大し、胸腔内圧は低下する(陰圧が強まる)ため肺が膨らむ。一方、呼気時には横隔膜が弛緩し、肺はしぼんでいくため、胸腔内圧は上昇するためグラフは上に向かう。
28 急性大動脈解離について正しいのはどれか。
1.大動脈壁の外膜が解離する。
2.診断には造影剤を用いないCT検査を行う。
3.Stanford(スタンフォード)分類B型では緊急手術を要する。
4.若年者ではMarfan(マルファン)症候群の患者にみられることが多い。
解答4
解説
大動脈解離とは、大動脈内膜に生じた亀裂(エントリー)から血液が流入し、中膜部分が解離した状態である。ほとんどの場合、高血圧症を基礎に持つ患者に突如発生する。
1.× 大動脈壁の「外膜」ではなく内膜が解離する。大動脈壁は、①内膜、②中膜、③外膜からなる。大動脈解離とは、大動脈内膜に生じた亀裂(エントリー)から血液が流入し、中膜部分が解離した状態である。
2.× 診断には、「造影剤を用いないCT検査」ではなく、造影剤を用いたCT検査を行う。なぜなら、造影CTを実施することにより解離の程度や範囲、血流の異常、破裂の部位、縦隔陰影の拡大、大動脈影の拡大などを確認することができるため。また、他にも胸部X線検査、心エコー(超音波)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査などでも確定診断可能である。
3.× 緊急手術を要するのは、Stanford分類「B型」ではなくA型である。なぜなら、上行大動脈に解離が及ぶA型は、大動脈弁閉鎖不全症や心タンポナーデなど重篤な合併症を起こしやすいため。一方、B型はA型と比べて緊急性が低く、原則内科的治療(血圧管理、安静)を行う。
4.〇 正しい。若年者ではMarfan症候群の患者にみられることが多い。Marfan症候群とは、全身の結合組織の働きが体質的に変化しているために、骨格の症状(高身長・細く長い指・背骨が曲がる・胸の変形など)、眼の症状(水晶体(レンズ)がずれる・強い近視など)、心臓血管の症状(動脈がこぶのようにふくらみ、裂けるなど)などを起こす病気である。つまり、全身の結合組織がもろくなるため、大動脈癌や大動脈解離を生じやすい。
大動脈解離は、大動脈が裂ける場所によって2つに分類される。
・スタンフォードA型:上行大動脈から裂けるタイプ
→A型は病気が発症して48時間以内に破裂を起こしやすく、緊急手術が必要。
・スタンフォードB型:上行大動脈は裂けず、背中の大動脈(下行大動脈)から裂けるタイプ
→B型はA型に比し、すぐには破裂しないことが多いため、お薬と絶対安静の治療が中心であるが、このB型も破裂の兆候が認められたり(背中の痛みが持続)、腹部内臓や下半身への血の流れが悪くなる場合は緊急の治療を必要とする。
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29 平成24年度(2012年度)における社会保障給付費の内訳で多い順に並んでいるのはどれか。
1.年金> 医療> 福祉その他
2.年金> 福祉その他> 医療
3.医療> 年金> 福祉その他
4.医療> 福祉その他> 年金
解答1
解説
(※図引用:「社会保障の給付と負担の現状(2014年度予算ベース)」厚生労働省HPより)
総額112兆1,020のうち、年金が54兆3,429億円(48.5%)で最も多く、次が医療の36兆3,357億円(32.4%)、福祉その他の21兆4,234億円(19.1%)の順である。よって、選択肢1.年金> 医療> 福祉その他が正しい。(※参考データ:「2012(平成24)年度 社会保障費用」厚生労働省HPより)
30 法律とその内容の組合せで正しいのはどれか。
1.児童福祉法:受胎調節の実地指導
2.地域保健法:市町村保健センターの設置
3.健康増進法:医療安全支援センターの設置
4.学校保健安全法:特定給食施設における栄養管理
解答2
解説
1.× 児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。療育の給付、小児慢性特定疾病医療費の支給、障害児の通所事業、児童福祉施設などを定める。ちなみに、受胎調節の実地指導は、『母体保護法』である。受胎調節の実地指導の講習内容は、家族計画の意義と目的から、女性の人権、セクシュアリティ、不妊、避妊、人工妊娠中絶、性感染症、関連法規 まで多岐にわたり、座学・実習の時間も設けられている。ちなみに、母体保護法とは、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する堕胎罪の例外事項を定めること等により、母親の生命健康を保護することを目的とした法律である。1948年7月13日に公布された。
2.〇 正しい。市町村保健センターの設置は、『地域保健法』である。市町村が設置することができる。市町村保健センターとは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を地域住民に行うための施設である。地域保健法に基づいて多くの市町村に設置されている。産前・産後の事業も行われている。地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。
3.× 健康増進法とは、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。都道府県と市町村は、地域の実情に応じた健康づくりの促進のため、都道府県健康増進計画(義務)および市町村健康増進計画(努力義務)を策定する。ちなみに、医療安全支援センターは、『医療法』である。医療安全支援センターとは、医療法第6条の13の規定に基づき、都道府県、保健所を設置する市及び特別区により、日本全国で380箇所以上設置されている医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発などを行う機関である。医療に関する苦情・心配や相談に対応するとともに、医療機関、患者さん・住民に対して、医療安全に関する助言および情報提供等を行っている。また、医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
4.× 学校保健安全法とは、学校における児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るための法律である。主に①学校保健、②学校安全の体制、③健康診断などを定めている。ちなみに、特定給食施設における栄養管理は『学校給食法』である。学校給食法とは、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、学校給食の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実を図ることを目的とする法律である。
健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。都道府県と市町村は、地域の実情に応じた健康づくりの促進のため、都道府県健康増進計画(義務)および市町村健康増進計画(努力義務)を策定する。平成14(2002)年に制定された。
【市町村が行う健康増進事業】
①健康手帳、②健康教育、③健康相談、④訪問指導、⑤総合的な保健推進事業、⑥歯周疾患検診、⑦骨粗鬆症検診、⑧肝炎ウイルス検診、⑨がん検診、⑩健康検査、⑪保健指導などである。
【都道府県の役割】
都道府県は、都道府県健康増進計画において、管内市町村が実施する健康増進事業に対する支援を行うことを明記する。都道府県保健所は、市町村が地域特性等を踏まえて健康増進事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、必要な助言、技術的支援、連絡調整及び健康指標その他の保健医療情報の収集及び提供を行い、必要に応じ健康増進事業についての評価を行うことが望ましい。都道府県は、保健・医療・福祉の連携を図るとともに、市町村による健康増進事業と医療保険者による保健事業との効果的な連携を図るために、地域・職域連携推進協議会を活性化していくことが望ましい。