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16 排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。
1.バリウム
2.ヒマシ油
3.グリセリン
4.エタノール
解答3
解説
病院における浣腸は、肛門にグリセリン液を入れて排便を促すために実施するグリセリン浣腸のことを指す。直腸及びS状結腸までの排便を促すことができる。便秘の原因の特定・改善だけでなく、原因のはっきりしない腹痛で苦しんでいる人に診断目的で行う。浣腸液の温度は38〜40度前後、挿入するチューブの深さは、肛門から5〜6cm程度で、注入速度は、50mlを15秒程度の時間をかけて実施する。基本的に左側臥位で行う。グリセリン洗腸を実施する際に発生のおそれがある腸管穿孔は、グリセリン浣腸のチューブが直腸前壁に当たって腸管粘膜を損傷することで起こる。肛門から直腸前壁までの長さが最も短いときに接触の危険性が高くなる。
1.× バリウムとは、消化管造影に使用される造影剤の一種である。バリウム検査とは、バリウム(造影剤)を飲んで発泡剤(炭酸)で胃を膨らませ、X線(レントゲン)を連続的に照射しながら撮影する検査する。したがって、バリウムは、消化管内に存在する水分を吸収することにより、腸内の膨満感を引き起こし、排便を促す効果があるが、排便を促す目的のための浣腸液として使用されない。
2.× ヒマシ油とは、伝統的に下剤として用いられる。少量を水に浮かべて経口摂取することで、腸の動きを促進して排便を促す効果がある。つまり、便秘症、食中毒における腸管内容物の排除、消化管検査時または手術前後における腸管内容物の排除などの目的で用いられる。
3.〇 正しい。グリセリンは、排便を促す目的のために浣腸液である。グリセリン浣腸とは、直腸内に50%グリセリン液を注入して排便を促す処置のことである。術前処置または便秘の治療として、直腸内容物を除去するために行われる。浣腸は一般的な処置であるが、腸管穿孔や溶血、血圧低下などさまざまなリスクがある。
4.× エタノールとは、広く消毒液として用いられる。皮膚や手術部位の消毒、医療器具の洗浄消毒などに用いられ、粘膜への使用は禁忌である。
17 他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか
1.ヘパリン
2.インスリン
3.リドカイン
4.フェンタニル
解答4
解説
(保管)
第三十四条 麻薬取扱者は、その所有し、又は管理する麻薬を、その麻薬業務所内で保管しなければならない。
2 前項の保管は、麻薬以外の医薬品(覚せい剤を除く。)と区別し、かぎをかけた堅固な設備内に貯蔵して行わなければならない。
(※一部引用:「麻薬及び向精神薬取締法」e-GOV法令検索様HPより)
1.× ヘパリンとは、血液凝固阻止剤で、抗凝固といって、血液を固まりにくくする作用がある。人の肝臓でも生成される。したがって、医療現場では、血栓塞栓症の防止や治療、カテーテル挿入時の血液凝固防止などにも用いられる。
2.× インスリンとは、血糖降下作用のある糖尿病治療薬(劇薬)である。危険な医薬品であることに変わりはないが、劇薬はほかの薬剤と区別してひとまとめに保管し、必ずしも鍵をかけなくてもよい。ちなみに、インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
3.× リドカインとは、局所麻酔薬、抗不整脈薬(劇薬)である。選択肢2と同様、危険な医薬品であることに変わりはないが、劇薬はほかの薬剤と区別してひとまとめに保管し、必ずしも鍵をかけなくてもよい。
4.〇 正しい。フェンタニルは、他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められている。フェンタニルとは、強力な合成オピオイド系鎮痛薬で、主に麻酔剤として医療的に使用されたり、がんなどの痛みの治療に用いられている。しかし、その強さと高い依存性から、多くの国でオーバードーズによる死亡者数が増加しているという問題がある。
麻薬及び向精神薬取締法とは、麻薬と向精神薬の乱用を防止し、中毒者に必要な医療を行うなどの措置を講じ、生産や流通について必要な規制を執り行うことによって、公共の福祉の増進を図ることを目的としている日本の法律である。
・麻薬:他の薬と分けて固定した金庫に鍵が必要。
・毒薬:他の薬と分けて鍵が必要。
・劇薬:他の薬と分ける必要があるが、鍵は不要。
・抗精神病薬:盗まれないように。できない場合は鍵が必要。
18 面接時の質問方法でopen-ended question(開かれた質問)はどれか。
1.「頭痛はありますか」
2.「昨晩は眠れましたか」
3.「朝食は何を食べましたか」
4.「退院後はどのように過ごしたいですか」
解答4
解説
open-ended question(開かれた質問)は、5W1HでいうWhen(なぜ)、How(どうやって・どのように)に該当する。したがって、患者が症状や来院理由を自由に話せるため、相手からより多くの情報を引き出したい場面で有効である。
closed-ended question(閉じられた質問)は、5W1HでいうWhen(いつ)、Where(どこで)、 Who(誰が)、What(何を)や、はい/いいえで答えられる限定された質問である。したがって、相手の考えや事実を明確にしたい場面などで有効である。
1~3.× 「頭痛はありますか」「昨晩は眠れましたか」「朝食は何を食べましたか」は、closed-ended question(閉じられた質問)である。5W1HでいうWhen(いつ)、Where(どこで)、 Who(誰が)、What(何を)や、はい/いいえで答えられる限定された質問である。
4.〇 正しい。「退院後はどのように過ごしたいですか」は、open-ended question(開かれた質問)である。open-ended question(開かれた質問)は、5W1HでいうWhen(なぜ)、How(どうやって・どのように)に該当する。したがって、患者が症状や来院理由を自由に話せるため、相手からより多くの情報を引き出したい場面で有効である。
①開かれた質問
患者の自由な答えを求める質問
例:「他に気になるところはありますか?」
②閉じられた質問
「はい・いいえ」で答えられる質問
例:「吐き気はありますか?」
③中立的な質問
1つの答えしか求めない質問法
例:「水分はいつからとれていないですか?」
④焦点型質問
1つの事柄を深く掘り下げる質問法
例:「頭痛についてもう少し詳しく教えてください。」
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19 異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。
1.笛のような音(笛音)
2.いびきのような音(類鼾音)
3.耳元で髪をねじるような音(捻髪音)
4.ストローで水に空気を吹き込むような音(水泡音)
解答1
解説
1.〇 正しい。笛のような音(笛音:てきおん)は、高調性連続性副雑音である。連続性副雑音とは、同じような音が連続して続く音(ヒューヒュー)である。聴取される代表的な疾患は、細い気管支の狭窄(喘息など)である。
2.× いびきのような音(類鼾音:るいかんおん)は、低音性連続性副雑音である。連続性副雑音とは、鼾(いびき)のようなグーという低い音(類鼾音)である。呼吸時に喉の動きによって発生し、低い音は太い中枢の気管支の狭窄によって起こる。
3.× 耳元で髪をねじるような音(捻髪音:ねんぱつおん)は、細かい断続性副雑音である。細かい断続性副雑音とは、硬くなった気道が、吸気時に急に開くときの、「パチパチ」という音である。聴取される代表的な疾患は間質性肺炎である。
4.× ストローで水に空気を吹き込むような音(水泡音)は、粗い断続性副雑音である。粗い断続性副雑音とは、気道内に溜まった分泌物が呼吸にともなう空気の移動で震えて破裂することで生じる音である。聴取される代表的な疾患は肺水腫や細菌性肺炎である。
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20 患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。
左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。
解答3
解説
本症例は、左片麻痺のある患者である。ベッドから車椅子へ移乗の際は、非麻痺側(右手)で車椅子につかまり、非麻痺側(右足)を軸に体を回転させて移乗する。また、車椅子を15~30度程度やや斜めに置く理由として、①フットレストが邪魔にならない、②車椅子の座面への侵入のしやすさがあげられる。仮に、ベッドと平行に置くとフットレストが邪魔になり、看護師・患者ともに足を置く空間が狭くなる。また、反対に、大きく角度をつけすぎると、ベッドからの移動距離が長くなり、回転動作を多く行わなければならなくなる。よって、選択肢3が正しい。