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※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。
※問題引用:第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について
1 平均寿命で正しいのはどれか。
1. 0 歳の平均余命である。
2.20歳の平均余命である。
3.60歳の平均余命である。
4.死亡者の平均年齢である。
解答1
解説
平均寿命とは、生まれたばかりの子どもが平均して何年生きるかを示したものであり、0歳の平均余命のことである。ちなみに、平均余命とは、ある年齢の人々が、今後平均して何年生きられるかを示したもので、生命表に基づいて計算される。また、健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる期間を指す。
したがって、平均寿命の説明として、選択肢1. 0 歳の平均余命が正しい。
(※図引用:「図表1-2-1 平均寿命の推移」厚生労働省HPより)
2 平成27年(2015年)の病院報告による一般病床の平均在院日数はどれか。(※不適切問題:採点対象外)
1. 6.5日
2.16.5日
3.26.5日
4.36.5日
解答2(採点対象外)
理由:問題としては適切であるが、必修問題としては妥当ではないため。
解説
(1)病床の種類別にみた平均在院日数
病院の平均在院日数は29.1日で、前年に比べ0.8日短くなっている。病床の種類別にみると、「精神病床」は274.7日で前年に比べ6.5日短く、「療養病床」は158.2日で前年に比べ6.4日短くなっている。「一般病床」は16.5日で前年に比べ0.3日短くなっている。また、「介護療養病床」は315.8日で、前年に比べ0.3日長くなっている。また、療養病床を有する診療所の「療養病床」は102.3日で、「介護療養病床」は108.5日となっている。
(※引用:「平成 27 年(2015)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」厚生労働省HPより)
平均在院日数とは、期間中に退院した患者の在院日数の平均である。一般病床の平均在院日数は16.5日であるため、選択肢2.16.5日が正しい。
3 シックハウス症候群に関係する物質はどれか。
1.アスベスト
2.ダイオキシン類
3.放射性セシウム
4.ホルムアルデヒド
解答4
解説
近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘されている。この健康被害を「シックハウス症候群」という。症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまである。原因として、住宅の高気密化・高断熱化などが進み、①化学物質による空気汚染(ホルムアルデヒドやトルエンなど)、②湿度の高さによる細菌、カビ、ダニが繁殖、一般的な石油ストーブからの汚染物質(一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物など)の放出である。他にも、たばこの煙にも有害な化学物質である。(※参考:「シックハウス対策のページ」厚生労働省HPより)
1.× アスベスト(石綿)とは、天然にできた鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれている。石綿関連疾患には、石綿肺、肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚や、病態として、胸膜プラークなどがある。石綿曝露作業に従事していたことが原因で中皮腫や肺癌などを発症したと認められた場合は、『労働者災害補償保険法(労災保険法)』に基づく各種の労災保険給付や『石綿による健康被害の救済に関する法律(石綿救済法)』に基づく特別遺族給付金が支給される。
2.× ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ‐パラ‐ジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランの総称である。ごみ焼却などで炭素・酸素・水素・塩素を含む物質が熱せられる過程で発生する物質で、大気中の粒子が地上に落下し土壌や水を汚染する。多量の暴露では、生殖機能、甲状腺機能及び免疫機能への影響があることが動物実験で報告されている。
3.× 放射性セシウムとは、核実験や原発事故によって大気中に放出される、人間が作り出した放射性物質である。放射性ヨウ素は甲状腺に集まりやすく、甲状腺がんを発症させる恐れがある。
4.〇 正しい。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群に関係する物質である。ホルムアルデヒドとは、新築や住宅改装の際、壁・天井・押入・床フローリングなど多くの場所に使用される。
公害病(こうがいびょう)とは、人間の産業活動により排出される有害物質により引き起こされる健康被害である。人体に有害な物質が、水(地下水や河川水)、空気中の浮遊物、ガス、食物などを通じ摂取されることによって、引き起こされる。狭義には、環境基本法に定義される公害が原因となる。大気汚染が原因のぜんそく、水質汚濁が原因の有機水銀中毒やカドミウム中毒、大気や川のヒ素汚染による慢性ヒ素中毒などがあげられる。近年は広義で、シックハウスが原因の揮発性有機化合物等の吸引によるアトピーやアレルギーや、原子力発電所からの放射能汚染による人的被害も、公害病と呼ばれることがある。日本の高度経済成長期(1950年代後半から1970年代)に、公害により住民へ大きな被害が発生した。このうち被害の大きいものを「四大公害病」という。これを受け公害対策として、1967年に『公害対策基本法』、1973年に『公害健康被害補償法』などが制定された。
4 介護保険法に基づき設置されるのはどれか。
1.老人福祉センター
2.精神保健福祉センター
3.地域包括支援センター
4.都道府県福祉人材センター
解答3
解説
介護保険法とは、1997年12月に公布された法律で、40歳以上で介護が必要になった人の自立生活を支援するために、国民が負担する保険料や税金を財源として、日常生活の行為にかかるさまざまな介助やリハビリなどのサービスにかかる給付を行うことを目的にしている。加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指している。
1.× 老人福祉センターとは、『老人福祉法』に定められている老人福祉施設である。老人福祉センターとは、老人の生活、住宅、身上等に関する相談に応じ、適当な援助、指導を行う。また、老人の疾病の予防、治療に関する相談に応じ、適当な援助、指導を行い、老人の健康増進を図るための栄養、運動等の指導を行う。
2.× 精神保健福祉センターは、『精神保健福祉法』に定められている。目的として、地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、適切な精神医療の推進、自立と社会経済活動の促進のための援助などである。都道府県および指定都市が設置する。
3.〇 正しい。地域包括支援センターは、『介護保険法』に定められている。地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。
4.× 都道府県福祉人材センターとは、『社会福祉法』に定められている、社会福祉事業等の啓発活動や従事者確保の調査・研究、研修、無料職業紹介事業等を行う機関のことをいう。福祉人材バンクともいい、都道府県知事が社会福祉法人の中から指定することができる。
①根拠法令:精神保健福祉法(6条)
②目的:地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、適切な精神医療の推進、自立と社会経済活動の促進のための援助等。
③設置基準:都道府県、指定都市
④配置職員:精神科医、精神保健福祉士(精神保健福祉相談員)、臨床心理技術者、保健師等
【業務内容】
①企画立案。
②保健所と精神保健関係諸機関に対する技術指導と技術援助。
③精神保健関係諸機関の職員に対する教育研修。
④精神保健に関する普及啓発。
⑤調査研究。
⑥精神保健福祉相談(複雑または困難なもの)
⑦協力組織の育成。
⑧精神医療審査会に関する事務。
⑨自立支援医療(精神通院医療)の支給認定、精神障害者保健福祉手帳の判定。
(参考:「精神保健福祉センターと保健所」厚生労働省HPより)
5 QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。
1.高度医療の受療
2.本人の満足感
3.乳児死亡率
4.生存期間
解答2
解説
QOL(Quality of life)とは、個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことである。人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念である。
1.3~4.× 高度医療の受療/乳児死亡率/生存期間は、QOLの評価との関連性が低い。なぜなら、QOL(Quality of life)とは、「個人」を主体としたその人自身の生命と生活の質のことであるため。各選択肢は、社会的な結果が主体となった評価となっている。ちなみに、乳児死亡率とは、生後1年未満に死亡した乳児の死亡率のことである。生存期間とは、ある個体が誕生してから死に至るまでの期間のことである。
2.〇 正しい。本人の満足感は、QOLを評価する項目で最も重要である。QOL(Quality of life)とは、個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことである。人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念である。