第107回(R6) 助産師国家試験 解説【午後41~45】

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次の文を読み39~41の問いに答えよ。
 A助産所では、妊婦健康診査で通院している妊婦のパートナーを対象に「パパクラス」を開催することになった。内容を検討するため、事前に参加希望者に「パパクラス」への受講理由を確認した。受講理由には「妻から沐浴して欲しいと言われているが、具体的な方法が分からない」、「赤ちゃんを触ったことがないので、お風呂で動かれた時にどうしたらよいか分からない」があった。そこで、「パパクラス」は、参加者に沐浴を体験してもらうことを目的とした。助産師が沐浴のデモンストレーションを行い、参加者に体験してもらうことを計画した。

41 クラス終了後、参加者から「沐浴以外にもっと育児のことが知りたい」、「実際に子どもがいる生活はどのような感じになるのか知りたい」という意見が寄せられた。そこで、このクラスの参加者を対象に次のクラスを開催することにした。次のクラスでは、ピア・エデュケーションの方法を取り入れることにした。
 次のクラスの講師で最も適切なのはどれか。

1.保育士
2.小児科医
3.子育て中の父親
4.母子保健推進員

解答

解説

本症例のポイント

・沐浴を体験した。
・クラス終了後、参加者から「沐浴以外にもっと育児のことが知りたい」、「実際に子どもがいる生活はどのような感じになるのか知りたい」と。
・このクラスの参加者を対象に次のクラスを開催することにした。
・次のクラスでは、ピア・エデュケーションの方法を取り入れることにした。
→ピアエデュケーション(peer education:仲間教育)とは、あるテーマについて正しい知識・スキル・行動を同世代の仲問で共有する健康教育である。ある課題を解決するために必要な知識、技術や行動についての、対象者にとって身近な存在であるものによる教育である。例えば、 「同年代のアルコール依存症経験者が、飲酒量の減らしかたについて話した。」、 「好き嫌いを克服したこどもが、同じクラスの仲間に対して苦手な野菜を食べられるようになった理由を説明した。」などである。

1.× 保育士は、資格をもつため仲間(peer)とは言えない。保育士とは、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う者である。日本の国家資格の一つである。

2.× 小児科医は、資格をもつため仲間(peer)とは言えない。小児科医とは、主に15歳未満の子どもを対象に、総合的に診療や治療を行う医師である。子どもの病気やけが、乳幼児健診、ワクチンの接種、予防接種の提案、栄養に関するアドバイスなど、幅広い業務を扱う。

3.〇 正しい。子育て中の父親は、次のクラスの講師である。ピアエデュケーション(peer education:仲間教育)とは、あるテーマについて正しい知識・スキル・行動を同世代の仲問で共有する健康教育である。ある課題を解決するために必要な知識、技術や行動についての、対象者にとって身近な存在であるものによる教育である。例えば、 「同年代のアルコール依存症経験者が、飲酒量の減らしかたについて話した。」、 「好き嫌いを克服したこどもが、同じクラスの仲間に対して苦手な野菜を食べられるようになった理由を説明した。」などである。

4.× 母子保健推進員は、資格をもつため仲間(peer)とは言えない。母子保健推進員とは、地域の妊産婦さんやお子さんの健康を見守るサポーター役として、市長より委嘱をうけて活動している。①母子保健に関する知識の普及、②母性および乳幼児の保険に関する問題の把握および情報提供、③健康診査、保健指導等の勧奨などの役割を持つ。つまり、住民と行政をつなぐパイプの役割が大きい。

 

 

 

 

 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、2回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。妊娠40週5日、前期破水で入院した。午前8時には、第2頭位で内診所見は子宮口3cm開大、展退度50%、Station±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。

42 午前10時、自然に陣痛が発来し、正午での陣痛間欠は5分、陣痛発作40秒であった。内診所見は、子宮口7cm開大、展退度80%、Station+1、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は中で、発作時には1時方向に先進した大泉門がStation+2で触れる。
 このときのアセスメントで正しいのはどれか。

1.正常経過
2.微弱陣痛
3.高在縦定位
4.前方前頭位
5.低在横定位

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(37歳、2回経産婦)
・これまでの出産はいずれも正常分娩であった。
・午前10時:自然に陣痛発来
・正午:陣痛間欠は5分、陣痛発作40秒。
・内診所見:子宮口7cm開大、展退度80%、Station+1
・子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は中。
・発作時:1時方向に先進した大泉門Station+2で触れる。
→本児は、子宮口7cm開大であることから、第2回旋の前半といえる。1時方向に先進した大泉門がStation+2で触れることから、「母体の前方に大泉門(児の前頭)」がある。したがって、前方前頭位であると判断できる。

1.× 正常経過は考えにくい。なぜなら、正常の第2回旋の前半の場合、児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)ため。

2.× 微弱陣痛は考えにくい。なぜなら、本症例の陣痛間欠は5分(子宮口7cm開大)であるため。ちなみに、微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。

3.× 高在縦定位は考えにくい。なぜなら、本症例はStation+2であるため。高在縦定位とは、児頭が骨盤に進入する際、矢状縫合が前後径に一致した状態である。児頭が縦向きのまま下降するため、横長の骨盤入口部で引っかかってしまい分娩が停止した状態となる。前方高在縦定位と後方高在縦定位がある。

4.〇 正しい。前方前頭位はこのときのアセスメントである。本児は、子宮口7cm開大であることから、第2回旋の前半といえる。1時方向に先進した大泉門がStation+2で触れることから、「母体の前方に大泉門(児の前頭)」がある。したがって、前方前頭位であると判断できる。

5.× 低在横定位は考えにくい。なぜなら、本児は、1時方向に先進した大泉門であるため。低在横定位とは、異常分娩の1つであり、第2回旋が起こらなかったため骨盤底に達しても矢状縫合が横径に一致した状態である。児頭が横向きのまま下降するため、縦長の骨盤峡部で引っかかってしまい分娩が停止した状態となる。

”児頭の産道通過機転”

第1回旋(屈曲):児頭が骨盤入口部に進入する時、児頭は両耳結合線を軸とする横軸回旋をして強い前屈位をとる(後頭位)。この第1回旋により、先進部は小泉門となり、小斜径で産道に接するようになる。
第2回旋(内回旋):児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)。分娩所要時間のうち、この過程に最も時間を要する。
第3回旋(伸展):児頭後頭部が恥骨結合下を通過して、後部が恥骨下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈状に横軸回旋する。この運動によって、児頭は前頭、顔面、オトガイ部の順に会陰を滑って娩出される。第1回旋の逆の動きである。
第4回旋(外回旋):児頭娩出に引き続き、肩甲の下降が起こり、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。第2回旋の逆の動きである。

第1・第3回旋:胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)である。
第2・第4回旋:体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)

 

 

 

 

 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、2回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。妊娠40週5日、前期破水で入院した。午前8時には、第2頭位で内診所見は子宮口3cm開大、展退度50%、Station±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。

43 13時に子宮口が全開大した。小泉門が先進して0時方向に触知し、その上方には恥骨結合後面が1/2触れる。やや大きく産瘤が触知するが発作時にはStation+2まで児頭が触れる。陣痛発作のたびに最下点90bpm前後の変動一過性徐脈がみられているが、間欠時には回復している。助産師は吸引分娩となる可能性を考え、準備を始めた。
 このときの児頭最大径が位置すると考えられる骨盤の位置はどれか。

1.入口部
2.濶部
3.峡部
4.出口部

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(37歳、2回経産婦)
・これまでの出産はいずれも正常分娩であった。
・午前10時:自然に陣痛発来
・13時:子宮口が全開大
・小泉門が先進して0時方向に触知、その上方には恥骨結合後面が1/2触れる
・発作時にはStation+2まで児頭が触れる。
→①恥骨結合後面が1/2触れることや②Station+2で児頭が触れることから、児頭最大径が位置が分かるようにしよう。

(※図引用:「C.産婦人科検査法16.骨盤計測」)

1.× 入口部が児頭最大通過面のときは、一般的に児頭先進部がStation-1、-2のときである。このときは、恥骨結合後面2/3が触知できる。

2.〇 正しい。濶部は、このときの児頭最大径が位置すると考えられる骨盤の位置である。なぜなら、①恥骨結合後面が1/2触れることや②Station+2で児頭が触れるため。

3.× 峡部が児頭最大通過面のときは、一般的に児頭先進部がStation+4のときである。このときは、恥骨結合下縁のみ触知できる。

4.× 出口部が児頭最大通過面のときは、一般的に児頭先進部がStation+5のときである。このときは、恥骨結合は触知できない。

(※図引用:「助産師基礎教育テキスト:第 5 巻:2020 年版訂正ご案内」株式会社日本看護協会出版会様HPより)

”児頭の産道通過機転”

第1回旋(屈曲):児頭が骨盤入口部に進入する時、児頭は両耳結合線を軸とする横軸回旋をして強い前屈位をとる(後頭位)。この第1回旋により、先進部は小泉門となり、小斜径で産道に接するようになる。
第2回旋(内回旋):児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)。分娩所要時間のうち、この過程に最も時間を要する。
第3回旋(伸展):児頭後頭部が恥骨結合下を通過して、後部が恥骨下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈状に横軸回旋する。この運動によって、児頭は前頭、顔面、オトガイ部の順に会陰を滑って娩出される。第1回旋の逆の動きである。
第4回旋(外回旋):児頭娩出に引き続き、肩甲の下降が起こり、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。第2回旋の逆の動きである。

第1・第3回旋:胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)である。
第2・第4回旋:体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。

 

 

 

 

 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、2回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。妊娠40週5日、前期破水で入院した。午前8時には、第2頭位で内診所見は子宮口3cm開大、展退度50%、Station±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。

44 分娩第2期遷延、分娩停止のため吸引分娩が施行され、4回目の吸引によって、3,880gの男児が娩出された。羊水は泥状であったが、出生直後から啼泣があり、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点(皮膚色-2点、筋緊張-1点)、5分後8点(皮膚色-1点、筋緊張-1点)、臍帯動脈血pH7.20であった。クベースに収容して経過観察していたところ、出生2時間後から頭部の腫瘤が増大してきた。暗赤色で骨縫合を超えており、指で押すと陥凹する。体温37.0℃、呼吸数70/分、心拍数170/分で鼻翼呼吸がみられる。
 新生児への対応で予測されるのはどれか。2つ選べ。

1.光線療法
2.腫瘤の穿刺
3.脳低温療法
4.静脈路の確保
5.NICUへの搬送

解答4・5

解説

本症例のポイント

・Aさん(37歳、2回経産婦)
・分娩第2期遷延(分娩停止):吸引分娩が施行。
4回目の吸引:3,880gの男児が娩出。
・羊水は泥状、出生直後から啼泣があり。
・アプガースコア:1分後7点(皮膚色-2点、筋緊張-1点)、5分後8点(皮膚色-1点、筋緊張-1点)、臍帯動脈血pH7.20。
・クベースに収容:経過観察、出生2時間後から頭部の腫瘤が増大
暗赤色で骨縫合を超えており、指で押すと陥凹。
・体温37.0℃、呼吸数70/分心拍数170/分鼻翼呼吸
→本児は、頭血腫帽状腱膜下血腫が疑われる。帽状腱膜下血腫とは、吸引分娩や鉗子分娩の際に大きな外力が頭皮にかかり、帽状腱膜(読み:ぼうじょうけんまく)と骨膜の間に出血がおこることである。出産直後は観察されないが、生後数時間から1日のうちに出血がすすみ、頭の皮下が腫れていく。血液がにじむため、皮膚の色は暗赤色にみえ、ときに大出血を起こし、貧血ショック状態になることがあるため注意する必要がある。

ちなみに、産瘤とは、赤ちゃんが産道を通過する際に、周囲から圧迫を受けて、頭や足などの皮下にこぶができることである。主に頭に数cmのこぶができることが多く、似た病気に頭血腫と帽状腱膜下血腫があり、見分けることが必要である。産瘤は病的なものではないため、治療の必要はなく、1日から3日で消失する。原因として、分娩の際に、先進部分の頭位であったり、逆子の場合だと、臀部であったり、子宮から出ている部分の圧迫感がなくなるために、体液が貯まりやすく、浮腫が起きやすい。更にお産に時間がかかると、この皮下浮腫が大きくなって、暗赤色の瘤のように見えることがある。

1.× 光線療法とは、主に新生児黄疸の際に用いられる。光線療法とは、新生児に特殊な光線を当てて治療する方法である。光源は450~470nm付近の波長の青色LEDで、その光の作用で毒性の高い間接型ビリルビンを直接型に変え、体外への排出を促す。早ければ治療開始後2~3日で血中ビリルビン値は正常値に戻り、治療が完了する。

2.× 腫瘤の穿刺は行わない。なぜなら、血腫の場合、穿刺することで大量出血や感染のリスクが高くなるため。

3.× 脳低温療法は、新生児低酸素虚血性脳症(HIE)に対する治療法である。低酸素性虚血性脳症とは、出生時の脳への血流遮断により脳神経細胞が低酸素および低血糖に陥ることで引き起こされる脳障害で、意識障害やけいれんなど、さまざまな神経症状を引き起こす。ちなみに、脳低温療法とは、脳が障害を受けた際に脳の障害がそれ以上進行することを防止するため、体温を低く保つ治療法のことで、人為的に低体温症を引き起こさせるものである。

4.〇 正しい。静脈路の確保は、新生児への対応で予測される。なぜなら、頭血腫や頭蓋内出血の可能性が高く、大出血や貧血の場合のケアを行えるようにするため。また、新生児の状態が不安定であるため、静脈路を確保して緊急薬の投与や輸液ができるようにする。ちなみに、末梢静脈路確保とは、皮膚に針を刺し、静脈内にプラスチック製のチューブ(くだ)を入れる方法である。短時間の場合には金属の針を入れる場合もある。採血の時のように静脈内に針を刺す。

5.〇 正しい。NICUへの搬送は、新生児への対応で予測される。なぜなら、新生児集中治療管理室でより専門的な管理が必要となるため。鼻翼呼吸がみられ、心拍数が170/分ということから、新生児は呼吸困難および循環不全(ショック状態)のリスクが高い。

新生児黄疸とは?

新生児黄疸とは、生理的黄疸ともいい、生後間もない新生児の大半にみられる黄疸である。黄疸になると、皮膚や白目の色が次第に黄色味を帯びるが、新生児でみられる黄疸のほとんどは、生理的におきる新生児黄疸(生理的黄疸)である。この新生児黄疸(生理的黄疸)は、およそ生後3~5日目をピークに自然と治まっていくものである。過度に心配する必要はない。起きる機序として、新生児でのビリルビン産生の亢進、グルクロン酸抱合能の未熟、腸肝循環の亢進などにより、出生後に一過性に高間接ビリルビン血症となり、生理的黄疸となる。

 

 

 

 

 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 Aさん(40歳、初産婦)は身長158cm、非妊時体重53kg。自宅近くのB診療所で妊婦健康診査を受けていたが、妊娠を機に仕事を辞め、妊娠13週のときに実家近くへ転居した。妊娠18週0日、今後の妊娠・分娩管理を希望してC病院を受診した。Aさんは「引っ越してバタバタしていましたが、今はゆっくり片付けをしています」と話した。
 母子健康手帳の記載内容を以下に示す。

45 このときの助産師の説明で優先度が高いのはどれか。

1.妊婦健康診査の受診頻度
2.貧血を予防するための食事内容
3.妊娠高血圧症候群を予防する生活
4.引っ越しの片付け作業で留意すべき内容

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(40歳、初産婦、身長158cm、非妊時体重53kg)
自宅近くのB診療所で妊婦健康診査を受けていた。
・妊娠を機に仕事を辞め、妊娠13週のときに実家近くへ転居
妊娠18週0日:今後の妊娠・分娩管理を希望してC病院を受診。
・Aさん「引っ越してバタバタしていましたが、今はゆっくり片付けをしています」と。
→本症例(40歳)は、妊娠中期(妊娠18週0日)である。

医学的には、35歳以上の妊娠を高年妊娠と定義しており、40歳以上の女性の場合は妊娠リスクが顕著に増加する。また、母体が高血圧症候群・妊娠糖尿病・前置胎盤などの病気にかかる可能性が高くなるほか、出産時には帝王切開の必要性、産褥感染などの合併症が起こるリスクも高まる。

正常な経過をとる妊婦の定期健康診査は、①妊娠初期~23週までは4週に1回、②妊娠24~35週は2週に1回、③妊娠36週以降は1週に1回を基準とする。

1.〇 正しい。妊婦健康診査の受診頻度が、助産師の説明で優先度が高い。なぜなら、本症例(40歳)は、妊娠中期(妊娠18週0日)であるため。前提として、本症例(40歳)で高年妊娠に該当する。また、妊婦健康診査は、1回目:4月29日(妊娠12週0日)、2回目:6月10日(妊娠18週0日)と6週間空いている。正常な経過をとる妊婦の定期健康診査は、①妊娠初期~23週までは4週に1回を基準とするため、本症例に対し最も説明する優先度が高いといえる。

2.× 貧血を予防するための食事内容より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例のHb:12.3g/dlであるため。妊娠中の貧血の基準(妊娠貧血)としてHb:11.0g/dl未満、ヘマトクリット値:33%未満である。

3.× 妊娠高血圧症候群を予防する生活より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例の血圧は105/75mmHgであるため。妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。

4.× 引っ越しの片付け作業で留意すべき内容より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例から「今はゆっくり片付けをしています」と現在の生活に合わせた活動が行えていると考えられるため。

妊娠週数

妊娠初期:妊娠1か月~4か月(妊娠0~15週)
妊娠中期:妊娠5か月~7か月(妊娠16~27週)
妊娠後期:妊娠8か月~10か月(妊娠28週~)

 

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