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21 低所得のひとり親世帯の生活の安定と自立の促進を目的とした手当はどれか。
1.児童手当
2.出産手当金
3.児童扶養手当
4.特別児童扶養手当
解答3
解説
1.× 児童手当とは、児童手当法に定められた、中学生までの児童を養っている人に支給される手当のことである。条件を満たし、市区町村に申請をすれば誰でも受給が可能である。 支給時期は原則として毎年2月・6月・10月に前月分までをまとめて支給される。 支給額は児童の年齢によって異なる。ちなみに、児童手当法とは、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成および資質の向上に資することを目的として制定された法律である。
2.× 出産手当金とは、健康保険法に定められた、出産の日以前42日から、出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間につき、1日の賃金の約3分の2相当額が支給される手当である。ちなみに、健康保険法とは、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関する医療保険給付等について定めた日本の法律である。
3.〇 正しい。児童扶養手当は、低所得のひとり親世帯の生活の安定と自立の促進を目的とした手当である。父子・母子家庭の父または母や、父母にかわってその児童を養育している者に対して支給される。
4.× 特別児童扶養手当は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に定められた、20歳未満の障害児を監護する父母又は養育者に対して支給される手当である。障害の程度に応じて1級または2級として認定され、手当月額は1級52,400円、2級34,900円である。ちなみに、特別児童扶養手当等の支給に関する法律とは、精神又は身体に障害を有する児童について特別児童扶養手当を支給し、精神又は身体に重度の障害を有する児童に障害児福祉手当を支給するとともに、精神又は身体に著しく重度の障害を有する者に特別障害者手当を支給することにより、これらの者の福祉の増進を図ることを目的とする日本の法律である。
22 セルフヘルプグループの活動はどれか。
1.祖父母を対象とした孫育て講演会
2.双子の両親が主催する多胎家族の交流会
3.助産師によるベビーマッサージの体験教室
4.出産経験者が体験を語る動画を使った出産準備教室
解答2
解説
自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)に、同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていくものである。同じ悩みをかかえる人々がコミュニティをつくって交流するもので、例えば、青年期のひきこもり状態にある者の支援として、同じような健康課題への対処能力を高めるために活動するグループをつくることが有効である。
1,3~4.× 祖父母を対象とした孫育て講演会/助産師によるベビーマッサージの体験教室/出産経験者が体験を語る動画を使った出産準備教室は、セルフヘルプグループ活動に該当しない。なぜなら、体系的で専門的な指導が受けられる一方で、一方的な知識の提供になりやすいため。
2.〇 正しい。双子の両親が主催する多胎家族の交流会は、セルフヘルプグループの活動である。セルフヘルプグループとは、何らかの共通した問題や課題を抱えた人やその家族たちが主体となり、互いに支え合う自主的に活動するグループのことである。
23 助産所の開設で正しいのはどれか。
1.管理者は助産師に限定されない。
2.無床の助産所の場合は開設届は不要である。
3.出張のみで助産に従事する場合でも嘱託医師を定めなければならない。
4.助産師が開設する場合は事前に都道府県知事に届け出なければならない。
解答3
解説
助産所について、「医療法」に記載されている。ちなみに、医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
助産所の管理(医療法第11条、第12条、第15条第2項)
・助産所の開設者は、助産師に、これを管理させなければならない。
・自ら管理者となることができるものである場合は、原則として、自ら管理しなければならない。
・助産所の管理者は、助産所に勤務する助産師その他の従業者を監督し、その業務遂行に遺憾のないよう必要な注意をしなければならない。
1.× 管理者は助産師に限定「される」。ちなみに、開設者は助産師ではなくてよい。これは、医療法第6条の4の2において「助産所の管理者は、妊婦又は産婦の助産を行うことを約したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の助産を担当する助産師により、次に掲げる事項を記載した書面の当該妊婦等又はその家族への交付及びその適切な説明が行われるようにしなければならない」と規定されている(※引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
2.× 無床の助産所の場合は開設届は「不要」ではなく必要である。これは、医療法第5条において「公衆又は特定多数人のため往診のみによつて診療に従事する医師若しくは歯科医師又は出張のみによつてその業務に従事する助産師については、それぞれその住所をもつて診療所又は助産所とみなす」と記載されている(※引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.〇 正しい。出張のみで助産に従事する場合でも嘱託医師を定めなければならない。これは、医療法第19条において「助産所の開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、嘱託する医師及び病院又は診療所を定めておかなければならない。2 出張のみによつてその業務に従事する助産師は、妊婦等の助産を行うことを約するときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の異常に対応する病院又は診療所を定めなければならない」と記載されている(※引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
4.× 助産師が開設する場合でも、「事前」ではなく開設後10日以内に都道府県知事に届け出なければならない。これは、医療法第8条において「臨床研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない」と記載されている(※引用:「医療法」e-GOV法令検索様HPより)。
24 産後ケア事業について正しいのはどれか。
1.児が単独で利用できる。
2.短期入所してケアが受けられる。
3.ケアを提供する施設には医師と助産師の配置が必要である。
4.事業を利用できるのは出産後1年6か月までの女性と乳幼児である。
解答2
解説
産後ケア事業とは、分娩施設退院後から一定の期間、病院・診療所・助産所・対象者の居宅などにおいて、助産師などの看護職が中心となり、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援することを目的としている。市町村が実施主体である。
(※参考:「産後ケア事業ガイドライン 」厚生労働省HPより)
1.× 「児が単独」ではなく主に母親が利用できる。産後ケア事業は、家族等から十分な育児等の援助が受けられない産婦及びその子で、心身の不調又は育児不安がある者、その他支援が必要と認められる者が対象となる(※引用:「産後ケア事業ガイドライン 」厚生労働省HPより)。
2.〇 正しい。短期入所してケアが受けられる。①宿泊型、②デイサービス型(通所型)、③アウトリーチ型(居宅訪問型)の3種類がある(※下図参照)。
3.× ケアを提供する施設には、「医師と助産師」ではなく保健師や助産師や看護師などの配置が必要である。
実施担当者(※引用:「産後ケア事業ガイドライン 」厚生労働省HPより)
助産師、保健師、看護師を 1 名以上置くこと。その上で、必要に応じて以下の①~③の者を置くことができる。
① 心理に関しての知識を有する者
② 育児等に関する知識を有する者(保育士、管理栄養士等)
③ 本事業に関する研修を受講し、事業の趣旨・内容を理解した関係者
4.× 事業を利用できるのは、「出産後1年6か月」ではなく出産後4か月までの女性と乳幼児である。
対象時期(※引用:「産後ケア事業ガイドライン 」厚生労働省HPより)
妊娠中から出産後の母親の身体的安定・心理的安定のための相談、支援、仲間づくりをする事業であることから、妊娠初期(母子健康手帳交付時等)から産後4か月頃までの時期が目安となるが、母子の状況、地域におけるニーズや社会的資源等の状況を踏まえ、市区町村において判断する。
(※引用:「産後ケア事業ガイドライン 」厚生労働省HPより)。
25 周産期医療における地域連携で正しいのはどれか。
1.セミオープンシステムは病院と診療所の産後の連携システムである。
2.地域災害拠点病院であることが周産期母子医療センターの要件になる。
3.総合周産期母子医療センターは地域で分娩を扱う全ての医療施設と連携している。
4.母体救命が必要な妊産婦は地域周産期母子医療センターで受け入れが義務付けられている。
解答3
解説
(※引用:「周産期医療体制」厚生労働省HPより)
周産期母子医療センターには、①総合周産期母子医療センターと②地域周産期母子医療センターがある。
①総合周産期母子医療センターとは、母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室(NICU)を備えた医療機関である。常時、母体・新生児搬送受入体制を有し、母体の救命救急への対応、ハイリスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療等を担っている。
②地域周産期母子医療センターとは、産科及び小児科(新生児)を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を常時担う医療機関である。
1.× セミオープンシステムは、病院と診療所の「産後」ではなく妊婦健診や出産など(主に出産前)の連携システムである。セミオープンシステムとは、地域内の診療所やクリニックと病院が連携して、妊婦健診や出産などを行うシステムです。妊産婦の利便性を保ちながら、それぞれの医療機関のメリットを活かすことで、安全・安心な出産を目指しています。
2.× 地域災害拠点病院であることが周産期母子医療センターの要件「とはならない」。周産期母子医療センターには、①総合周産期母子医療センターと②地域周産期母子医療センターがある。地域災害拠点病院は、災害に関する病院である。
3.〇 正しい。総合周産期母子医療センターは、地域で分娩を扱う全ての医療施設と連携している。総合周産期母子医療センターとは、母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室(NICU)を備えた医療機関である。常時、母体・新生児搬送受入体制を有し、母体の救命救急への対応、ハイリスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療等を担っている。
4.× 母体救命が必要な妊産婦は、「地域周産期母子医療センター」ではなくスーパー総合周産期センターで受け入れが義務付けられている。一般的な周産期母子医療センターは、満床のため受け入れ拒否が頻発した経緯がある。スーパー総合周産期センターとは、救命救急センターをはじめ各診療科と密接な連携をとり、緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を必ず受け入れ、治療を行う施設のことである。周産期医療の「最後の砦」として日夜診療にあたっている(※参考:「スーパー総合周産期センター」日本赤十字社医療センター様HPより)。
災害拠点病院とは、災害発生時(地震・津波・台風・噴火など)に災害医療を行う医療機関を支援する病院のことである。平成8年に当時の厚生省が定めた。医療救護活動の中核を担う病院で都道府県によって指定される。基幹災害医療センター(基幹災害拠点病院)は、各都道府県に原則1か所以上、地域災害医療センター(地域災害拠点病院)は、二次医療圏ごとに原則1カ所以上整備される。
【主な特徴】
・24時間緊急対応できる。
・被災地域内の傷病者の受け入れ・搬出が可能な体制を持つ。
・DMAT(災害派遣医療チーム)の派遣機能を持つ。
・搬送をヘリコプターなどを使用して行える。
・消防機関(緊急消防援助隊)と連携した医療救護班の派遣体制がある。
・自己完結型で医療チームを派遣できる資器材を備えている。
【DMAT(災害派遣医療チーム)の特徴】
定義:災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである。
①都道府県の派遣要請に基づく。
②災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性をもつ。
③主な活動は、広域医療搬送、病院支援、地域医療搬送、現場活動などである。
※(参考:「DMATとは」厚生労働省HPより)