この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
6 標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。
1.生後3か月
2.生後6か月
3.生後9か月
4.生後12か月
解答1
解説
【身長】
出生時:50cm
1年:75cm(1.5倍)
4年:100cm(2.0倍)
【体重】
出生時:3㎏
4か月:6㎏(2倍)
1年:9㎏(9倍)
4年:15㎏(15㎏)
生後3~4か月で体重は出生児の約2倍(一般的に約6kgほど)となる。ちなみに、生後12か月(1年)で体重は出生児の約3倍(一般的に約9kgほど)となる。したがって、選択肢1.生後3か月が正しい。
7 第二次性徴による身体の変化で正しいのはどれか。
1.精通
2.体重減少
3.内臓脂肪の増加
4.第1大臼歯の萌出
解答1
解説
二次性徴とは、性ホルモンの分泌が促進されることにより、性器および身体に現れる変化である。第二次性徴に関わるホルモンは、男性の場合はアンドロゲン、女性の場合はエストロゲンとプロゲステロンである。アンドロゲンは精巣から、エストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌される。
平均的に見ると男児の場合は、10歳前後に始まり約5年間続く。 体の成長には決まった順番があり、①睾丸の発達→②陰毛の発生→③精通→④声変わり→⑤体型の変化という順番をたどる。女児の場合は、8歳前後から始まり①乳房発育→②陰毛発生→③初経という順に進行することが一般的である。その評価にはTanner分類が用いられている。
1.〇 正しい。精通は、第二次性徴による身体の変化でみられる。精通とは、精管につくられた精液が、初めて体外に射出された射精のことである。男子では、12~13歳頃から精通がみられ、女子では初潮(初経)がみられる。
2.× 体重「減少」ではなく、増加する。なぜなら、男子は筋肉や骨が発達、女子は皮下脂肪が増加するため。
3.× 「内臓」脂肪ではなく、皮下脂肪が増加する。なぜなら、男子は筋肉や骨が発達、女子は皮下脂肪が増加するため。皮下脂肪は女性ホルモンの影響で体に蓄積しやすくなる。
4.× 第1大臼歯の萌出(ほうしゅつ:歯が生えること)は、6~7歳頃に起こる。第1大臼歯は、永久歯の中で最も大きく、噛む力も一番強い歯である。
8 老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。
1.尿量の増加
2.味覚の感度の向上
3.体温調節能の低下
4.外来抗原に対する抗体産生の亢進
解答3
解説
世界保健機構の定義では、65 歳以上の者となっている。日本では、65~75歳が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者となっている。
1.× 尿量は、「増加」ではなく減少する。なぜなら、加齢により糸球体数が減少するため。糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。腎臓には心臓から送りだされる血液の約4分の1が流れ込み、糸球体でろ過される。この濾過された液を原尿といい、1日に約150リットル作り出される。原尿には、不要な老廃物と、体に必要な物質(水分、糖分、ナトリウム、アミノ酸など)が含まれている。
2.× 味覚の感度は、「向上」ではなく低下する。なぜなら、加齢により味蕾細胞が減少するため。ちなみに、味蕾とは、味細胞の集まりで、味蕾の数は乳幼児で約1万個、成人になるにつれて約7500個まで減少するといわれている。味蕾にある30~70個ある味細胞が味を識別する。また、味覚の低下の要因は、ほかにも唾液分泌量の低下、薬剤の副作用、口腔内の異常なども関連する。
3.〇 正しい。体温調節能は低下する。なぜなら、加齢により皮膚血管反応低下や発汗の減少するため。ちなみに、体温調節能とは、体温を維持するために行われる能力を指す。例えば、暑いと汗をかいて熱を逃がし、寒いと筋肉を震わせて熱を作ることを指す。高齢者は予備力が低下しており、ほかに内部環境として、水・電解質バランスの異常、耐糖能の低下、血圧の変化などをきたしやすい。
4.× 外来抗原に対する抗体産生は、「亢進」ではなく減少する。なぜなら、加齢により胸腺と脾臓の萎縮が進みT細胞が減少するため。抗体とは、液性免疫の中心となる存在で、病気の原因となる細菌やウィルスなどが体内に侵入したとき、異物として攻撃したり体外に排除する役割を担うタンパク質のことである。 免疫メカニズムに関与するリンパ球であるB細胞から産生・放出され、免疫グロブリンとも呼ばれる。
①予備力の低下
②内部環境の恒常性維持機能の低下
③複数の病気や症状をもっている
④症状が教科書どおりには現れない
⑤現疾患と関係のない合併症を起こしやすい
⑥感覚器機能の低下
(※参考:「高齢者の身体と 疾病の特徴」日本医師会様HPより)
9 医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。
1.助産所
2.診療所
3.特定機能病院
4.地域医療支援病院
解答4
解説
医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。
1.× 助産所とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く)を行う場所をいう。助産師が助産を行う場所、又は妊婦・褥婦もしくは新生児の保健指導などを行う場所として適法に設置された施設をいう(※引用:「医療法2条」e-GOV法令検索様)。
2.× 診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設であり、医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所である。ちなみに、無床診療所は患者を入院させるための設備自体がないものを指す(※参考:「医療法1条」e-GOV法令検索様)。ちなみに、20以上の病床がある医療機関を「病院」と定義されている。
3.× 特定機能病院とは、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院である。1992年6月改正、1993年4月施行の医療法の第2次改正によって制度化された日本の医療機関の機能別区分のうちのひとつで、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が承認する必要がある(※参考:「医療法4条」e-GOV法令検索様)。
4.〇 正しい。地域医療支援病院とは、地域の病院・診療所の医師から、より詳しい検査や、専門的な医療が必要と紹介された患者さんに対して、適切な医療を提供することを目的に県知事の承認を受けた病院のことである。24時間体制による救急医療の提供、地域の医療機関と連携をとり、病院の施設・設備を共同で利用できる体制、地域の医療従事者の質向上を図るための研修を行うなど、地域医療の中核を担う役割がある。要件のひとつに「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」が定められている。年12回以上研修を開催し、医師のみでなく他の職種も対象とするよう定められている(※参考:「医療法4条」e-GOV法令検索様)。
10 ヒューマンエラーによる医療事故を防止するための対策で最も適切なのはどれか。(※採点対象外)
1.性格検査の実施
2.事故発生時の罰則の規定
3.注意力強化のための訓練の実施
4.操作を誤りにくい医療機器の導入
解答4(※採点対象外)
理由:必修問題としては妥当でないため
解説
ヒューマンエラーとは、人為的過誤や失敗のことである。人間の生まれながらに持つ諸特性と人間を取り巻く広義の環境により決定された行動のうち、ある期待された範囲から逸脱したものである。人間の特性とエラー誘発環境は、①生理的身体的特性、②認知的特性、③集団的特性、④エラー誘発環境である。
①生理的身体的特性:疲労、加齢、睡眠不足など。
②認知的特性:聴覚や視覚の勘違い(聞き間違え、見間違えなど)
③集団的特性:同調圧力、リスキーシフト現象(赤信号みんなで渡れば怖くない)
④エラー誘発環境:信号機が壊れている、似た色で判別できないなど
(※参考:「ヒューマンエラーの分類と分類別の防止対策の方法をわかりやすくご紹介!」shouin+様HPより)
1.× 性格検査の実施する優先度は低い。なぜなら、エラーの原因は、個々の性格のみではないため。ヒューマンエラーによる医療事故防止の対策を考えるうえで最も重要なのは、「人は誰でも間違える」という前提に立つことである。
2.× 事故発生時の罰則の規定は必要ない。なぜなら、罰則の規定すると、隠ぺいに発展しやすいため。人は必ずミスをするという前提に立ち、インシデントやアクシデントが発生した場合は、その情報を共有したうえで、適切な対策を講じられる体制づくりが重要である。
3.× 注意力強化のための訓練の実施する優先度は低い。なぜなら、エラーの原因は、注意力のみではないため。業務中、注意力の低下、疲労感が出てきた際に、休める環境やエラーしにくい環境整備が必要となる。
4.〇 正しい。操作を誤りにくい医療機器の導入が大切である。なぜなら、ヒューマンエラーを防止するためには、人間側に対する対策だけでは限界があるため。したがって、エラー誘発の原因になっている因子(操作を誤りやすい医療機器など)に対する対策が重要となる。