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36 高齢者における肺炎の三次予防はどれか。
1.口腔内の衛生管理
2.肺炎球菌ワクチンの接種
3.呼吸リハビリテーション
4.健康診断での胸部エックス線撮影
解答3
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。(※健康日本21において)
1.× 口腔内の衛生管理/肺炎球菌ワクチンの接種は、一次予防である。肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌感染症を予防する定期接種の不活化ワクチンである。生後2ヶ月〜満5歳までの間に4回打つ。
3.〇 正しい。呼吸リハビリテーションは、三次予防である。呼吸リハビリテーションとは、肺の病気のために生じる息切れ、咳、痰などの症状を軽減し、日常生活を維持・改善するための治療法である。
4.× 健康診断での胸部エックス線撮影は、二次予防である。健康診断とは、診察および各種の検査で健康状態を評価することで健康の維持や疾患の予防・早期発見に役立てるものである。健診、健康診査とも呼ばれる。
37 患者と看護師の関係において、ラポールを意味するのはどれか。
1.侵されたくない個人の空間
2.人間対人間の関係の確立
3.意図的な身体への接触
4.自己開示
解答2
解説
ラポールとは、疎通性のよい対人関係を指し、医療スタッフと患者・家族などとの間に高い信頼関係があることをいう。
1.× 侵されたくない個人の空間は、パーソナルスペースという。誰かがこれより内側に侵入してくると、人は不快に感じたり落ち着かない気持ちになったりする。
2.〇 正しい。人間対人間の関係の確立は、ラポールを意味する。ラポールとは、話し手と聴き手の間に築かれる信頼関係のことで、「橋を架ける」という意味のフランス語が語源である。
3.× 意図的な身体への接触をタッチングという。タッチングとは、非言語的コミュニケーションの1つとして手や指で撫でる、さするなど肌と肌との触れ合いを通じた相互作用性のある行為であり、心の触れ合い、情緒的安定をもたらす。
4.× 自己開示とは、「病棟内において仕事を通して経験した自身の気持ちや考えなどの内面を特定の他者に言語的に知らせる行為」と定義する。
38 看護における情報について正しいのはどれか。
1.尺度で測定された患者の心理状態は主観的情報である。
2.入院費用に関する患者の不安は客観的情報である。
3.観察した食事摂取量は客観的情報である。
4.既往歴は主観的情報である。
解答3
解説
SOAP(subjective, objective, assessment, plan)とは、叙述的経過記録方式の問題志向型記録のことである。
S=主観的データ(自覚症状などの患者の訴え)
O=客観的データ(他覚所見:診察所見・血液検査・検査所見)
A=評価(S・Oをもとにした患者の状態の評価・考察)
P=計画(Aをもとにした今後の検査・治療・患者教育の計画・方針)
で、経過を記録する。
1.× 尺度で測定された患者の心理状態/既往歴は、「主観的情報」ではなく客観的情報である。ちなみに、客観的情報(他覚所見)とは、診察所見・血液検査・検査所見などである。
2.× 入院費用に関する患者の不安は、「客観的情報」ではなく主観的情報である。ちなみに、主観的情報とは、主に自覚症状などの患者の訴えである。
3.〇 正しい。観察した食事摂取量は、客観的情報である。なぜなら、食事摂取量は数値として示されるため。
39 Barrè<バレー>徴候の査定の開始時と判定時の写真を下に示す。
左上肢のBarrè<バレー>徴候陽性を示すのはどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答4
解説
バレー徴候とは、脳血管障害などによって起こる。上位運動ニューロン障害による片側性の軽い運動麻痺を評価するための方法である。上肢の筋力が低下する(麻痺がある)と、両腕を水平に維持することが困難となるため、麻痺側がゆっくりと回内しながら下降してくる。
1.× ①は、左上肢は保持できており、右上肢が挙上しているため不適切である。
2.× ②は、左上肢が回外位のままであるため不適切である。
3.× ③じゃ、両上肢とも下降しているため不適切である。
4.〇 正しい。④は、左上肢が回内しながら、ゆっくりと下降しているため左上肢のBarrè<バレー>徴候陽性と判断できる。ちなみに、肘関節屈曲も見られることがある。
40 入院中の妻を亡くした直後の夫へのグリーフケアで最も適切なのはどれか。
1.妻の話を夫とすることは避ける。
2.夫の悲嘆が軽減してからケアを開始する。
3.夫が希望する場合は死後の処置を一緒に行う。
4.妻を亡くした夫のためのサポートグループへの参加を促す。
解答3
解説
グリーフケアとは、スピリチュアルの領域において、さまざまな「喪失」を体験し、グリーフを抱えた方々に、心を寄せて、寄り添い、ありのままに受け入れて、その方々が立ち直り、自立し、成長し、そして希望を持つことができるように支援することである。在宅で療養する終末期患者を看取る家族に対し、患者の療養中から死亡した後まで、経過に合わせた援助(グリーフケア)が重要である。
1.× 妻の話を夫とすることは避ける必要はない。なぜなら、妻との思い出を語ることや泣くことは、むしろ悲嘆からの回復に大切であるため。
2.× 夫の悲嘆が軽減してからケアを開始する必要はない。なぜなら、グリーフケアは、経過に合わせた援助が重要であるため。悲嘆はすぐに軽減するものではない。
3.〇 正しい。夫が希望する場合は、死後の処置を一緒に行う。グリーフケアとは、スピリチュアルの領域において、さまざまな「喪失」を体験し、グリーフを抱えた方々に、心を寄せて、寄り添い、ありのままに受け入れて、その方々が立ち直り、自立し、成長し、そして希望を持つことができるように支援することである。
4.× 妻を亡くした夫のためのサポートグループへの参加を促す必要はない。なぜなら、本問題の対象は、「入院中の妻を亡くした直後の夫へのグリーフケア」であるため。ある程度、落ち着いたら、サポートグループに参加することは良いグリーフケアとなるが、促すのではなく参加したいと本人が思えるよう情報提供をすべきである。ちなみに、サポートグループとは、同じ問題を抱えている人たちが集まり、自らを助け合うグループ(家族会ともいう)である。家族会には、医療機関や保健所などの専門施設が運営するもの(サポートグループ)と、家族自身が主催するもの(自助グループ)