第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前16~20】

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16 目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

1.睡眠薬
2.鎮痛薬
3.抗うつ薬
4.抗血栓薬

解答3

解説

1.× 睡眠薬は、1時間前後で発現する。ちなみに、作用時間の違いはあり、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分類される。
2.× 鎮痛薬は、数十分~数時間以内で出現する。
3.〇 正しい。抗うつ薬は、一般的に2週間程度で出現する。なぜなら、一般的にうつ病は、1~2年程度の治療期間を要し、精神療法や社会療法と並行しながら継続して服薬していく必要があるため。ちなみに、うつ病とは、抑うつ感、希望や元気を失ったり、興味を失ったり、生産性が低下したり、睡眠障害、食欲の低下、身体症状などが2週間以上続いている状態である。原因は多岐にわたり、生物学的、環境的、社会的要因が関係していることが知られている。
4.× 抗血栓薬は、数十分~数時間以内で出現する。主な作用は、血液の固まりができるのを抑えることで、血栓ができる緊急疾患(脳梗塞や肺塞栓)で用いる。

 

 

 

 

 

 

17 医薬品表示を下に示す。
 劇薬の表示で正しいのはどれか。


1.①
2.②
3.③
4.④

解答4

解説

①劇薬の表示は、白地に赤枠赤字で「劇」。
②毒薬の表示は、黒地に白枠・白字で「毒」。

したがって、選択肢4.④が正しい。

医薬品医療機器等法とは?

医薬品医療機器等法とは、日本における医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品に関する運用などを定めた法律である。品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的としている。

医薬品医療機器等法44条2項

第九章 医薬品等の取扱い
第一節 毒薬及び劇薬の取扱い
(表示)
第四十四条 毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「毒薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもつて、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。
2 劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「劇薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもつて、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。

(※一部引用:「医薬品医療機器等法」e-GOV法令検索様HPより)

 

 

 

 

 

18 自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。

1.水分摂取の介助を控える。
2.仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
3.食事内容が見える位置に食器を配置する。
4.患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。

解答3

解説

嚥下の過程

①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。

1.× 水分摂取の介助を控える必要はない。なぜなら、食事と一緒に口腔内に水分を与えることで、脱水を防止できるだけでなく、唾液の分泌が促され、食塊の形成や移送を円滑にすることができるため。
2.× 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する必要はない。なぜなら、仰臥位では嚥下しにくく誤嚥する恐れがあるため。坐位半坐位(ファーラー位)に体位が望ましい。
3.〇 正しい。食事内容が見える位置に食器を配置する。なぜなら、嚥下の過程には、先行期が存在し、飲食物の形や量、質などを認識することで、唾液分泌が働くため。また、見た目の色や形からおいしさ・食欲を増進させることができる。
4.× 患者の下顎が「上がる」ではなく下がるよう、上方からスプーンで介助する。なぜなら、下顎を下制(頸部屈曲)すると、食物が気道に入りやすくなるため。下顎が上がると嚥下物が気管に流れ込みやすくなり誤嚥のおそれがある。

(※図引用:「illustAC様」)

 

 

 

 

 

19 足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

1.食欲増進
2.睡眠の促進
3.筋緊張の亢進
4.皮膚温の低下

解答2

解説

足浴に期待できる効果とは?

清潔の保持、末梢循環の促進、血流障害の予防と改善、疼痛の緩和、リラクゼーション、睡眠の促進など。足浴の最適な温度:39~42℃、足浴時間:7~30分とされている。15分程度の足浴で、全身循環に大きな負担をかけることなく、かつ末梢循環を促進・維持させ、自律神経活動に関しては、足浴後に副交感神経活動を賦活化させ、交感神経活動を抑制する。

1.× 食欲増進への直接的な効果は期待できない
2.〇 正しい。睡眠は促進される。なぜなら、足浴によって、下肢の皮膚温が一時的に上昇した後、熱放散が促進され、深部体温が低下し、眠気をもたらすため。また、リラクゼーションも期待できる。
3.× 筋緊張の「亢進」ではなく緩和する。なぜなら、リラクゼーションが期待できるため。
4.× 皮膚温の「低下」ではなく上昇する。なぜなら、血流障害の予防と改善が期待できるため。

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【3問】足浴についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

20 療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

1.20dB以下
2.50dB以下
3.80dB以下
4.110dB以下

解答2

解説

環境基本法とは?

環境基本法とは、日本の環境政策の根幹を定める基本法である。国・地方公共団体・事業者・国民の責務、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、国際的協調による地球環境保全の積極的推進、環境基本計画や環境基準の策定などを規定している。

 環境基本法に基づく騒音に係る環境基準では、「療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域」は、昼間で50dB以下夜間で40dB以下と定められている。したがって、選択肢2.50dB以下が正しい。

(※引用:環境省様HPより)

 

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