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※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。
問題引用:第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について
1 平成25年(2013年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。
1.12.4
2.112.4
3.312.4
4.512.4
2 平成25年(2013年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症<STD>報告数で最も多いのはどれか。
1.性器クラミジア感染症
2.尖圭コンジローマ
3.性器ヘルペス
4.淋菌感染症
解答1
解説
1.〇 正しい。性器クラミジア感染症の年間報告者数は、25,606人である。自覚症状が乏しいため感染が拡大しやすく、性感染症の中で最も多い。クラミジアとは、日本国内で最も多い性感染症(STD)の一つで、クラミジア感染症とも呼ばれており、クラミジア・トラコマチスという病原体(細菌)が、性行為などにより粘膜に感染する。 感染した場合、クラミジア性尿道炎(男性)、クラミジア性子宮頚管炎(女性)、咽頭クラミジア(男性・女性)などの病気を引き起こす。
2.× 尖圭コンジローマの年間報告者数は、5,687人である。尖圭コンジローマとは、性病の一種で、性器にイボのようなぶつぶつができる病気で、主に性行為や性行為に似た行為によって感染する。粘膜が接触することで、傷口などからヒトパピローマウイルス(HPV)が侵入する。粘膜だけではなく皮膚に傷があれば、そこから感染することもある。
3.× 性器ヘルペスの年間報告者数は、8,653人である。性器ヘルペスウイルス感染症は、5類感染症の定点把握対象疾患である。ヘルペスウィルスの感染により性器に水泡(水ぶくれ)、腫れ、痛み、かゆみなどの症状が起こる。初めての感染のときに症状が強く出て、全身倦怠感やリンパ節の腫れを起こす。発病後たいてい1~2週間で症状は治まる。
4.× 淋菌感染症の年間報告者数は、9,805人である。淋菌感染症とは、淋菌の感染による性感染症である。淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅する。したがって、性交や性交類似行為以外で感染することはまれである。女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多く、また、上行性に炎症が波及していくことがある。米国ではクラミジア感染症とともに、骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠、慢性骨盤痛の主要な原因となっている。その他、咽頭や直腸の感染では症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となる。淋菌感染症は何度も再感染することがある。
(データ引用:厚生労働省HP様「性感染症報告数 」)
感染症発生動向調査は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」に基づく施策として位置づけられた調査で、感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療機関への迅速な提供・公開により、感染症に対する有効かつ的確な予防・診断・治療に係る対策を図り、多様な感染症の発生及びまん延を防止することを目的としている。
【感染症発生動向調査による全数把握対象疾患】
全数把握対象疾患を診断したすべての医師が、患者の発生について届け出なければならない。
①新感染症の疑い
②新型インフルエンザ等感染症
③指定感染症
④1~4類までの全疾患と5類の一部疾患
定点把握対象疾患とは、5類感染症の定点把握対象疾患を指す。都道府県知事により指定された医療機関(指定届出機関)のみ、医療機関の管理者が患者の発生について届け出なければならない。主な疾患として、インフルエンザ(鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ等感染症を除く)、性器クラミジア感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、その他の感染症(各省で指定)である。
(※参考:「感染症発生動向調査について」厚生労働省HPより)
3 平成25年(2013年)の国民医療費はどれか。
1.約400億円
2.約4,000億円
3.約4兆円
4.約40兆円
解答4
解説
平成25年度の国民医療費は40兆610億円、前年度の39兆2,117億円に比べ8,493億円、2.2%の増加となっている。人口一人当たりの国民医療費は31万4,700円、前年度の30万7,500円に比べ2.3%増加している。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.29%(前年度8.26%)、国民所得(NI)に対する比率は11.06%(同11.14%)となっている。(引用:厚生労働省HP様「平成25年度 国民医療費の概況」)
したがって、選択肢4.約40兆円が正しい。
「国民医療費」とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。
(※一部抜粋:「国民医療費の範囲と推計方法の概要」厚生労働省HPより)
4 介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。
1.45歳以上
2.55歳以上
3.65歳以上
4.75歳以上
解答3
解説
介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。
・第1号被保険者は、65歳以上の者である。
・第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
【基本理念】
自己決定の尊重
生活の継続
自己支援(残存能力の活用)
したがって、選択肢3.65歳以上が介護保険法で第1号被保険者と規定されている。
5 看護師の業務従事者届の届出の間隔として規定されているのはどれか。
1.1年
2.2年
3.5年
4.10年
解答2
解説
①保健師助産師看護師法第33条に基づき、業務に従事する看護職員は2年毎にその就業状況について、就業地の都道府県知事に届け出ることが義務づけられている。②その趣旨は、就業者の実態を把握し、就業者に対する指導監督や需給バランス等看護行政の推進に資するためとされる。③様式は「業務従事者届」として同法施行規則で定められており、氏名、免許の種別とその登録番号、就業場所等について記載することとなっている。 届出違反には、罰則が課せられている。④届出違反には、50万円以下の罰金が課せられることとなっている。
(※一部抜粋:「免許保持者の届出義務について」厚生労働省HPより)
したがって、看護師の業務従事者届の届出の間隔として規定されているのは、選択肢2.2年である。