第106回(R5)助産師国家試験 解説【午後46~50】

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次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 Aちゃん(生後2時間、男児)の母親(経産婦)は妊娠前から10本/日の喫煙をし、妊娠判明後も禁煙できなかったが、それ以外に妊娠、分娩経過で異常はなかった。Aちゃんは在胎40週3日、自然分娩で出生した。出生体重2,520g、身長49.0cm、頭囲33.0cm。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後9点。出生後の全身状態は問題なく、生後15分から早期母子接触を開始している。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数50/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)。出生後まだ初回排尿、排便はみられていない。

46 主治医はAちゃんの精密検査のために血液検査をすることにした。
 採血の補助をする助産師がAちゃんのストレス緩和のために行う対応で適切なのはどれか。

1.腹臥位にする。
2.目隠しをする。
3.頭部を固定する。
4.おしゃぶりを含ませる。

解答

解説

新生児の痛みの軽減を目指したケア

CQ7:NICUに入院している新生児にベッドサイド処置を行う場合、どのような非薬理的緩和法を用いると、最も新生児の入院中の痛みが緩和し生活の質が向上するか?

【A7】
①:環境調整を推奨する(1C)。
②:Swaddling(スワドリング,包み込み)や Facilitated Tucking(FT,ファシリテイテイッド・タッキング)を推奨する(1A)。
③:直接母乳授乳や搾母乳の投与を考慮することを提案する。実施に際しては、母親の同意を得る(2B)。
④:Non-nutritive-sucking(NNS,栄養に関係のない吸啜)を提案する。実施に際しては、親の同意を得る(2A)。
⑤:Skin-to-skin contact(SSC,スキン・トウ・スキン・コンタクト)やカンガルーケアを提案する。実施に際しては、親の同意を得る(2A)。

(※参考:「NICU に入院している新生児の 痛みのケアガイドライン」日本周産期・新生児医学会より)

1.× あえて、腹臥位にする必要はない。環境調整について、「光や音を少なくし、側臥位にし、把持や吸啜ができるようにする」という同じような環境調整の方法であるにも関わらず、効果に著しい違いがあり、有効性を見いだせない結果となっている。したがって、その解釈は慎重でなくてはならないとされている(※参考:「NICU に入院している新生児の 痛みのケアガイドライン」日本周産期・新生児医学会より)。
2.× 目隠しをするより優先すべきものが他にある。なぜなら、光や音を少なくすることは、その児によって有効性がさまざまであるため。ちなみに、採血前に児の身体をタオルでくるむことが多い。採血前に児の身体をタオルでくるむことによって、児を胎内姿勢に近づけることが可能である。したがって、児に安心感を与える。Swaddling(スワドリング,包み込み)や Facilitated Tucking(FT,ファシリテイテイッド・タッキング)を推奨する。Swaddling(スワドリング,包み込み:乳児の四肢が過度に動くことを防ぐために、ブランケットでしっかり包み込むこと)や FT(ファシリテイテイッド・タッキング:ケア提供者の両手を使い、片方の手で乳児の頭部、もう片方の手で四肢を屈曲させて、胎児姿勢のように包み込むこと。わが国では「ホールデイング」と称されている)は、結果にばらつきはあるが、痛みの緩和に有効と結論付けている(※参考:「NICU に入院している新生児の 痛みのケアガイドライン」日本周産期・新生児医学会より)。ちなみに、他に児の感じる痛みのケアとして、部屋の明るさなどの環境調整やおしゃぶりの使用などがある。
3.× 頭部を固定する必要はない。むしろ頭部を固定することにより、必要以上に動くことを制限することで、不快感・ストレスを増大させる可能性が高い。
4.〇 正しい。おしゃぶりを含ませる。なぜなら、Non-nutritive-sucking(NNS,栄養に関係のない吸啜)を提案となるため。実施に際しては、親の同意を得る。

新生児の痛みの軽減を目指したケア

CQ6:NICU に入院している新生児に非薬理的緩和法を実践する際に、どのような配慮を補うと、最も新 生児の入院中の痛みが緩和し生活の質が向上するか?

【A6】
①:処置の実施や計画に際して、その必要性を常に評価し、痛みを伴う処置をできるだけ減らすことを 推奨する(1C)。
②:足底穿刺などの痛みを伴う処置の実施前には十分な安静時間をとることを提案する(2B)。
③:足底穿刺には、全自動型ランセットを用いることを提案する(2A)。

(※参考:「NICU に入院している新生児の 痛みのケアガイドライン」日本周産期・新生児医学会より)

 

 

 

 

 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 Aちゃん(生後2時間、男児)の母親(経産婦)は妊娠前から10本/日の喫煙をし、妊娠判明後も禁煙できなかったが、それ以外に妊娠、分娩経過で異常はなかった。Aちゃんは在胎40週3日、自然分娩で出生した。出生体重2,520g、身長49.0cm、頭囲33.0cm。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後9点。出生後の全身状態は問題なく、生後15分から早期母子接触を開始している。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数50/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)。出生後まだ初回排尿、排便はみられていない。

47 Aちゃんは日齢6に母親とともに退院した。日齢30、1か月児健康診査の受診のためAちゃんは母親と来院した。体重増加は良好で診察は問題なく終了したが、母親はAちゃんと視線が合わず、Aちゃんの目が見えているのかどうかを心配している。
 健康診査に立ち会った助産師から母親の心配への声かけで適切なのはどれか。

1.「あやすとAちゃんが笑うようであれば大丈夫ですよ」
2.「Aちゃんは目をしっかりと開くことができていますね」
3.「お母さんをAちゃんが目で追わないのであれば心配です」
4.「音がした方向をAちゃんが向くことがあれば大丈夫ですよ」
5.「お母さんの顔をAちゃんがじっと見ることがあれば大丈夫ですよ」

解答

解説

本症例のポイント

・Aちゃん(日齢6)
・母親とともに退院。
・日齢30:1か月児健康診査の受診のため来院。
・体重増加:良好、診察:問題なし。
・母親:Aちゃんと視線が合わず、Aちゃんの目が見えているのかどうかを心配している。
→母親は、Aちゃんの視力を主に気にかけている。視力がチェックでき、母親に安心してあげられるような言葉を選択しよう。ちなみに、生後3か月までの視力は、およそ0.02~0.03といわれ、やや小さなものを目で追うこと(追視)、頭もその方向に動かすことができる。それまでは、視線が合わないのも正常範囲内である。

1.× あやすとAちゃん(日齢30)が笑うことはない。なぜなら、あやすと声を出して笑うのは生後3〜4か月頃からであるため。
2.× 「Aちゃんは目をしっかりと開くことができていますね」と伝える必要はない。なぜなら、目を開くのは視力の評価ではなく、目の周りの筋肉(上眼瞼挙筋)の評価であるため。上眼瞼挙筋が収縮すると、腱膜に引っ張られるようにして瞼板が持ち上がりまぶたを開く。つまり、開眼運動に寄与する。ちなみに、途中から薄い膜状の腱膜となり、まぶたの先端部分にある瞼板という板状の組織の前面に付着している。
3.× 「お母さんをAちゃんが目で追わないのであれば心配です」と伝える必要はない。なぜなら、追視は、生後約2か月頃からみられるため。
4.× 「音がした方向をAちゃんが向くことがあれば大丈夫ですよ」と伝えても、Aちゃんの母親の不安の解決にはならない。なぜなら、母親は、Aちゃんの視力を主に気にかけているため。音がした方向に顔を向けることは、聴力の検査である。
5.〇 正しい。「お母さんの顔をAちゃんがじっと見ることがあれば大丈夫ですよ」と伝える。なぜなら、Aちゃん(日齢30)は、顔を見つめることができるようになる時期であるため。この行動は、視覚の評価にも関連している。

(※図:日本版デンバー式発達スクリーニング検査)

 

 

 

 

 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 A病院の産科病棟は5階に位置している。平均分娩数は40件/月で、母児同室としている。

48 近年の災害多発を踏まえ、病棟の災害対策マニュアルを改訂することにした。
 このマニュアルに記載する内容で正しいのはどれか。

1.新生児用に流量膨張式バッグを常備する。
2.新生児用のコットは四隅にストッパーをかける。
3.平時に使用する分娩セットを災害時にも使用する。
4.スタッフ用のヘルメットは夜勤者の人数分をスタッフステーションに置く。

解答

解説

優先度の高い医療機器

災害時は瞬時に停電が起こることもあり、医療機器がすぐ使えなくなるおそれがある。そのため、事前に停電時の対策を立てておく。確認しなければならないチェックポイントは以下のとおり。
①酸素、医療ガス、人工呼吸器、保育器などの使用状況を常時把握しておく。
②輸液ポンプ、シリンジボンプ、人工呼吸器、保育器は常に非常電源に接続しておく 。
③酸素、医療ガスなどの無停電装置への切り替えと非常電源装置を確認する。
④酸素は、施設内(病棟内)のままならパイピングを使用、避難時にはポンべへ切り替えることができるようにしておく。
⑤酸素ポンべの台数を確認する。(※引用:「分娩施設における災害発生時の対応マニュアル作成ガイド」)

1.× 新生児用に「流量膨張式バッグ」ではなく自己膨脹式バッグを常備する。なぜなら、流量膨脹式バッグは災害時配管等が使えなくなる可能性があるため。また、災害時は、新生児だけでなく、成人(スタッフ)に対しても必要となることがあるため、新生児用だけではなく成人用も常備するとよい。
2.× 新生児用のコットは、「四隅」ではなく対角に2個にストッパーをかける。ベッド、コット、保育器、カートなどの固定方法について、各施設の建物の耐震・免震構造や床の状態(フローリング、カーペットなど)から判断し検討しておく。先行研究には、「保育器のキャスターをフリーにした場合は、転倒に対して有利となるが、移動量がかなり大きくなる。保育器の4個のキャスターのうち2個を対角ロックした場合は、転倒に対して全面ロックより有利となる」と報告されている(※参考文献:建設省建築研究所.医療機器の耐震性に関する振動台実験.建築研究報告.No.108,1986)。ちなみに、コットとは、産婦人科や小児科で使われている新生児用の可動式ベッドのことである。
3.〇 正しい。平時に使用する分娩セットを災害時にも使用する。なぜなら、災害時には通常の医療資源が限られる可能性があるため。ちなみに、非常用分娩セットとは、①分娩キット(膿盆・臍帯クリップ・ガーゼ・ガウン・手袋・ディスポ圧布・臍帯剪刀・縫合セットなど)、②簡易ドップラー・トラウベなど、③吸引カテーテル(サクションボール・バルブシリンジなど)、④アンビューバッグおよびマスク  ⑤バスタオル  ⑥保温ブランケット 、⑦ネームバンド  ⑧産褥セット(産褥ショーツ・ナプキンなど)、⑨新聞紙・ビニール袋、などである。
4.× スタッフ用のヘルメットは、「夜勤者」ではなく全スタッフの人数分をスタッフステーションに置く。なぜなら、災害後、助けに回ってこられるスタッフも駆けつけて手伝ってくれるため。昼間や非常勤、また他部門のスタッフにも考慮した準備が必要となる。

 

 

 

 

 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 A病院の産科病棟は5階に位置している。平均分娩数は40件/月で、母児同室としている。

49 マニュアル改訂後1か月、11時に震度6強の地震が発生した。病院内では火災の発生や建物の損壊がないことを確認したが、病棟から避難することになった。
 このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

1.母児異室の新生児は職員が避難させる。
2.母児同室の新生児は母親と一緒に避難する。
3.母親が退院後の新生児はコットに寝かせて避難する。
4.正常に経過している褥婦はパートナーに迎えに来てもらう。

解答

解説
1.× 母児異室の新生児は、「職員」ではなくなるべく母親(家族)が避難させる。なぜなら、マンパワー的な問題のほか、新生児の取り違えの防止のため。また、母親の不安にも配慮しなくてはならないため、母親が抱っこし避難するように各病室を巡回し声をかける。したがって、基本的に母親に避難させ、やむを得ない場合は、職員が避難させる。
2.〇 正しい。母児同室の新生児は母親と一緒に避難する。新生児の対応として、①母子同室中は、毛布やバスタオルで児を覆い、母親が抱っこし避難するように各病室を巡回し声をかける。②病児室に児を収容している場合は、母親に病児室に行くように声をかけ、母親と児のネームバンドを照合した上で児を母親に預ける。③避難時は状況により保温ブランケットを母親に預け、児を保温し避難してもらう(※一部引用:「災害発生時の対応マニュアル作成ガイド P40〜41」公益社団法人 日本看護協会より)。
3.× 母親が退院後の新生児は、「コットに寝かせて」ではなく抱っこや避難具に収容し避難する。患児の母親が退院した児について、①保育器収容中の患児は、酸素は中止し、点滴は抜針してバスタオル・保温ブランケットで覆い、看護職が抱っこもしくは新生児避難具に収容し避難する。②コット収容中の患児は、保温ブランケットで覆い新生児避難具に収容し避難する(※一部引用:「災害発生時の対応マニュアル作成ガイド P40〜41」公益社団法人 日本看護協会より)。
4.× あえて、正常に経過している褥婦に対し、パートナーに迎えに来てもらう必要はない。なぜなら、パートナーも災害に見舞われている可能性が高いため。災害時に連絡を取り合う場合、「災害湯伝言ダイヤル」があることを伝える。

MEMO

【避難経路と避難方法】
・災害発生時は病院のアナウンスに従い避難・誘導を行う。
・アナウンスがない場合は、安全を確認し、まずはフロア内での避難誘導を行う。
・歩行可能な妊産褥婦は、階段または避難用スロープを使用し避難する。
・エレベーターは使用しない。
・入院時オリエンテーションで、避難経路と災害発生時のオリエンテーションを行う。

【病棟患者の避難】
①妊産褥婦・婦人科患者
・点滴中の患者のラインの扱いを決めておき、状況判断して、自分で対処してもらうか、スタッフが対処するなどして、避難誘導を行う。
・尿道留置カテーテル挿入患者は、留置したまま避難し安全な場所で看護職が抜去する。
・胎胞形成のある安静中の妊婦については、妊婦自身の生命を優先し避難するように誘導する。

②重症患者
・意識レベルの低下した患者、麻酔下にある患者や麻薬使用患者、術直後の患者はトリアージに従って担送する。
・重症患者には、ナースステーション内のナースコールボードと病室前のネームプレートに赤いマークをつけておくなどすべてのスタッフが分かるようにしておく。

③新生児
母子同室中は、毛布やバスタオルで児を覆い、母親が抱っこし避難するように各病室を巡回し声をかける
・病児室に児を収容している場合は、母親に病児室に行くように声をかけ、母親と児のネームバンドを照合した上で児を母親に預ける。
・避難時は状況により保温ブランケットを母親に預け、児を保温し避難してもらう。

④患児の母親が退院した児について
・保育器収容中の患児は、酸素は中止し、点滴は抜針してバスタオル・保温ブランケットで覆い、看護職が抱っこもしくは新生児避難具に収容し避難する。
・コット収容中の患児は、保温ブランケットで覆い新生児避難具に収容し避難する。

(※一部引用:「災害発生時の対応マニュアル作成ガイド P40〜41」公益社団法人 日本看護協会より)

 

 

 

 

 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 A病院の産科病棟は5階に位置している。平均分娩数は40件/月で、母児同室としている。

50 発災3日、Bさん(28歳、初産、産後40日)から産科へ相談があった。児は出生体重3,200gで、発災前日の体重は4,500g、授乳回数は1日に10回で母乳のみであった。昨日は排便5回/日、排尿回数は不明だが、量は減っていない。発災後の授乳回数は変わらず、1回20mLの人工乳を夕方と夜に補足している。自宅には被害がなく、ライフラインは復旧している。Bさんは「地震後、母乳が出にくくなった気がして心配です。授乳以外にも余震のたびに目が覚めてしまいます。大丈夫でしょうか」と話した。
 助産師のBさんへの説明で適切なのはどれか。

1.「ミルクを湯ざましに変更しましょう」
2.「医師に睡眠導入薬について相談してみましょう」
3.「今までどおり吸わせていけば母乳で充分ですよ」
4.「安全な福祉避難所への移動を検討してみましょう」

解答

解説

本症例のポイント

・発災3日:Bさん(28歳、初産、産後40日)。
・児:出生体重3,200g(発災前日の体重:4,500g
授乳回数:1日10回で母乳のみ
・昨日:排便5回/日、排尿回数・量は不明。
・発災後の授乳回数:変わらず、1回20mLの人工乳を夕方と夜に補足。
・自宅:被害なし、ライフラインは復旧している。
・Bさん「地震後、母乳が出にくくなった気がして心配です。授乳以外にも余震のたびに目が覚めてしまいます。大丈夫でしょうか」と話した。
→児の一日体重増加は、32.5g(4500g-3200g=1300gを40日で割る)である。正常乳児の一日体重増加量の目安として0~3か月は、25~30gであるため、正常範囲以上に体重増加がみられている。また、災害後の授乳回数も1日10回で母乳のみで行えており、排便5回/日も正常範囲内である。ちなみに、一般的な新生児の授乳回数は1日8~12回である。排便回数は個人差が大きく、1日に10回以上排便することもあるが、1〜2日に1回程度の場合もある。一応、目安としては、母乳栄養児の場合、20~30ℊ/日を7~10回する。

【正常乳児の一日体重増加量の目安】
・0~3か月:25~30g
・3~6か月:20~25g
・6~9か月:15~20g
・9~12か月:7~10g

1.× あえて、ミルクを湯ざましに変更する必要はない。なぜなら、現状の授乳状況で正常範囲内であるため。ちなみに、湯冷ましとは、水を沸騰させたお湯を冷ましたものを指す。湯冷ましの適応として、赤ちゃんが汗をかいているときなど、母乳や粉ミルクの量が減らない程度に湯冷ましをあげることで水分補給の役割があると。
2.× あえて、医師に睡眠導入薬について相談する優先度は低い。なぜなら、授乳以外にも余震のたびに目が覚めてしまうことは、一般的な生理的・身体的反応であるため。自然災害後、心理的ストレスが身体反応は母親にも発生する可能性もある。数日で治まることが多いが、発災後3〜7日(発災後数日間)は、動悸・めまい・震え・呼吸が速くなる・血圧上昇・発汗などの身体反応がみられる時期である。精神症状が1か月以上続くと心的外傷後ストレス障害(PTSD)となる。
3.〇 正しい。「今までどおり吸わせていけば母乳で充分ですよ」と伝える。なぜなら、正常範囲内の児の様子であるため。児の一日体重増加は、32.5g(4500g-3200g=1300gを40日で割る)である。正常乳児の一日体重増加量の目安として0~3か月は、25~30gであるため、正常範囲以上に体重増加がみられている。また、災害後の授乳回数も1日10回で母乳のみで行えており、排便5回/日も正常範囲内である。ちなみに、一般的な新生児の授乳回数は1日8~12回である。排便回数は個人差が大きく、1日に10回以上排便することもあるが、1〜2日に1回程度の場合もある。一応、目安としては、母乳栄養児の場合、20~30ℊ/日を7~10回する。
4.× 安全な福祉避難所への移動の検討は必要ない。なぜなら、本症例の自宅は被害なし、ライフラインは復旧しているため。ちなみに、福祉避難所とは、避難所生活において、何らかの特別な配慮を必要とする要配慮者(具体的には、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、病弱者など)のための施設である。老人福祉施設や養護学校などを利用するが、不足する場合は公的な宿泊施設などに福祉避難所として機能するための物資・器材、人材を整備し活用する。

 

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