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36 正期産の分娩進行中に間欠的胎児心拍数聴取で異常がない場合でも、児の娩出まで胎児心拍数陣痛図による連続的モニタリングを行うことが必要なのはどれか。2つ選べ。
1.破水後
2.身長150cm以下
3.妊娠高血圧症候群
4.胎児推定体重2,000g未満
5.B群溶血性レンサ球菌〈GBS〉陽性
解答3・4
解説
「経過観察」を満たしても、以下の場合は連続モニタリングを行う(ただし、トイレへの歩行や病室の移動等で胎児心拍数が評価できない期間を除く)
1)分娩第2期のすべての産婦
2)分娩時期を問わず、以下のような場合(①子宮収縮薬使用中、②用量41mL以上のメトロイリンテル挿入中、③用量41mL未満のメトロイリンテル挿入中であっても陣痛が発来した場合、④無痛分娩中、⑤38℃以上の母体発熱中、⑥上記以外に産婦が突然強い子宮収縮や腹痛を訴えた場合)
3)分娩時期を問わず、以下のようなハイリスク妊娠の場合(①母体側要因:糖尿病合併、“妊娠中の明らかな糖尿病”、コントロール不良な妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、妊娠・分娩中の低酸素状態が原因と考えられる脳性麻痺児、子宮内胎児死亡児出産既往(概ね30週以上)、子癇既往、子宮体部への手術歴、②胎児側要因:胎位異常、推定体重<2,000g、胎児発育不全、多胎妊娠、サイトメガロウイルス感染胎児、③胎盤、羊水、臍帯の異常:低置胎盤、羊水過多、羊水過少、臍帯卵膜付着が診断されている場合)
4)その他、ハイリスク妊娠と考えられる産婦(コントロール不良の母体合併症等)
7.以下の場合は分娩監視装置を一定時間(20 分以上)装着してモニタリングを記録し、評価する。1)破水時、2)羊水混濁あるいは血性羊水を認めたとき、3)間欠的児心拍数聴取で(一過性)徐脈、頻脈を認めたとき、4)分娩が急速に進行したり、排尿・排便後など、胎児の位置の変化が予想される場合(間欠的児心拍聴取でもよい)
(※引用「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020 P223」)
1.× 「破水後」ではなく破水時に連続モニタリングが求められる。分娩監視装置を一定時間(20 分以上)装着してモニタリングを記録し、評価する。
2.× 身長150cm以下は、連続モニタリングに該当しない。なぜならハイリスク妊娠とは言えないため。早産(妊娠37週未満の出産)、前期破水、多胎妊娠(双子以上の妊娠)、前置胎盤、妊娠高血圧症候群、糖尿病や妊娠糖尿病、その他の内科合併症(喘息、甲状腺疾患、慢性腎炎、膠原病など)、心疾患、腎疾患、てんかん、40歳を超える高年妊娠、高度肥満などが、ハイリスク妊娠に含まれる。
3.〇 正しい。妊娠高血圧症候群は、正期産の分娩進行中に間欠的胎児心拍数聴取で異常がない場合でも、児の娩出まで胎児心拍数陣痛図による連続的モニタリングを行うことが必要である。妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。
4.〇 正しい。胎児推定体重2,000g未満は、正期産の分娩進行中に間欠的胎児心拍数聴取で異常がない場合でも、児の娩出まで胎児心拍数陣痛図による連続的モニタリングを行うことが必要である。胎児側要因として、胎位異常、推定体重<2,000g、胎児発育不全、多胎妊娠、サイトメガロウイルス感染胎児があげられている。低出生体重児とは、2500g未満児のこと。1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」と呼ぶ。
5.× B群溶血性レンサ球菌〈GBS〉陽性は連続モニタリングに該当しない。B群溶血性レンサ球菌とは、腸や腟などに存在する常在細菌の一種で、多くの人が保有しており無症状である場合が多い。 一方、妊婦の方が感染していると出産時の産道感染などにより、新生児がB群連鎖球菌感染症を起こす。
37 Aさん(38歳、初産婦)は3,000gの児を正常分娩した。分娩所要時間は22時間で出血量は250mL。会陰裂傷はⅠ度で縫合せず、産道損傷はない。産褥1日の外陰部診察で会陰部は発赤や腫脹はなく、軽度の疼痛があった。肛門部に母指頭大で浮腫状の腫瘤が認められ、出血はなく、触れると疼痛を訴える。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.内診をする。
2.速やかに腫瘤を整復する。
3.飲食を控えるよう説明する。
4.腹圧をかけないよう伝える。
5.腫瘤に処方された抗炎症作用の軟膏を塗布する。
解答1・5
解説
・Aさん(38歳、初産婦、3,000gの児:正常分娩)
・分娩所要時間:22時間、出血量:250mL。
・会陰裂傷:Ⅰ度(縫合せず、産道損傷はない)。
・産褥1日の外陰部診察:会陰部の発赤や腫脹なし、軽度の疼痛。
・肛門部:母指頭大で浮腫状の腫瘤あり、出血なし、触れると疼痛あり。
→本症例は、脱肛が疑われる。脱肛とは、肛門の開閉にかかわる支持組織(肛門括約筋や粘膜、間質から成る:痔核)が肛門の外に出ることである。原因として、お産によるいきみや、生まれるときに赤ちゃんの頭で圧迫されたことなどである。 内服薬としては消炎鎮痛作用のあるもののほかに、便通を整える整腸剤や緩下剤などを服用する。保存療法で改善がみられない場合や、Ⅲ度以上の痔核では、硬化療法(ALTA療法)、結紮切除術(LE)などの手術が適応される。
1.〇 正しい。内診をする。なぜなら、内診により、腫瘤の正確な位置や大きさなど正確な評価をする必要があるため。保存療法で改善がみられない場合や、Ⅲ度以上の痔核では、硬化療法(ALTA療法)、結紮切除術(LE)などの手術が適応される。
2.× 速やかに腫瘤を整復する優先度は低い。なぜなら、触れると疼痛があるため。無理な整復は、腫瘤に負担がかかりさらに損傷や痛みの増悪させる恐れがある
3.× 飲食を控えるよう説明する優先度は低い。なぜなら、産後は母乳産生のため、さらにエネルギー摂取が必要となるため。
4.× 腹圧をかけないよう伝える優先度は低い。なぜなら、すでに本症例の肛門部に、母指頭大で浮腫状の腫瘤あるため。つまり、脱肛になっている状態であるため、これ以上脱肛するとは考えにくい。徒手的に修復したあとは、腹圧をかけないよう日常生活指導を行うこともあるが、現在は産後であるため、優先度は低い。
5.〇 正しい。腫瘤に処方された抗炎症作用の軟膏を塗布する。なぜなら、痛みや炎症を和らげるため。
Ⅰ度:排便時にうっ血し、膨隆する(痛みなし)。
Ⅱ度:排便時に内痔核が脱出するが、排便後に自然還納する。
Ⅲ度:脱出を納めるのに用手的還納を要する。
Ⅳ度:痔核が大きく外痔核まで一塊化しているため完全には還納できない。
第1度:会陰の皮膚、腟壁粘膜のみに限局し、筋層には達しない裂傷。
第2度:会陰筋層まで及ぶが、肛門括約筋には達しない裂傷。
第3度:肛門括約筋や腟直腸中隔に達する裂傷。
第4度:第3度裂傷に加え、肛門粘膜や直腸粘膜の損傷を伴う裂傷。
38 Aさん(37歳、1回経産婦)は妊娠高血圧腎症の診断を受け、妊娠29週6日に帝王切開で896gの女児を出産した。
Aさんが将来発症する危険性が高い疾患はどれか。2つ選べ。
1.肝硬変
2.卵巣癌
3.甲状腺疾患
4.心血管疾患
5.慢性腎臓病
解答4・5
解説
・Aさん(37歳、1回経産婦、妊娠高血圧腎症)
・妊娠29週6日:帝王切開、896gの女児。
→妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。2018年からは蛋白尿を認めなくても肝機能障害、腎機能障害、神経障害、血液凝固障害や赤ちゃんの発育が不良になれば、妊娠高血圧腎症に分類されるようになっている。妊娠高血圧症とは、妊娠20週以降に新たに発症する高血圧または既存の高血圧の悪化で、過剰な尿タンパク質を伴い、子癇(しかん:ほかに原因がないけいれん発作)、胎盤剥離や早産が起こりやすくなり、出生直後の新生児に問題が生じるリスク(臓器損傷など)が高まっている状態である。一般的に、高血圧の長期予後として、高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなる。
1.× 肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいう。 慢性肝炎が起こると肝細胞が壊れ、壊れた部分を補うように線維質が蓄積して肝臓のなかに壁ができる。
2.× 卵巣癌とは、卵巣に発生する悪性腫瘍(がん)のことである。卵巣がんは複数の要因が関与して発生するといわれている。上皮性卵巣癌は、50~75歳に多く、早発初経、未妊婦、高齢での出産、晩期閉経、肥満がリスク因子である。遺伝的関与は10%程度と考えられているが、母や姉妹などの近親者に卵巣がんを発症した人間がいる場合は、発症した人間がいない場合と比較して発症の確率が高くなる傾向にある。子宮内膜症・骨盤内炎症性疾患・多のう胞性卵巣症候群などの疾患も卵巣がんの原因となり得る。その他にも長年にわたるホルモン補充療法、肥満・食事などの生活習慣、排卵誘発剤の使用なども要因と考えられている。また排卵の回数が多いほど卵巣がんを発症しやすいといわれているため、妊娠や出産の経験が少ない人、閉経が遅い人は発症の確率が高くなる可能性がある。
3.× 甲状腺疾患とは、甲状腺の異常や障害によって引き起こされる症状の総称である。疾患には、甲状腺ホルモンの分泌過剰による甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や、分泌不全による甲状腺機能低下症(橋本病)、急性・慢性甲状腺炎、単純性甲状腺腫、甲状腺がんなどがある。バセドウ病と橋本病のはっきりとした原因はいまだに解明されていないが、自己免疫疾患として、本来自分の身体を守るべき免疫が自身を攻撃してしまうことで起こるといわれている。
4.〇 正しい。心血管疾患は、将来発症する危険性が高い疾患である。一般的に、高血圧の長期予後として、高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、心不全など、また脳では、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症になりやすくなる。ちなみに、心血管疾患とは、心臓に繋がる血管や心筋に異常が生じ、心臓へ血液が十分に行き渡らなくなる病気の総称である。心血管疾患は、日本人の死因の第2位であり、特に心筋梗塞は、突然死の最大の要因である。他には、狭心症や心筋梗塞は、喫煙や食事などの生活習慣が要因となる。
5.〇 正しい。慢性腎臓病は、将来発症する危険性が高い疾患である。慢性腎不全(慢性腎臓病とも)は、腎臓の濾過機能が数ヶ月〜数年をかけて徐々に低下していく病気である。その結果血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなる。その原因として最も多いのは糖尿病で、次に多いのは高血圧である。尿や血液、腹部超音波検査やCTなどの検査で腎臓機能に異常が見られ、その状態が3カ月以上続いている場合に診断される。慢性腎不全(CKD)に対する治療は、①生活習慣の改善、②食事療法が重要である。①生活習慣の改善:禁煙・大量飲酒の回避・定期的な運動・ワクチン接種による感染症の予防・癌スクリーニングなど。②食事療法:十分なエネルギー摂取量を確保しつつ、蛋白質・塩分・リンの制限。
39 Aさん(32歳、初産婦)は産褥5日、児は母乳のみで順調に体重が増加している。退院指導を行ったとき、Aさんは「実は、妹の子どもが1か月で乳幼児突然死症候群だったんです。予防のことも含めて教えてください」と話した。
乳幼児突然死症候群〈SIDS〉に関する助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.「予防のため睡眠時は固めのマットレスを使用しましょう」
2.「日本での発症頻度は約15,000人に1人です」
3.「うつぶせ寝が発症のリスク因子です」
4.「この病気は遺伝性疾患です」
5.「夜間は人工乳にしましょう」
解答1・3
解説
・Aさん(32歳、初産婦)
・産褥5日:児は母乳のみで順調に体重が増加。
・退院指導のAさん「実は、妹の子どもが1か月で乳幼児突然死症候群だったんです。予防のことも含めて教えてください」と。
→乳幼児突然死症候群とは、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気である。何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なる。日本での発症頻度はおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、生後2か月から6か月に多いとされている。予防のために厚生労働省は①1歳になるまでは仰臥位で寝かせる、②できるだけ母乳で育てる、③禁煙するという3つのポイントをあげている。(※参考:「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。「予防のため睡眠時は固めのマットレスを使用しましょう」と伝える。なぜなら、やわらかいマットレスの使用は、①児が埋もれて呼吸がしにくいこと、②児の骨や筋肉はまだ未熟で姿勢が崩れて成長を妨げられること、③寝返りをして窒息する危険性などが考えられるため。
2.× 日本での発症頻度は、「約15,000人」ではなく6,000~7,000人に1人である(※参考:「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」厚生労働省HPより)。
3.〇 正しい。「うつぶせ寝(腹臥位)が発症のリスク因子です」と伝える。乳幼児突然死症候群予防のために厚生労働省は1歳になるまでは仰臥位で寝かせることが推奨されている。
4.× この病気は遺伝性疾患ではない。乳幼児突然死症候群とは、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気である。何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なる。
5.× 夜間は人工乳にする必要はない。むしろ母乳が推奨されている。乳幼児突然死症候群の予防には、①1歳になるまでは仰臥位で寝かせる、②できるだけ母乳で育てる、③禁煙するという3つのポイントをあげている(※参考:「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」厚生労働省HPより)。
40 分娩を取り扱う有床助産所を産婦人科診療所に併設して開設することになった。助産所の構造は耐震、耐火構造の地下1階から地上3階建てにした。
関連法規に基づいた助産所の開業計画で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.地階に入所室を設ける。
2.避難階段を2つ設ける。
3.ベッド数は15床にする。
4.管理者は産婦人科診療所の産科医にする。
5.所在地の都道府県知事に開設を届け出る。
解答2・5
解説
・開設:分娩を取り扱う有床助産所を産婦人科診療所に併設。
・助産所の構造:耐震、耐火構造の地下1階から地上3階建て。
→助産所の構造設備の基準は、医療法施行規則第17条に記載されている。助産所の開設などの規定は、医療法第4章に記載されている。
1.× 地階に入所室を設けてはならない。これは、医療法施行規則第17条1項にて「入所室は、地階又は第三階以上の階には設けないこと。ただし、主要構造部を耐火構造とする場合は、第三階以上に設けることができる」と記載されている(※引用:「医療法施行規則第17条」e-GOV法令検索様より)
2.〇 正しい。避難階段を2つ設ける。これは、医療法施行規則第17条4項にて「第三階以上の階に入所室を有するものにあつては、避難に支障がないように避難階段を二以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令第百二十三条第一項に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる」と記載されている(※引用:「医療法施行規則第17条」e-GOV法令検索様より)。
3.× ベッド数は、「15床」ではなく9床以下にする。これは、医療法第14条にて「助産所の管理者は、同時に十人以上の妊婦、産婦又はじよく婦を入所させてはならない。ただし、他に入院させ、又は入所させるべき適当な施設がない場合において、臨時応急のため入所させるときは、この限りでない」と記載されている(※引用:「医療法第14条」e-GOV法令検索様より)。
4.× 管理者は、「産婦人科診療所の産科医」ではなく助産師にする。これは、医療法第11条にて「助産所の開設者は、助産師に、これを管理させなければならない」と記載されている(※引用:「医療法第14条」e-GOV法令検索様より)。
5.〇 正しい。所在地の都道府県知事に開設を届け出る。これは、医療法第8条にて「臨床研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない」と記載されている(※引用:「医療法第8条」e-GOV法令検索様より)。
医療法施行規則とは、医療法に基づき、病院、診療所及び助産所の開設、病院、診療所及び助産所の管理、病院、診療所及び助産所の構造設備、診療用放射線の防護、医療計画、医療法人、雑則等について定めた規則である。また、地方公務員である保健師の記録は、その地方公共団体の管理施策に定められていることが多い。医療法施行規則第17条に助産所の構造設備の基準が記載されている。
第十七条 法第二十三条第一項の規定による助産所の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一 入所室は、地階又は第三階以上の階には設けないこと。ただし、主要構造部を耐火構造とする場合は、第三階以上に設けることができる。
二 入所室の床面積は、内法によつて測定することとし、一母子を入所させるためのものにあつては六・三平方メートル以上、二母子以上を入所させるためのものにあつては一母子につき四・三平方メートル以上とすること。
三 第二階以上の階に入所室を有するものにあつては、入所する母子が使用する屋内の直通階段を設けること。
四 第三階以上の階に入所室を有するものにあつては、避難に支障がないように避難階段を二以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令第百二十三条第一項に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。
五 入所施設を有する助産所にあつては、床面積九平方メートル以上の分べん室を設けること。ただし、分べんを取り扱わないものについては、この限りでない。
六 火気を使用する場所には、防火上必要な設備を設けること。
七 消火用の機械又は器具を備えること。
2 前項に定めるもののほか、助産所の構造設備の基準については、建築基準法の規定に基づく政令の定めるところによる。
(※一部引用:「医療法施行規則第17条」e-GOV法令検索様HPより)