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36 高齢者が趣味の絵画を地区の展覧会に発表したいという欲求はどれか。
1.自尊の欲求
2.所属の欲求
3.安全の欲求
4.生理的欲求
解答1
解説
1.〇 正しい。自尊の欲求(承認欲求)が、高齢者が趣味の絵画を地区の展覧会に発表したいという欲求である。自尊の欲求とは、第4段階で、自分が他者から価値のある存在である・尊敬されたいという欲求である。
2.× 所属の欲求とは、他人と関わりたい、他人と同じようにしたいという欲求や、家族・会社・国家などに帰属したいという欲求をいう。第3段階である。
3.× 安全の欲求とは、衣類・住居などや、危険の回避など安定・安全な状態を得ようとする欲求をいう。第2段階である。
4.× 生理的欲求とは、食欲・性欲・睡眠欲などの欲求で、生命維持に影響を及ぼしかねない根源的な欲求をいう。第1段階である。
37 根拠に基づいた看護(EBN)で最も適切なのはどれか。
1.患者の好みは参考にしない。
2.先輩看護師の行動を模倣する。
3.研究論文の有用性を検討する。
4.既存の看護業務基準を遵守する。
解答3
解説
EBN(Evidence-Based Nursings)とは、現時点で得られる最善の科学的なエビデンス(根拠)を活用して個々の患者さんにとって最善のケアを提供していこうとするものである。従来は、看護の熟練者の経験と知識に基づいて行われてきたケアであったため、独自の手法で効果が見えないものが多かった。
1.× 患者の好みは参考する/しないことは、根拠に基づいた看護(EBN)との関係性は低い。ただし、患者の好みを参考にすることは、患者の個別性に合わせたケアを提供することにつながる。
2.× 先輩看護師の行動を模倣する必要はない。従来は、看護の熟練者の経験と知識に基づいて行われてきたケアであったため、独自の手法で効果が見えないものが多かった。
3.〇 正しい。研究論文の有用性を検討する。EBN(Evidence-Based Nursings)とは、現時点で得られる最善の科学的なエビデンス(根拠)を活用して個々の患者さんにとって最善のケアを提供していこうとするものである。
4.× 既存の看護業務基準を遵守する/遵守しないことは、根拠に基づいた看護(EBN)との関係性は低い。なぜなら、この看護業務基準が、科学的に検証された最新の研究成果に基づいて作成されたものか定かではなく、最新の研究結果で変わる可能性があるため。
38 患者の状態と看護師のコミュニケーションの方法との組合せで正しいのはどれか。
1.構音障害:発音を促す
2.聴力障害:後方から声をかける
3.認知症:患者のペースに合わせて話す
4.失語:言葉の誤りを繰り返し訂正する
解答3
解説
1.× 構音障害は、「発音を促す」のではなく文字ボードなど代替できる用具などを使用することが多い。構音障害とは、発語・発声に関与する神経・筋系の障害であり、言語の理解は正常であるが正しく発語できない状態である。
2.× 聴力障害は、「後方から」ではなく正面から声をかける。なぜなら、聴力障害がある患者に、後方から声をかけても聞こえないことや突然大きな音でびっくりさせてしまうことが多いため。まずは、正面に立ち、注意を向けてもらってから、相手の表情を見つつ大きすぎない声で、ゆっくりはっきりと話すと良い。口の動きで伝わることもある。
3.〇 正しい。認知症は、患者のペースに合わせて話すとよい。そうすることで、自身の思いを語ってもらえやすくなるため。また、基本的に否定用語は用いず、共感・受容的な態度で話すことが重要である。
4.× 失語は、言葉の誤りを繰り返し訂正する必要はない。なぜなら、言葉の誤りを繰り返し訂正することは自尊心を傷つけることになるため。失語には、ブローカ失語(運動性失語)とウェルニッケ失語(感覚性失語)があるが、いずれの場合も適切ではない。失語とは、読む、書く、話す、聞くなどの言語機能が失われた状態である。優位半球の前頭葉(ブローカ野)や側頭葉(ウェルニッケ野)の障害で起こる。
認知症の患者に対する対応では、バリデーション(本人の思いを肯定し、共感的・受容的態度で安心感を与えることを基本とし、信頼関係を構築すること)という考え方を用いると良いとされている。
【バリデーションを構成する要素】
・傾聴する(相手の言葉を聞いて、反複する。)
・共感する(表情や姿勢で感情を汲み取り、声のトーンを合わせる)
・誘導しない(患者にペースを合わせる。)
・受容する(強制しない、否定しない)
・嘘をつかない、ごまかさない
39 フィジカルアセスメントにおいて触診で判断するのはどれか。
1.腱反射の有無
2.瞬目反射の有無
3.腸蠕動運動の有無
4.リンパ節の腫脹の有無
解答4
解説
フィジカルアセスメントとは、「フィジカル(身体的な)」「アセスメント(評価)」と訳すことができ、問診・視診・触診・聴診・打診などである。日本語では「身体診察技法」と呼ばれる。
1.× 腱反射の有無は、打腱器を用いる。打腱器を用いて腱を直接叩いて確認する。
2.× 瞬目反射の有無は、こよりなど柔らかい物で角膜を刺激する。瞬目反射とは、結膜や角膜に異物が接触すると迅速に閉眼して眼球を防御する反射である。遠心路は顔面神経で眼輪筋が収縮して閉眼する。
3.× 腸蠕動運動の有無は、腹部に聴診器を当て腸嬬動音を聴取して確認する。腸蠕動とは、腸管内にある蠕虫状の筋肉が収縮し、食物を移動させることによって引き起こされる。正常な消化のために不可欠な動きであるが、異常に頻繁に起こったり、遅れたりすることがあり、それが原因で腹痛や下痢などの症状を引き起こすことがある。
4.〇 正しい。リンパ節の腫脹の有無は、フィジカルアセスメントにおいて触診で判断する。なぜなら、リンパ節に直接触れて(触診)確認するため。
深部腱反射は、骨格筋につながる腱をハンマーなどでたたいた時、筋が不随意に収縮する反射である。筋紡錘が腱の伸びを筋の伸びとして感知したことにより、筋の収縮(緊張)を生み出すことが原因である。単収縮は単一の刺激によって引き起こされる筋収縮である。
伸張反射は、筋紡錘(錘内筋線維)に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。
40 針刺し事故対策で最も適切なのはどれか。
1.針刺し部位を消毒液に浸す。
2.注射針のリキャップを習慣化する。
3.事故の当事者を対象にした研修を行う。
4.使用済みの針は専用容器に廃棄することを徹底する。
解答4
解説
針刺し事故とは、医療従事者が業務中に、患者血液が付着した器具によって被る外傷を代表例として示す言葉である。これら外傷は、日常の診療行為のなかで常に 起こりうる状況にあり、医療従事者それぞれが本人自身および他人のことを考えて注意を払えば、確実に減少させうる種類の事故である。
1.× 針刺し部位を消毒液に浸す必要はない。なぜなら、皮膚を消毒しても感染症を防げないため。患者に感染症がある場合は、針刺しの時点で、患者の血液はすでに体内に循環していることが多い。この場合は、すぐに血液を十分に絞り出し、流水で洗った後に、所属部署の管理者などに速やかに報告する必要がある。
2.× 注射針のリキャップは禁止すべきである。なぜなら、キャップの再装着(リキャップ)は、針刺し事故につながりやすいため。その場で専用の廃棄容器に捨てる。
3.× 事故の「当事者」ではなく、病院全体を対象にした研修を行う。なぜなら、当事者以外にも起こる可能性のある事故であるため。注射針を扱うすべての者に向けて研修や注意喚起を行っていく必要がある。
4.〇 正しい。使用済みの針は、専用容器に廃棄することを徹底する。針の取り扱いの原則として、①針を持って歩かない。②針を人に向けない、手渡ししない。③針をリキャップしない(どうしてもリキャップが求められるときは、片手によるリキャップ法を用いる)。④使用済みの針はその場で責任をもって使用者自身の手で感染性廃棄物容器に直ちに廃棄する。または携帯用の針廃棄容器に廃棄するか現場に容器を持参し、直ちに廃棄する。⑤針を取り扱う場合は、できるだけ手袋を使用する。⑥注射の準備、施行、片づけをしている最中の人にはできるだけ声をかけない。⑦「鋭利な物を取り扱っている」という意識を持つ
インシデントレポートとは、医療現場で事故に繋がりかねないような、ヒヤリとしたり、はっとした出来事に関する報告書のことをいう。作成の目的は、事例を分析して類似するインシデントの再発や医療事故・医療過誤の発生を未然に防止することである。インシデントを直訳すると「出来事・事件・異変」である。一方、その行為によって患者に傷害や不利益を与えてしまった事象を、アクシデントという。なお、インシデントの本来の意味は、偶発的や付随的と解釈される。
【目的】
①事実の確認
②原因の究明
③組織全体で事例を共有・分析し、問題点を抽出する。
④将来の医療事故(アクシデント)の予防、再発の防止。
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