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11 不随意筋はどれか。
1.心筋
2.僧帽筋
3.大殿筋
4.ヒラメ筋
解答1
解説
不随意筋とは、主に自律神経の支配を受けていて自分の意志では動かすことができない筋肉のことである。心筋と平滑筋がこれにあたる。
随意筋とは、自己意識下で動かすことの出来る筋肉である。骨格筋がこれにあたる。
1.〇 正しい。心筋は、不随意筋である。ちなみに、内臓や血管壁の筋肉など不随意筋の多くは平滑筋であるが、心筋は横紋筋である。
2.× 僧帽筋は、随意筋である。僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)である。
3.× 大殿筋は、随意筋である。大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面である。
4.× ヒラメ筋は、随意筋である。ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部である。
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12 特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。
1.心原性ショック
2.出血性ショック
3.神経原性ショック
4.アナフィラキシーショック
解答4
解説
ショックとは、体液の喪失、心臓機能の低下、血管系虚脱などにより組織への酸素供給が障害され、放置すれば進行性に全身の臓器還流障害から急速に死に至る重篤な病態である。頻度的に最も多いのは出血性ショックである。
【ショックの診断】
・心拍数:100回/分以上
・呼吸数:22回/分以上
・低血圧(収縮期血圧90mmHg)、または通常の血圧から30mmHgの低下
・尿量:0.5mL/kg/時
・意識障害が見られる。
1.× 心原性ショックとは、心ポンプ機能の低下により、全身諸組織における循環不全(安静時における組織代謝需要を満たす血流が供給されない状態)が生じ、低酸素、アシドーシス、毛細血管透過性亢進をきたす重篤な病態を指す。全身および心筋組織の循環不全、低酸素化が生じ、アシドーシス、フリーラジカルの発生、サイトカインの増加、白血球凝集、血管内皮障害、微小循環障害などが生じる。心原性ショックの原因として最も多いのは急性心筋梗塞である。他にも、心臓ポンプ機能の異常による心筋収縮力低下のほか、心筋変性や心タンポナーデによる心室拡張不全、頻脈や徐脈などの不整脈で心拍出量が低下するなど、さまざまな病態が原因になる。
2.× 出血性ショックとは、外傷や、消化管などからの出血によって血液循環量の低下が原因で起こるショックのことである。術後出血が原因となることもある。
3.× 神経原性ショックとは、上位胸椎より高位の脊髄損傷によるショックで、交感神経系が抑制・遮断され、血管への神経支配が失われ末梢血管が弛緩し、自律神経系失調によって引きおこされた末梢血管弛緩による血圧低下である。血液分布異常性ショックの一つである。症状としては血圧低下のほか徐脈をともない、四肢末梢の皮膚は暖かく、乾燥している。外傷にともなうショックである。
4.〇 正しい。アナフィラキシーショックは、特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックである。アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
13 咳嗽が起こりやすいのはどれか。
1.右心不全
2.左心不全
3.心筋梗塞
4.肺梗塞
解答2
解説
咳嗽とは、気管や喉の粘膜から刺激を受け、胸や肺を使って空気を吐き出す反射的な行動で、つまり咳のことである。咳嗽は、喉や気管の炎症、感染、アレルギー、肺疾患、煙草の使用などの原因で引き起こされる。
1.× 右心不全は咳嗽が起きやすいとはいえない。右心不全とは、体循環系にうっ血が著明なもので、症状として、頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大などが生じる。右心不全の原因として、右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により生じる。
2.〇 正しい。左心不全は、咳嗽が起こりやすい。左心不全とは、肺循環系にうっ血が著明なもので、症状として、呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)が生じる。原因として、左室の拍出量が減少することで生じることが多い。
3.× 心筋梗塞は咳嗽が起きやすいとはいえない。心筋梗塞とは、心筋が壊死に陥った状態のことである。心電図の特徴は、STの上昇である。症状として、胸痛や血圧低下、不整脈などである。危険因子として、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。
4.× 肺梗塞は咳嗽が起きやすいとはいえない。肺梗塞とは、肺の血管内(肺動脈)に血の固まり(血栓)が詰まり肺の血流が低下し呼吸困難、チアノーゼそして最悪の場合死にいたる病気である。典型的な症状は、呼吸困難と胸痛である。このほか、血痰、喀血、チアノーゼなども生じる。
心不全は心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。
心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。
14 浮腫が生じやすいのはどれか。
1.甲状腺機能亢進症
2.過剰な運動
3.低栄養
4.熱中症
解答3
解説
浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
【低アルブミン血症の原因】①栄養摂取の不足(低栄養状態)、②肝臓における蛋白質合成能の低下、③腎臓から尿への蛋白質の大量喪失(ネフローゼ症候群)など。
1.× 甲状腺機能亢進症は、浮腫が生じやすいとはいえない。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。甲状腺機能亢進症では、放射性ヨウ素から放出されるベーター線で正常な甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を改善させる。
2.× 過剰な運動は、浮腫が生じやすいとはいえない。むしろ、運動により発汗や筋ポンプ作用により、浮腫の改善が見られやすい。
3.〇 正しい。低栄養は、浮腫が生じやすい。なぜなら、低栄養が、血中アルブミン濃度の低下(低アルブミン血症)が生じるため。その結果、血漿膠質浸透圧が低下し、血管内へ水分が保留し浮腫が起こる。
4.× 熱中症は、浮腫が生じやすいとはいえない。むしろ、熱中症により脱水(発汗)が起こるため、浮腫の改善が見られやすい。ちなみに、熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指す。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、 救急搬送されたり、場合によっては死亡することもある。主な初期症状として、めまい(目眩、眩暈)や立ちくらみ、一時的な失神などがあげられる。
15 貧血の診断に用いられるのはどれか。
1.血糖値
2.尿酸値
3.C反応性蛋白値
4.ヘモグロビン濃度
解答4
解説
1.× 血糖値は、主に糖尿病の診断に用いられる。血糖値とは、血液内のグルコースの濃度である。健常なヒトの場合、空腹時血糖値はおおよそ80~100mg/dL程度であり、食後は若干高い値を示す。
2.× 尿酸値は、主に高尿酸血症(痛風)の診断に用いられる。ちなみに、痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。
3.× C反応性蛋白値(CRP)は、主に炎症反応の指標として用いられる。C反応性蛋白値(CRP)とは、体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクディブ・プロテイン(CRP)をさす。 正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないため、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われる。
4.〇 正しい。ヘモグロビン濃度は、貧血の診断に用いられる。ヘモグロビン(Hb)とは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
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