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11 内分泌器官はどれか。
1.乳腺
2.涙腺
3.甲状腺
4.唾液腺
解答3
解説
内分泌器官とは、ホルモンを分泌する器官の総称である。下垂体、甲状腺、副腎、卵巣、精巣(表)の他、松果体、脳、肝臓、心臓、膵臓、腎臓などがある。
外分泌器官とは、導管を介して分泌物を排出する器官である。 唾液腺、汗腺、涙腺、乳腺、胃腺などがある。外界と繋がっている。
1.× 乳腺は、外分泌器官である。乳腺とは、乳幼児への栄養や免疫機能を与えるための乳汁を分泌する組織である。
2.× 涙腺は、外分泌器官である。涙腺とは、涙を分泌する組織である。
3.〇 正しい。甲状腺は、内分泌器官である。ちなみに、甲状腺とは、のどぼとけの下にある蝶ような形をした臓器で、甲状腺ホルモン(T3およびT4)とカルシトニンを分泌している。甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがある。カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンで、骨吸収を抑制する働きを持つ。
4.× 唾液腺は、外分泌器官である。唾液腺とは、唾液を作る組織のことである。唾液腺には①大唾液腺と②小唾液腺があり、①大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなる。ちなみに、小唾液腺は、口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在し、直接口腔内に唾液を分泌されている。
12 臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。
1.低体温
2.心停止
3.平坦脳波
4.下顎呼吸
解答3
解説
脳死とは、体温や血圧、心拍などの生命徴候が確認できるにもかかわらず、脳の機能が停止している状態である。
①深い昏睡にあること
②瞳孔が固定し一定以上開いていること(4mm以上)
③刺激に対する脳幹の反射がないこと
④脳波が平坦であること
⑤自分の力で呼吸ができないこと
の5項目を行い、6時間以上経過した後に同じ一連の検査(2回目)をすることで、状態が変化せず、不可逆的であることの確認できた場合。
1.× 低体温は、脳死の判定基準に含まれない。低体温とは、平熱が35℃台の人を指す。低体温症とは違い、低体温症とは深部体温が35℃未満となることで、症状は、シバリングおよび嗜眠から錯乱、昏睡および死亡へと進行する。
2.× 心停止は、脳死の判定基準に含まれない。心停止とは、心臓がブルブルとけいれんしてポンプとしての機能がなくなり、心臓から正常に血液を送り出すことができない状態を指す。
3.〇 正しい。平坦脳波(脳波活動の消失)は、脳死判定において必要な確認事項のひとつである。
4.× 下顎呼吸は、脳死の判定基準に含まれない。下顎呼吸とは、呼吸中枢機能がほぼ失われた際の異常呼吸で、全身の低酸素時に起こる呼吸である。下顎は動いてはいるが、十分な肺の酸素化はできていないという特徴を持つことから、死戦期呼吸ともいわれる。臨死期になどに認められる努力様呼吸であり、胸式・腹式呼吸が困難になると出現する。
死の三徴候とは、①自発呼吸の停止、②心臓の停止、③瞳孔散大(対光反射の消失)である。
13 高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。
1.45%
2.55%
3.65%
4.75%
解答2
解説
幼児:75±5%
成人:65±5%
高齢者:55±5%
成人(約60%)に比べて、高齢者は約55%と、加齢に伴い減少する。なぜなら、加齢に伴い基礎代謝量が低下し、細胞内の水分が少なくなるためといわれている。したがって、選択肢2.55%が高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近い。
(図引用:「加齢による身体機能の変化」著:瀬尾 芳輝)
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14 徐脈性の不整脈で起こりやすいのはどれか。
1.失語
2.失行
3.失神
4.失明
解答3
解説
徐脈性不整脈とは、脈が遅くなる不整脈である。 通常1分間の脈拍は、60~100回程度であるが、60回未満になることを徐脈性不整脈という。徐脈性不整脈を引き起こすと、脈拍は少なくなり、日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができなくなる。したがって、徐脈性不整脈に伴い、めまいや眼前暗黒感、失神などの症状が現れる。
1.× 失語とは、読む、書く、話す、聞くなどの言語機能が失われた状態である。優位半球の前頭葉(ブローカ野)や側頭葉(ウェルニッケ野)の障害で起こる。
2.× 失行とは、麻痺や運動機能の障害はないが、意識した動作が正しく行えない状解である。頭頂葉の障害で起こりやすい。
3.〇 正しい。失神が、徐脈性の不整脈で起こりやすい。失神とは、突然起こる短時間の意識の消失と運動機能消失(すなわち倒れること)である。原因として、血圧が異常に低下するなどの理由で、脳全体の血流が一時的に低下するために引き起こされる。低血圧、神経性、心臓性、脳血管性がある。
4.× 失明とは、視力を喪失した状態である。眼球を亡失(摘出)したもの、明暗を弁じ得ないもの及びようやく明暗を弁ずることができる程度のものをいい、光覚弁(明暗弁)又は手動弁が含まれる。
15 糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。
1.総ビリルビン
2.総コレステロール
3.グリコヘモグロビン
4.クレアチニンクリアランス
解答3
解説
1.× 総ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。
2.× 総コレステロールとは、 LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)などの総称で、脂質の一種でコレステロール骨格をもつ化合物である。脂質異常症において上昇し、動脈硬化の危険因子となる。特に、LDLコレステロールが心血管疾患リスクとの相関度が高い。
3.〇 正しい。グリコヘモグロビンは、糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値である。グリコヘモグロビンとは、ヘモグロビンにブドウ糖(グルコース)が結合した糖化蛋白質(グリコヘモグロビン)のことである。過去1~2ヶ月の血糖状態を反映する指標で、糖尿病の血糖コントロールの指標として用いられる検査値である。
4.× クレアチニンクリアランスとは、血漿中の特定成分を1分間に腎から尿中に排泄されるのに必要な血漿量で示される。つまり、腎臓の濾過能力を調べるもので、腎機能の指標として用いられる検査値である。
1型糖尿病の原因として、自己免疫異常によるインスリン分泌細胞の破壊などがあげられる。一方、2型糖尿病の原因は生活習慣の乱れなどによるインスリンの分泌低下である。運動療法の目的を以下に挙げる。
①末梢組織のインスリン感受性の改善(ぶどう糖の利用を増加させる)
②筋量増加、体脂肪・血中の中性脂肪の減少。(HDLは増加する)
③摂取エネルギーの抑制、消費エネルギーの増加。
④運動耐容能の増強。
【糖尿病患者に対する運動療法】
運動強度:一般的に最大酸素摂取量の40~60%(無酸素性代謝閾値前後)、ボルグスケールで『楽である』〜『ややきつい』
実施時間:食後1〜2時間
運動時間:1日20〜30分(週3回以上)
消費カロリー:1日80〜200kcal
運動の種類:有酸素運動、レジスタンス運動(※対象者にあったものを選択するのがよいが、歩行が最も簡便。)
【運動療法の絶対的禁忌】
・眼底出血あるいは出血の可能性の高い増殖網膜症・増殖前網膜症。
・レーザー光凝固後3~6カ月以内の網膜症。
・顕性腎症後期以降の腎症(血清クレアチニン:男性2.5mg/dL以上、女性2.0mg/dL以上)。
・心筋梗塞など重篤な心血管系障害がある場合。
・高度の糖尿病自律神経障害がある場合。
・1型糖尿病でケトーシスがある場合。
・代謝コントロールが極端に悪い場合(空腹時血糖値≧250mg/dLまたは尿ケトン体中等度以上陽性)。
・急性感染症を発症している場合。
(※参考:「糖尿病患者さんの運動指導の実際」糖尿病ネットワーク様HPより)