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次の文を読み50〜52の問いに答えよ。
Aちゃん(生後4か月0日、女児)は、4か月児健康診査の受診のために母、兄(3歳)とともに来院した。問診では、Aちゃんの出生時に異常の指摘はなく、これまで完全母乳栄養で、ワクチン接種や健康診査以外で医療機関を受診したことはないことがわかった。また母親はAちゃんが嫌がるので、オムツ替えが難しいと話した。来院時の身体計測値は身長63cm、体重7,000g、頭囲47cmであった。
51 Aちゃんの診察では特に異常所見は認められなかった。その後、母親から助産師へ「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」という相談があった。
助産師の母親への助言として適切なのはどれか。
1.夜間に人工乳を併用する。
2.夜間は3時間おきに授乳する。
3.夜間は寝室内を明るくしておく。
4.兄の就寝時に一緒に就寝させる。
5.決まった時間に離乳食を食べさせる。
解答4
解説
・Aちゃん(生後4か月0日、女児、完全母乳栄養)
・Aちゃんの診察:特に異常所見なし。
・母親から「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」と。
→Aちゃんの発育は順調であるが、母親からの心配事に真摯に向き合うことが重要である。母親から「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」と相談されているため、上の子を含めた生活リズムを整えることを提案する。
1.× あえて夜間に人工乳を併用する助言は必要ない。なぜなら、Aちゃんの発育は順調であるため。授乳には、①完全母乳、②完全ミルク、③混合授乳がある。①完全母乳は、ミルクなど人工乳は与えず母親の母乳のみで育てること、②完全ミルクは、反対に人工乳のみで育てること、③混合授乳は、母乳と人工乳どちらも与える方法である。それぞれ利点・欠点があるが、母乳での欠点が人工乳では利点になる。
2.× あえて夜間は3時間おきに授乳する助言は必要ない。なぜなら、Aちゃんの発育は順調であるため。母乳育児の場合、赤ちゃんが低月齢のうちは授乳間隔がまちまちであるが、生後2~3か月になると、母乳の赤ちゃんも、授乳間隔が大体3~4時間に定まってくることが多い。一般的に、4~5か月頃になると、1回に飲める量が増えてさらに間隔があき、離乳食の3回食が始まるころには徐々に離乳食後に母乳やミルクを飲まなくなり、授乳回数も少なくなる。
3.× あえて夜間は寝室内を明るくしておく必要はない。なぜなら、母親から「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」という相談の根本的解決とはなりにくいため。むしろ、上の子も一緒の生活リズムを獲得するために夜間は寝室内を暗くする必要性が高い。
4.〇 正しい。兄の就寝時に一緒に就寝させる。そうすることで、「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」という相談内容にも具体的な対応方法を提示できている。
5.× あえて決まった時間に離乳食を食べさせる必要はない。なぜなら、上の子を含めた生活リズムを整える必要があるため。ちなみに、離乳食とは、母乳をやめることではなく、母乳以外の食品からも栄養を取り入れ、幼児食へと移行する過程の食事のことである。
次の文を読み50〜52の問いに答えよ。
Aちゃん(生後4か月0日、女児)は、4か月児健康診査の受診のために母、兄(3歳)とともに来院した。問診では、Aちゃんの出生時に異常の指摘はなく、これまで完全母乳栄養で、ワクチン接種や健康診査以外で医療機関を受診したことはないことがわかった。また母親はAちゃんが嫌がるので、オムツ替えが難しいと話した。来院時の身体計測値は身長63cm、体重7,000g、頭囲47cmであった。
52 健康診査の最後に事故予防の指導をしようとしたところ、母親から「上の子の時にも聞いたので大丈夫です」という発言があり、急いで帰宅したい様子が見られた。
限られた指導時間で、兄との関連から最も注意を促すべき事故はどれか。
1.火傷
2.窒息
3.溺水
4.転倒
解答2
解説
0か月~4か月:窒息(理由:まだ自分では動けないため。なんらかの弾みで顔に布がかかっても自分で取り払えず、窒息する危険がある)
4か月~7か月:転落・窒息(少し動きが出てくるため。寝かせていたソファから落ちる、いつの間にか電源コードやひもに絡まって窒息する危険がある)
7か月~1歳:溺水・転落(ハイハイをするようになるため。また、お風呂のふちから落ちて溺れる、階段から転落するような危険がある)
1歳~2歳:誤飲・やけど(歩きだし、高い場所にも目が届くようになり触ろうとする)
1.× 火傷より優先度が高いものがほかにある。ちなみに、火傷は1歳~2歳に多い事故である。なぜなら、その時期は、歩きだし、高い場所にも目が届くようになり触ろうとする危険があるため。ただし、本症例には兄3歳も一緒にいるため、窒息よりは優先度は低いが注意する必要がある。
2.〇 正しい。窒息は最も注意を促すべき事故である。なぜなら、Aちゃんは生後4か月0日であるため。少し動きが出てくる。また、寝かせていたソファから落ちるなど転落の危険がある。
3.× 溺水より優先度が高いものがほかにある。ちなみに、溺水は7か月から1歳に多い事故である。なぜなら、その時期はハイハイをするようになるため。また、お風呂のふちから落ちて溺れる、階段から転落するような危険がある。
4.× 転倒より優先度が高いものがほかにある。転倒で主にケガするのは高齢者である。
次の文を読み53〜55の問いに答えよ。
Aさん(39歳、アルバイト)は、3年前からパートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。2年半前に流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。Aさんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。Aさんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。
53 このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。
1.不妊治療の費用について説明する。
2.妊娠の年齢と流産率の関係について説明する。
3.不妊症には様々な原因があることを説明する。
4.高年齢なので不妊治療が必要であると説明する。
解答3
解説
・Aさん(39歳、アルバイト)
・3年前から:パートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。
・2年半前:流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。
・Aさんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。
・Aさんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。
→本症例Aさんは、「子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と不妊治療を実施する決意や不妊治療の説明を聞きたいような発言も聞かれていない。まずは不妊症には様々な原因があることを説明したうえでの情報収集や今後の方針を聞いていくのが望ましい。
1.× 不妊治療の費用について説明するのは時期尚早である。なぜなら、本症例Aさんは、「子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と不妊治療を実施する決意や不妊治療の説明を聞きたいような発言も聞かれていないため。まずは不妊症には様々な原因があることを説明したうえでの情報収集や今後の方針を聞いていくのが望ましい。
2.× 妊娠の年齢と流産率の関係について説明するより優先度が高いものがほかにある。なぜなら、本症例Aさんは、過去に流産を経験しているため。「私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と心配しているところを追い打ちするように傷つけかねない。
3.〇 正しい。不妊症には様々な原因があることを説明する。まずは不妊症には様々な原因があることを説明したうえでの情報収集や今後の方針を聞いていくのが望ましい。
4.× 高年齢なので不妊治療が必要であると説明する必要はない。なぜなら、高年齢でも妊娠される方はいるため。年齢での決めつけは不適切である。
各都道府県、指定都市、中核市が設置している不妊専門相談センターとは、不妊に悩む夫婦に対し、不妊に関する医学的・専門的な相談や不妊による心の悩み等について医師・助産師等の専門家が相談に対応したり、診療機関ごとの不妊治療の実施状況などに関する情報提供を行っている。
次の文を読み53〜55の問いに答えよ。
Aさん(39歳、アルバイト)は、3年前からパートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。2年半前に流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。Aさんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。Aさんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。
54 Aさんは、40歳の誕生日に不妊治療の開始を決断した。2人で生殖補助医療の指定医療機関のクリニックを受診したところ、パートナーが乏精子症と診断された。パートナーは気持ちが落ち込み、すぐに治療を開始することができなかった。半年後、精子を精巣から採取する治療を経て、顕微授精で妊娠が成立した。Aさんは、「特定不妊治療費助成を利用したいのですが、私は申請できるのでしょうか」と助産師に話した。Aさんの住む居住地の特定不妊治療費助成制度は、国の要件に準拠して実施されている。
特定不妊治療費助成制度の説明で正しいのはどれか。
1.「顕微授精と男性不妊治療のいずれも助成対象なので申請できます」
2.「申請前にカウンセリングを受けることが必要です」
3.「40歳未満でないと申請することができません」
4.「出産後に申請しなければなりません」
解答1
解説
・Aさん:40歳の誕生日に不妊治療の開始を決断。
・2人でクリニックを受診。
・パートナー:乏精子症と診断。
・半年後:精子を精巣から採取する治療を経て、顕微授精で妊娠が成立。
・Aさん「特定不妊治療費助成を利用したいのですが、私は申請できるのでしょうか」と。
・Aさんの住む居住地の特定不妊治療費助成制度は、国の要件に準拠して実施されている。
→特定不妊治療支援事業の対象者は、「特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)」があげられる。本症例の場合、パートナーが乏精子症と診断されていることからも十分対象と考えられる。
(※図引用:「不妊に悩む方への特定治療支援事業」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。「顕微授精と男性不妊治療のいずれも助成対象なので申請できます」と特定不妊治療費助成制度の説明をする。特定不妊治療支援事業の対象者は、「特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)」があげられる。本症例の場合、パートナーが乏精子症と診断されていることからも十分対象と考えられる。
2.× 申請前にカウンセリングを受ける必要はない。申請に必要な書類の提出にて不妊治療女性申請が可能である。例えば、①特定不妊治療費助成事業受診等証明書、②住民票の写し、③領収書、④精巣内精子生検採取法等受診等証明書などが必要になる。詳しくは「東京都特定不妊治療費助成の概要」参照。
3.× 「40歳未満」でも申請することができる。対象者は、治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦である。
4.× 適応範囲は、「出産後」ではなく、①1回の治療が終了した日もしくは、②妊娠の確認の日(妊娠の有無は問いません。)、③医師の判断によりやむを得ず治療を中止した日である(※参考:「東京都特定不妊治療費助成の概要」)
次の文を読み53〜55の問いに答えよ。
Aさん(39歳、アルバイト)は、3年前からパートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。2年半前に流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。Aさんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。Aさんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。
55 Aさんは妊娠中期に妊娠糖尿病と診断されたが、食事療法で血糖コントロールはできている。妊娠36週の妊婦健康診査時、Aさんが「実は、妊娠が分かったころに、彼(パートナー)は仕事を解雇されてしまい、ふさぎ込んで実家に帰ってしまいました。今、私は1人で生活しています。これから生活していけるのか心配です。妊娠しなければよかった」と話す。担当した助産師は、保健センターと連携した方が良いと判断し、Aさんに保健センターに情報提供することについて同意を求めたが拒否された。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。
1.パートナーと児の養育について話し合うよう勧める。
2.次回の妊婦健康診査まで経過をみる。
3.出産扶助が利用できることを伝える。
4.地区担当保健師に情報提供する。
解答4
解説
・Aさん:妊娠中期に妊娠糖尿病と診断されたが、食事療法で血糖コントロールはできている。
・妊娠36週の妊婦健康診査時、Aさんが「実は、妊娠が分かったころに、彼(パートナー)は仕事を解雇されてしまい、ふさぎ込んで実家に帰ってしまいました。今、私は1人で生活しています。これから生活していけるのか心配です。妊娠しなければよかった」と話す。
・担当した助産師は、保健センターと連携した方が良いと判断し、Aさんに保健センターに情報提供することについて同意を求めたが拒否された。
→本症例のパートナーが仕事を解雇されてしまったことで、今後経済的問題が発生する可能性が非常に高い。経済的問題から虐待へとつながることもある。出産前に助成制度などの出産扶助の提案をすることもできるため早めの行動が望ましい。
1.× パートナーと児の養育について話し合うよう勧める優先度は低い。なぜなら、現在パートナーはふさぎ込んで実家に帰っており、今、Aさんは1人で生活している状態であるため。話し合えるような状況ではない。
2.× 次回の妊婦健康診査まで経過をみる優先度は低い。本症例のパートナーが仕事を解雇されてしまったことで、今後経済的問題が発生する可能性が非常に高い。経済的問題から虐待へとつながることもある。出産前に助成制度などの出産扶助の提案をすることもできるため早めの行動が望ましい。
3.× 出産扶助が利用できることを伝える優先度は低い。なぜなら、出産扶助に関しては助産師の領域ではなく、保健師の領域が色濃いため。生活扶助とは、生活保護制度で定められている生活保護の8種類のうちの一つである。まずは担当保健師への情報提供が優先される。
4.〇 正しい。地区担当保健師に情報提供する。本症例のパートナーが仕事を解雇されてしまったことで、今後経済的問題が発生する可能性が非常に高い。経済的問題から虐待へとつながることもあるため、児童福祉法の「第二十一条の十の五 病院、診療所、児童福祉施設、学校その他児童又は妊産婦の医療、福祉又は教育に関する機関及び医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、児童福祉施設の職員、学校の教職員その他児童又は妊産婦の医療、福祉又は教育に関連する職務に従事する者は、要支援児童等と思われる者を把握したときは、当該者の情報をその現在地の市町村に提供するよう努めなければならない。② 刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前項の規定による情報の提供をすることを妨げるものと解釈してはならない。」と記載されている。つまり、本人の了解なく、市町村に情報提供しても、刑法の秘密漏えい罪の規定、その他の守秘義務にかかわる法律の規定に反しない。ちなみに、児童福祉法とは、すべての児童の健全な育成・生活の保障・児童の福祉の推進を目的とする法律である。児童相談所の設置や小児慢性特定疾病医療費の支給などが規定されている。
保健センターとは、市町村が設置・運営している。地域住民に対して直接的な保健サービスを提供することを目的としている。保健センターは設置することが義務ではないため、市町村に保健センターがない場合もある。名称についても「保健福祉センター」、「健康センター」などと称する場合がある。