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次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
A病院は、出産前準備教育の集団指導として「お産の教室」を対面で行っていたが、オンライン形式で実施して欲しいという要望が多くなり、今年から導入することにした。「お産の教室」の企画書を表に示す。
41 パートナーの準備性を把握するために最も優先される情報はどれか。
1.健康状態
2.就労状況
3.出産立ち会いの動機
4.育児休業の取得予定の有無
解答3
解説
準備性(レディネス)とは、心理学用語であり、学習活動に効果的に従事することを可能ならしめる学習者の心身の準備状態をいう。 心身の成熟,適切な予備訓練,興味あるいは動機づけなどに依存する。一定の学習をさせようとする際に、その基礎条件となる身体的発達、経験、知識などができあがっている状態のことをいう。
1~2.4.× 健康状態/就労状況/育児休業の取得予定の有無の優先度は低い。
3.〇 正しい。出産立ち会いの動機は、パートナーの準備性を把握するために最も優先される情報である。今回の対象者は、妊娠30週~34週の初産婦と、「出産立ち合いを希望している」パートナーのカップルである。出産の立ち合いについて、どのように考えているのか、自ら立ち合いを望んでいるかなど把握することで、動機付けを評価することができる。
次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
A病院は、出産前準備教育の集団指導として「お産の教室」を対面で行っていたが、オンライン形式で実施して欲しいという要望が多くなり、今年から導入することにした。「お産の教室」の企画書を表に示す。
42 オンラインによる「お産の教室」は3名の助産師で運営し、パンフレットは参加者に事前に送付されている。教室には10組のカップルが自宅から参加し、助産師と参加者が顔をみながら双方向でコミュニケーションが取れている。助産師はプログラムに沿ってパンフレットを読みながら産痛緩和法について説明を行い、その後、圧迫法の演習を行うことにした。
演習を行うにあたり圧迫法をイメージしてもらうために最も有効なのはどれか。
1.助産師のデモンストレーションを見てもらう。
2.パンフレットをカップルに再確認してもらう。
3.1組のカップルに実演してもらう。
4.圧迫法に関する質問を受ける。
解答1
解説
1.〇 正しい。助産師のデモンストレーションを見てもらう。動作や手技、運動学習をする際には、①口頭指示(文字のみ)→②模倣→③介助(誘導)の順で難易度が下がっていく。今回は、オンラインであるため、実際の介助(誘導)での学習は困難と考えられる。また、パンフレットも渡してあることから、まずは助産師のデモンストレーションを見てもらう(②模倣)が望ましい。ちなみに、デモンストレーションとは、実演することや披露することをさす。ただし、抗議活動、デモ活動など「デモ活動する」といった使い方もある。
2.× パンフレットをカップルに再確認してもらう優先度は低い。なぜなら、オンラインにて、助産師と参加者が顔をみながら双方向でコミュニケーションが取れている状態であるため。せっかく助産師がいるので、パンフレットの確認するにしてもデモンストレーション後でよい。
3.× 1組のカップルに実演してもらう優先度は低い。なぜなら、正しく実演できるとも限らず、選ばれた1組は困惑する可能性が高いため。
4.× 圧迫法に関する質問を受ける優先度は低い。なぜなら、一通り説明・実践しないと質問しにくいため。
次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
A病院は、出産前準備教育の集団指導として「お産の教室」を対面で行っていたが、オンライン形式で実施して欲しいという要望が多くなり、今年から導入することにした。「お産の教室」の企画書を表に示す。
43 「お産の教室」後、参加した妊婦から、「教室に参加してから、パートナーと出産や育児のことを話す機会が多くなりました」という感想が多く寄せられた。教室を運営した助産師は、オンラインで実施した産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために、出産後に情報収集することにした。
産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために情報収集する項目で適切なのはどれか。
1.分娩様式
2.分娩所要時間
3.出産立ち会いの有無
4.パートナーによる産痛緩和の実施状況
解答4
解説
・妊婦から「教室に参加してから、パートナーと出産や育児のことを話す機会が多くなりました」と。
・助産師は、オンラインで実施した産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために、出産後に情報収集することにした。
→産痛緩和法とは、赤ちゃんを産むときのおなかや腰などの痛みを和らげる方法である。具体的には、おなかや腰のマッサージをしたり、温めたり、楽な姿勢を取ったり、緊張をほぐすための呼吸法を行ったりする。心と体をリラックスさせることが大切である。
1~3.× 分娩様式/分娩所要時間/出産立ち会いの有無の優先度は低い。なぜなら、産痛緩和法(圧迫法)との関連性が薄いため。
4.〇 正しい。パートナーによる産痛緩和の実施状況は、産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために情報収集する項目である。産痛緩和法とは、赤ちゃんを産むときのおなかや腰などの痛みを和らげる方法である。具体的には、おなかや腰のマッサージをしたり、温めたり、楽な姿勢を取ったり、緊張をほぐすための呼吸法を行ったりする。心と体をリラックスさせることが大切である。
次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
Aさん(38歳、初産婦)は妊娠40週3日。胎児心拍数陣痛図で変動一過性徐脈を認め、吸引分娩で3,800gの男児を出生した。出生直後の児は、啼泣がなく、筋緊張は低下し、羊水混濁は認めなかった。直ちに蘇生を行った。バッグ・マスク換気による人工呼吸を継続していたところ、上腹部の腹部膨満を認めたため、胃管を挿入することとした。
44 胃管挿入の手技として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.鼻から挿入する。
2.胃管を自然開放する。
3.4Frの胃管を選択する。
4.胃内容物の吸引を避ける。
5.鼻の付け根から外耳孔までの長さと外耳孔から剣状突起と臍の中間までの長さを足した長さを挿入する。
解答2・5
解説
①全身状態を観察し健康状態を把握する。
②姿勢を整える。
③介助者は手洗いをする。
④チューブの固定の確認と固定位置を確認する。
⑤チューブ先端が胃内にあることを確認する。
⑥注射器で吸引し胃内容を確認する。
⑦注入する栄養剤を準備する。
⑧注入液を点滴筒(ドリップチェンバー)の1/3程度までいれチューブ接続部まで満たす。
⑨鼻からチューブをたどって確認し、接続する。
⑩クレンメを調節し注入速度を決める。
⑪注入中の観察をする。
⑫終了後、接続部をはずし、白湯を注入し、確実にふたをする。
1.× 「鼻」ではなく口から挿入することが多い。なぜなら、新生児は鼻呼吸をしているため。鼻腔を塞ぐと呼吸がしにくくなるため経口挿入が望ましい。一方で、経口摂取が少しでもできる児には、経鼻挿入へと変更することが多い。
2.4.〇 正しい。胃管を自然開放する/鼻の付け根から外耳孔までの長さと外耳孔から剣状突起と臍の中間までの長さを足した長さを挿入する。経管栄養チューブの管理には挿入前、挿入時、留置中、注入時、注入後とそれぞれのプロセスと特徴があり、しっかりとした確認手順が必要である。経鼻カテーテルからの栄養注入は、看護師や保護者が日常的に行っている処置のひとつである。しかし、チューブ先端の確認、誤注入の鑑別はわかりにくく、いったん誤注入が生じると身体への侵襲が大きく重篤な結果につながることがある。ポイントとして、①チューブ先端の位置確認が経腸栄養手順において最も重要な要素であり、確認のためには複数の手技を用いる。②手順の確認方法と不明確の場合の対応方法も明確に決めておく。③誤注入を早期に発見するための注入開始後の観察・環境の整備が重要である。
3.× 「4Fr」ではなく6~10Frの胃管を選択する。6~10Frは正期産・相当体重児に適応となり、4Frは1000~2000g未満の児に適している。
4.× 胃内容物の吸引を避ける必要はない。むしろ、胃の拡張による肺の拡張障害や胃内容物の逆流や誤飲を予防するため胃内容物の吸引を実施する。上記記載の経管栄養の手順による⑥に該当する。
次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
Aさん(38歳、初産婦)は妊娠40週3日。胎児心拍数陣痛図で変動一過性徐脈を認め、吸引分娩で3,800gの男児を出生した。出生直後の児は、啼泣がなく、筋緊張は低下し、羊水混濁は認めなかった。直ちに蘇生を行った。バッグ・マスク換気による人工呼吸を継続していたところ、上腹部の腹部膨満を認めたため、胃管を挿入することとした。
45 児は生後5分で自発呼吸が出現したが、呻吟、多呼吸、中心性チアノーゼを認めた。保育器内酸素30%を使用し、NICUに入院した。児のApgar<アプガー>スコアは1分後2点、5分後7点であった。生後1時間の児のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数80/分、心拍数150/分、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>98%。血液ガス分析(room air)は、pH:7.30、PCO2:42.0mmHg、HCO3-:20mEq/Lである。
児の胸部エックス線を下図に示す。
考えられる病態はどれか。
1.気胸
2.呼吸窮迫症候群
3.新生児一過性多呼吸
4.新生児遷延性肺高血圧症
解答1
解説
1.〇 正しい。気胸が考えられる病態である。気胸とは、肺から空気が漏れて肺の周りの胸腔に空気がたまった状態である。呼吸窮迫症候群や胎便吸引症候群などの肺の病気で持続陽圧呼吸(CPAP)や人工呼吸器を使用している新生児に起こる可能性がある。肺がつぶれて呼吸困難になり、血圧が下がるのが特徴である。
診断は、呼吸困難の有無、胸部X線検査の結果に加え、通常は新生児の血液中の酸素と二酸化炭素の量に基づいて下される。胸部X線検査の特徴として、①透過性亢進、②縮小した虚脱肺、③肋間拡大、④健側への縦隔偏位などがみられる。呼吸困難のある新生児には酸素を投与し、ときに針とシリンジまたは胸腔内に入れた合成樹脂製の排液用チューブを使って胸腔から空気を除き対応する。
2.× 呼吸窮迫症候群とは、早産児にみられる呼吸疾患で、サーファクタントという肺胞を覆う物質が産生されないか不足しているために、肺胞が拡張した状態を保てないことで起こる。早産児や妊娠中に母親が糖尿病にかかった新生児は、呼吸窮迫症候群を発症するリスクが高くなる。
3.× 新生児一過性多呼吸とは、出生後、肺の中に過剰な液体があるために一時的な呼吸困難が起こって、しばしば血液中の酸素レベルが低くなる病気である。早産児と特定の危険因子(母体糖尿病、母体喘息、双胎、男児など)がある満期産児で発生する可能性がある。
4.× 新生児遷延性肺高血圧症とは、肺につながる動脈が出生後も狭い(収縮した)状態が続くことが原因で、肺に十分な量の血流が行きわたらず、結果的に血流中の酸素量が不足する重篤な病気である。満期産児または過期産児に重度の呼吸困難(呼吸窮迫)を引き起こす。この場合の左右差は見られないことが多い。
(※画像引用:ナース専科様HPより)