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次の文を読み50、51の問いに答えよ。
Aさん(25歳、会社員)。両親と妹の4人家族。Aさんは、月経が遅れたため産婦人科外来を受診し、妊娠8週0日と診断された。パートナー(27歳、会社員)とは1年後に結婚する予定であった。4週後、妊婦健康診査のため受診した。
既往歴: 特記すべきことはない。
生活歴: 出勤は朝7時、帰宅は21時になる。昼食および夕食は外食が多い。
家族歴: 母親は高血圧症で内服治療中。
身体所見: 身長154cm、非妊時体重55kg。今回の体重は54kg。悪心が時々ある。
検査所見: 血圧120/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下腿の浮腫(-)。超音波検査にて胎児心拍を確認し、頭殿長<CRL>45mm。
51 その後、Aさんとパートナーは結婚し、妊娠24週から2人で暮らし始めた。妊娠34週0日の妊婦健康診査で、体重70kg。血圧160/100mmHg、安静後の再測定では145/95mmHg。尿蛋白2+、尿糖(-)。下腿の浮腫+。子宮底長29cm。腹部緊満感が時々あると訴えたが、触診で子宮収縮は認めなかった。子宮口1cm開大。胎児推定体重1,600g、羊水量は正常。胎児心拍数基線120bpm、基線細変動10bpm、一過性頻脈あり、一過性徐脈は認めなかった。頭重感と不眠の訴えがある。Hb 11.5g/dL、Ht 38%。
このときのAさんの状態で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.妊娠中の体重増加は正常である。
2.胎児発育不全<FGR>である。
3.胎児機能不全である。
4.白衣高血圧である。
5.入院が必要である。
解答2・5
解説
・妊娠24週:結婚し2人で暮らし。
・妊娠34週0日:体重70kg、血圧160/100mmHg、145/95mmHg(再測定)、尿蛋白2+、尿糖(-)、下腿の浮腫+、子宮底長29cm。
・腹部緊満感が時々ある。触診:子宮収縮なし。
・子宮口1cm開大。胎児推定体重1,600g、羊水量:正常。
・胎児心拍数基線120bpm、基線細変動10bpm、一過性頻脈あり、一過性徐脈なし。
・頭重感と不眠の訴えがある。Hb 11.5g/dL、Ht 38%。
→胎児発育不全とは、平均と比べて成⻑が遅くなっていることをいい、胎盤由来の妊娠合併症の代表的なものである。子宮内での胎児の発育が遅延あるいは停止したために在胎週数に相当した胎児の発育が見られない状態で、妊娠週数に対して胎児が明らかに小さい場合をいい、胎児発育曲線において「-1.5SD以下」の場合に診断される。
→妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。常位胎盤早期剥離の原因には、妊娠高血圧症候群(合併率 25~50%)、子宮内感染、子宮内圧の急激な変化などが挙げられる。
1.× 妊娠中の体重増加は正常とはいえない。なぜなら、非妊時体重55kgで、現在(妊娠34週0日)の体重70kgであるため。非妊時のBMIは23.2(標準体重)である。したがって、体重増加量の指導の目安は10~13kgである。本症例の場合、15kgであるため正常範囲を逸脱している。
2.〇 正しい。胎児発育不全<FGR>である。なぜなら、妊娠34週の胎児の平均体重は平均2000gであるが、本症例の胎児推定体重1,600gであるため。胎児発育不全とは、平均と比べて成⻑が遅くなっていることをいい、胎盤由来の妊娠合併症の代表的なものである。子宮内での胎児の発育が遅延あるいは停止したために在胎週数に相当した胎児の発育が見られない状態で、妊娠週数に対して胎児が明らかに小さい場合をいい、胎児発育曲線において「-1.5SD以下」の場合に診断される。
3.× 胎児機能不全とはいえない。なぜなら、胎児心拍数基線120bpm、基線細変動10bpm、一過性頻脈あり、一過性徐脈なしと正常範囲内であるため。胎児機能不全の基準として、基線細変動が消失し、かつ一過性徐脈が頻発する場合を呼ぶことが多い。胎児機能不全とは、お産の途中でさまざまな原因によって胎児が低酸素状態になることをいう。胎児仮死、胎児ジストレスとも呼ぶ。原因としては母体の妊娠高血圧症候群、胎盤早期剥離、臍帯の圧迫などである。新生児蘇生法ガイドライン(NCPR)に従って蘇生初期処置を行い、蘇生終了後、新生児の健康に不安がある場合、新生児管理に関する十分な知識と経験がある医師に相談する。
4.× 白衣高血圧とはいえない。なぜなら、安静後の再測定でも145/95mmHgと高血圧のままであるため。白衣性高血圧とは、家などの医療機関外では血圧が正常であるにもかかわらず、医療者が血圧を測った時や診察室などの医療機関で血圧が高値になる高血圧である。白衣性高血圧であるかの判断、自宅血圧の経過を判断するために自宅での血圧測定を継続してもらう必要がある。
5.〇 正しい。入院が必要である。本症例は妊娠高血圧腎症が疑われ、「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020」には、妊娠高血圧腎症,加重型妊娠高血圧腎症,重症妊娠高血圧,重症高血圧合併妊娠は入院管理を勧めることが記載されている。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。常位胎盤早期剥離の原因には、妊娠高血圧症候群(合併率 25~50%)、子宮内感染、子宮内圧の急激な変化などが挙げられる。
次の文を読み52、53の問いに答えよ。
Aさん(32歳、1回経産婦)。妊娠39週4日。陣痛発来し、かかりつけの産婦人科病院に入院した。順調に分娩が進行し、体重3,150gの女児を経腟分娩した。児娩出直後は異常出血は認めなかった。児娩出の5分後に子宮収縮に伴い臍帯を挟鉗したペアンが下がる様子があり、助産師は臍帯を牽引して胎盤を娩出した。胎盤娩出直後から、Aさんは苦悶し始め、下腹部痛を訴えた。胎盤娩出直後のバイタルサインは、体温37.2℃、脈拍90/分、血圧120/65mmHgであった。助産師が内診を行うと、腟内に弾力のある組織が膨隆しており子宮口を同定できなかった。腟口から多量の血液が流出している。
52 Aさんに生じた異常を判断するのに重要なのはどれか。
1.経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>
2.胎盤剝離面の凝血塊付着の有無
3.臍帯動脈血pH値
4.子宮底の位置
5.アレルギー歴
解答4
解説
・Aさん(32歳、1回経産婦、妊娠39週4日)
・順調に分娩が進行、体重3,150gの女児を経腟分娩。
・児娩出直後:異常出血なし。
・児娩出の5分後:子宮収縮に伴い臍帯を挟鉗したペアンが下がる様子があり、助産師は臍帯を牽引して胎盤を娩出した。
・胎盤娩出直後:Aさんは苦悶し始め、下腹部痛を訴えた。
・バイタルサイン:体温37.2℃、脈拍90/分、血圧120/65mmHg。
・内診:腟内に弾力のある組織が膨隆しており子宮口を同定できず。
・腟口から多量の血液が流出。
→本症例は、子宮内反症が疑われる。子宮内反とは、子宮が内膜面を外方に反転した状態をいう。子宮が裏返しになり子宮内膜面が腟内または腟外に露出し、胎盤剝離面から出血が続く状態である。子宮内反症は、これらの症状が出現した際に、腹部から子宮底が触知できない場合に診断できる。病因は①外因性と②内因性、③もしくは複合したものがある。①ほとんどが外因性で、胎盤剝離前の臍帯牽引によることがもっとも多く、他のリスク因子として癒着胎盤や過短臍帯、臍帯巻絡がある。②内因性のものとしては、子宮奇形に伴う子宮筋の弛緩、多胎妊娠、巨大児、羊水過多などの子宮筋が弛緩した状態に起こりやすい。また、外因性と内因性が複合して発症する場合もある。
1.× 経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>より優先度の高いものが他にある。大量出血に対する処置として、①血圧のモニタリングや②点滴による水分補充、③血圧確保が行われる。出血の勢いが非常に強い場合は、輸血もおこなわれる可能性がある。
2.× 胎盤剝離面の凝血塊付着の有無の確認は、「常位胎盤早期剝離」の場合に行う。常位胎盤早期剝離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、胎児娩出以前に子宮壁より剥離することをいう。剥離出血のため、性器出血や激しい腹痛、子宮内圧の上昇、子宮壁の硬化が起こり、ショック状態を起こすことがある。胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえある。また、低酸素のために急速に胎児機能不全に陥る。
3.× 臍帯動脈血pH値より優先度の高いものが他にある。臍帯血pHの正常値は、7.15~7.38程度とされており、この数値が低くなりすぎると、アシドーシスとなる。アシドーシスとは、血液が正常なときよりも酸性に近付いた状態のことであり、様々な疾患によって血中の二酸化炭素濃度が上がること等の影響で生じる。
4.〇 正しい。子宮底の位置は、Aさんに生じた異常を判断するのに重要である。治療として、①出血、②内反した子宮を元に戻す処置を同時に行っていく必要がある。子宮内反症が発生した直後であれば、医師が手と腕を使って内反した子宮の底部を経腟的に押し戻す処置を行う(用手的整復)。このとき、子宮が後陣痛によって硬くなっている場合には、子宮収縮抑制薬(点滴や注射)を投与しながら処置を行うこともある。用手的整復で子宮が戻れば、子宮収縮促進薬を投与し、出血を抑えながらその後にまた内反しないようにする。分娩台での用手的整復で子宮が元に戻らない場合は、全身麻酔をしてからの処置が必要となるため通常は手術室や処置室に移動し、全身麻酔を行い、用手的整復を試みる。それでも整復が困難な際は、開腹手術による手術的整復に切り替える。
5.× アレルギー歴の確認は、「アナフィラキシーショック」の場合に行う。アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。アナフィラキシーショックは、主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
次の文を読み52、53の問いに答えよ。
Aさん(32歳、1回経産婦)。妊娠39週4日。陣痛発来し、かかりつけの産婦人科病院に入院した。順調に分娩が進行し、体重3,150gの女児を経腟分娩した。児娩出直後は異常出血は認めなかった。児娩出の5分後に子宮収縮に伴い臍帯を挟鉗したペアンが下がる様子があり、助産師は臍帯を牽引して胎盤を娩出した。胎盤娩出直後から、Aさんは苦悶し始め、下腹部痛を訴えた。胎盤娩出直後のバイタルサインは、体温37.2℃、脈拍90/分、血圧120/65mmHgであった。助産師が内診を行うと、腟内に弾力のある組織が膨隆しており子宮口を同定できなかった。腟口から多量の血液が流出している。
53 胎盤娩出から30分後、医師による処置が終了してAさんの下腹部痛は消失した。総出血量は3,800mL。腟口からの出血は減少したが持続しており、膿盆内に貯留した血液には凝血が認められない。
この時点で確認する血液検査データで最も重要なのはどれか。
1.血清間接ビリルビン値
2.血清ナトリウム値
3.フィブリノゲン値
4.白血球数
5.血糖値
解答3
解説
・胎盤娩出から30分後:医師による処置が終了(下腹部痛消失)
・総出血量:3,800mL。
・腟口からの出血:減少したが持続、膿盆内に貯留した血液には凝血が認められない。
→本症例は、播種性血管内凝固症候群〈DIC〉の可能性が高い。播種性血管内凝固症候群〈DIC〉とは、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気である。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こす。感染、手術、出産時の合併症など、考えられる原因はいくつかある。妊娠高血圧症候群性の常位胎盤早期剥離では播種性血管内凝固症候群〈DIC〉を発生することが多い。
1.× 血清間接ビリルビン値より優先度の高いものが他にある。血清間接ビリルビン値が高値の場合は黄疸が疑われる。ビリルビンには2種類あり、①肝臓に運ばれる前のものを間接ビリルビン、②肝臓で処理が行われたあとのものを直接ビリルビンと呼んでいる。また、この2種類のビリルビンを総称して総ビリルビンと呼ぶ。
2.× 血清ナトリウム値より優先度の高いものが他にある。血清ナトリウム値が高値の場合は高ナトリウム血症が疑われる。脱水、嘔吐、下痢、大量発汗、熱傷、腎不全、利尿薬の使用により、脱水になる場合に起こりやすい。ちなみに、ナトリウムはカリウムとともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関与している。
3.〇 正しい。フィブリノゲン値は、確認する血液検査データで最も重要である。凝固因子の補充目的の輸血用血液製剤として用いられる。フィブリノゲン値は血液凝固因子の1つであり、止血の働きをする。出血傾向や血栓傾向のスクリーニング検査、術前検査として血小板数、PT、APTTとともに測定される。
4.× 白血球数より優先度の高いものが他にある。白血球数の増加があると、感染症や炎症など推測ができる。
5.× 血糖値より優先度の高いものが他にある。血糖値が高値の場合は糖尿病が疑われる。高値となる原因の多くは、インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)ことがあげられる。運動不足・肥満・ストレス過多などの生活習慣が原因になっていることが多い。
(※図引用:「産科危機的出血への対応指針 2022」日本産科婦人科学会より)
次の文を読み54、55の問いに答えよ。
Aさん(39歳、会社員)は、妊娠を希望して不妊専門クリニックを受診したところ、夫(44歳、会社員)が乏精子症であることが分かり顕微授精をすることになった。Aさんは「不妊治療費の公費の助成があると聞いたので詳しく知りたい」と質問した。Aさん夫婦の合算した年間所得と治療は助成の対象であることが分かった。
54 国が定める「不妊に悩む方への特定支援事業」の説明で正しいのはどれか。(※不適切問題:解2つ)
1.「ご夫婦ともに43歳未満でないと助成を受けられません」
2.「不妊の原因が男性側にあるので助成を受けられません」
3.「初回の治療では30万円まで助成が受けられます」
4.「助成が受けられる回数は6回までです」
解答3or4(複数正解)
理由:複数の正解があるため。
解説
・Aさん(39歳、会社員、妊娠希望)
・夫(44歳、会社員、乏精子症)
・顕微授精をする。
・Aさん「不妊治療費の公費の助成があると聞いたので詳しく知りたい」と質問した。
・Aさん夫婦の合算した年間所得と治療は助成の対象である。
→乏精子症とは、精子の数が一般的な数値よりも少ない状態である。乏精子症の程度によって、軽度・中等度・高度に分けられる。正常値:1ccあたり1500万以上。1500万以下:軽度、1000万以下:中等度、500万以下:高度と区分される。
→顕微授精(ICSI:卵細胞質内精子注入法)とは、体外受精がうまくいかない場合や精子の数が非常に少ない重症の男性不妊症が発覚した場合に行われ、精子を直接卵子に注入する顕微授精のことである。
(※参考「不妊に悩む方への特定治療支援事業」厚生労働省HPより)
1.× 「ご夫婦とも」ではなく女性の場合、43歳未満でないと助成を受けられない。具体的に言うと、治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である必要がある。一方で、男性の年齢の制限はない。
2.× 不妊の原因が男性側にあっても助成を受けられる。対象者は、特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦が対象となる。
3.〇 正しい。「初回の治療では30万円まで助成が受けられます」と説明する。男性不妊李朝を行った場合も同様30万円まで助成される。
4.〇 正しい。「助成が受けられる回数は6回までです」と説明する。なぜなら、Aさん(39歳)で40歳未満であるため。妻が40歳未満であるときは通算6回まで、40〜43歳までの場合は通算3回までになる。
55 Aさんは不妊治療を開始して2年目に妊娠した。分娩予定日は10月20日であった。妊娠中期からしばしば腹部緊満感があり、子宮収縮抑制薬の内服を続けていたが、仕事が忙しく思うように休養をとることができなかった。8月23日(妊娠31週5日)に切迫早産のため入院となり点滴静脈内注射を開始したが子宮収縮を抑制できず、9月3日(妊娠33週2日)に緊急帝王切開術で分娩となった。
Aさんが請求できる産前産後休業について正しいのはどれか。(※解答なし)
1.産後休業の起算日は9月3日である。
2.産前休業は8月23日から適用される。
3.帝王切開術のため産後休業は2週間長く請求できる。
4.医師の許可があれば産後5週で復職できる。
解答 解答なし(採点対象外)
理由:選択肢に正解がないため。
解説
・不妊治療2年目:妊娠した。
・分娩予定日:10月20日。
・妊娠中期:しばしば腹部緊満感があり、子宮収縮抑制薬の内服を続けていたが、仕事が忙しく思うように休養をとることができなかった。
・8月23日(妊娠31週5日):切迫早産のため入院、点滴静脈内注射を開始したが子宮収縮を抑制できず。
・9月3日(妊娠33週2日):緊急帝王切開術で分娩。
1.× 産後休業の起算日は、「9月3日」ではなく9月4日である。なぜなら分娩日は産前休暇に含まれるため。産前産後休業とは、母体保護の見地から認められている休業で、労働基準法で定められている。 休業日数は、産前休暇は出産予定日を含む6週間(双子以上は14週間)以内で、出産予定日よりも実際の出産日が後の場合はその差の日数分も産前休業に含まれる。産後休暇は8週間以内である。Aさんは9月3日(妊娠33週2日)に緊急帝王切開術で分娩している。
2.× 産前休業は、「8月23日」ではなく9月9日から適用される。なぜなら、産前休暇は出産予定日を含む6週間(双子以上は14週間)以内であるため。Aさんの分娩予定日は10月20日である。
3.× 帝王切開術であっても、産後休業を延長できない。産後休暇は普通分娩と変わらず8週間以内である。
4.× 医師の許可があれば復職できるのは「産後5週」ではなく産後6週である。ちなみに、産後休業の出産とは、妊娠4か月以上の分娩をいい、死産や流産も含まれている。
※問題引用:第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。