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16 微弱陣痛の原因となるのはどれか。
1.前期破水
2.羊水過多
3.子宮内感染
4.頸管無力症
5.胎児発育不全<FGR>
解答2
解説
微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。子宮口が完全に開いてから(分娩第2期)は、初産婦では4分以上、経産婦では3分30秒以上が微弱陣痛の目安となる。
【微弱陣痛の原因】
原発性微弱陣痛の場合、子宮筋腫、奇形、多胎妊娠や羊水過多などによる子宮筋の過伸展、疲労やストレスなど。持続性微弱陣痛の原因には、母体側の原因として子宮筋の疲労、狭骨盤、胎児側の原因として巨大児、回旋異常などがある。
【微弱陣痛の治療】
母体疲労がある場合は、無理をして分娩を進行させるだけでなく、睡眠をとれるよう支援したり、痛みを緩和させるケアをする。温かいタオルを痛みが強い場所に置いたり、マッサージを行ったり、足浴をして緊張を解いたりする場合もある。また、不安や恐怖も微弱陣痛に関与しているため、不安軽減に努めることも大切なケアの一つになる。陣痛を有効な(正常な)陣痛にするために、陣痛促進剤の点滴を行うこともある。破水していない場合は医師、助産師の判断で人工的に破膜させることで陣痛を増強させることがある。分娩が停止してしまい、経腟分娩が可能な状態であれば、鉗子分娩や吸引分娩を行う場合がある。経腟分娩が不可能と判断される場合や母体と胎児に危険があると判断される場合には、緊急で帝王切開術を行う場合がある。
1.× 前期破水とは、陣痛開始前のいずれかの時点で胎児の周りの羊水が流れ出ることである。多くの場合、破水後まもなく陣痛が始まる(約70~80%が1週間以内)。破水して6~12時間以内に陣痛が始まらない場合には、妊婦と胎児の感染リスクが上昇する。
2.〇 正しい。羊水過多は、微弱陣痛の原因となる。羊水過多とは、羊水量が800 mLを超える場合であり、母体の糖尿病や児が羊水をうまく飲めない消化管閉鎖などが原因となることが多い。診断方法は超音波検査によるamniotic fluid index(AFI)の計測であり、AFIの正常範囲は5~24cmであり、24cm以上は羊水過多を意味する。
3.× 子宮内感染とは、病原菌が腟・ 子宮頸管の病原体が子宮内へと上行(上行感染)、もしくは胎盤を通過(経胎盤感染)し胎児へと感染することである。原因となる細菌は、淋菌、レンサ球菌、ブドウ球菌、大腸菌、結核菌などがある。 月経のとき、不潔なタンポンを膣内にあったり、タンポンを膣の中に長い間おいた場合も、子宮内にまで炎症を起こしてしまうことがある。一般的な症状は、下腹部痛、骨盤痛、発熱(分娩後1~3日以内に起こる場合がほとんど)、蒼白、悪寒、全身のけん怠感や不快感などのほか、しばしば頭痛や食欲減退もみられる。
4.× (子宮)頸管無力症とは、陣痛などの下腹部痛や性器出血などの症状がないが子宮頸管が開いてきてしまう状態のことを言い、流産や早産の原因となってしまうことがある。頸管縫縮術とは、子宮口を縛る手術で、頸管無力症など主に切迫早産の可能性があり、35週の終わり頃まで妊娠を継続させるために行われる。シロッカー法やマクドナルド法などがある。早産期の前期破水の場合は、感染に配慮する必要があるため行われない。
5.× 胎児発育不全<FGR>とは、平均と比べて成⻑が遅くなっていることをいい、胎盤由来の妊娠合併症の代表的なものである。子宮内での胎児の発育が遅延あるいは停止したために在胎週数に相当した胎児の発育が見られない状態で、妊娠週数に対して胎児が明らかに小さい場合をいい、胎児発育曲線において「-1.5SD以下」の場合に診断される。
17 乳幼児の感染症と原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。
1.手足口病:アデノウイルス
2.突発性発疹:コクサッキーウイルス
3.咽頭結膜熱:ヒトパピローマウイルス<HPV>
4.へルパンギーナ:単純ヘルペスウイルス
5.急性細気管支炎:RSウイルス
解答5
解説
子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に生じるがんのことである。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割程度を占める。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっている。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染である。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染する。初期では無症状だが、進行するにつれて帯下の増加や悪臭のある帯下、周囲臓器の浸潤による疼痛などの症状が現れる。
1.× 手足口病は、「アデノウイルス(選択肢3.咽頭結膜熱)」ではなくコクサッキーウイルスやエンテロウイルスである。手足口病とは、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹ができるウイルス感染症である。原因はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスといったウイルスへの感染である。5歳までの子どもがかかることが多く、夏に流行のピークを迎える。ちなみに、突発性発疹とは、乳児期に罹患することが多く、突然の高熱と解熱前後の発疹を特徴とするウイルス感染症である。原因ウイルスは、ヒトヘルペスウイルスである。予後は一般に良好である。
2.× 突発性発疹は、「コクサッキーウイルス(選択肢1.手足口病)」ではなくヒトヘルペスウイルスである。突発性発疹とは、乳児期に罹患することが多く、突然の高熱と解熱前後の発疹を特徴とするウイルス感染症である。原因ウイルスは、ヒトヘルペスウイルスである。予後は一般に良好である。
3.× 咽頭結膜熱は、「ヒトパピローマウイルス<HPV>(子宮頸癌)」ではなくアデノウイルスである。咽頭結膜熱とは、プール熱ともいい、アデノウイルスが原因である。アデノウイルスは非常に感染力が強く、咳やくしゃみなどの飛沫や目やになどが感染源となる。
4.× へルパンギーナは、「単純ヘルペスウイルス(性器ヘルペスウイルス感染症)」ではなくクサッキーウイルスやエンテロウイルスである。ヘルパンギーナとは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスに感染して引き起こされる夏風邪の一種で、発熱や口腔粘膜の水疱性の発疹が特徴です。乳幼児を中心に夏季に流行し、日本では5月から増加して7月にピークを迎える。患者の90%以上を5歳以下の小さな子どもが占めており、中でも1歳代が最も多い。
5.〇 正しい。急性細気管支炎は、RSウイルスが原因である。RSウイルスとは、飛沫感染や接触感染で感染し、乳幼児に呼吸器感染症を起こす。RSウイルス感染症とは、年齢を問わず感染を起こすが、特に乳幼児期において重要な病原体である。初感染は、軽症の感冒様症状から重症の細気管支炎や肺炎などの下気道疾患に至るまで様々である。しかしながら、初感染においては下気道疾患を起こす危険性は高い。1/3 が下気道疾患を起こすと報告されている。発熱・鼻汁などの上気道炎症症状が数日続き、そのあと下気道症状が出現する。
①肝細胞癌:B型、C型肝炎ウイルス
②子宮頸癌:ヒトパピローマウイルス(16,18型)
③上咽頭癌:Burkittリンパ腫、NK細胞リンパ腫:Epstein barrウイルス
④胃癌:ヘリコバクター・ピロリ菌
⑤胆管癌:肝吸虫
18 Aさん(39歳、初産婦)。非妊時BMI 24。妊娠18週の妊婦健康診査時、体重が非妊時から7kg増加、前回の14週時から3kg増加していることを指摘された。その他の妊娠経過に問題はない。「仕事が忙しく夕食が遅い時間になる。外食ばかりで栄養バランスがよくないとは思っているが、なかなか改善できない。高齢出産だから異常になりやすいのも心配」と言った。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1.母親学級への参加を勧める。
2.体重管理のための食生活を一緒に考える。
3.産前休業に入って意識が変化するのを待つ。
4.生活行動の問題点について解決策を提示する。
5.体重増加が続いた場合の危険性について強調して説明する。
解答2
解説
・Aさん(39歳、初産婦、非妊時BMI 24)。
・妊娠18週:非妊時から7kg増加(14週時から3kg増加)
・その他:問題はない。
・「仕事が忙しく夕食が遅い時間になる。外食ばかりで栄養バランスがよくないとは思っているが、なかなか改善できない。高齢出産だから異常になりやすいのも心配」と。
→Aさんの体重増加量自体は問題ないが、食生活や生活習慣に改善が必要な発言がみられる。
→Aさんの場合、非妊娠時のBMIは約24(普通)で、体重増加も非妊娠時より+7kgであり、妊娠全期間を通しての推奨体重増加量の範囲である。妊婦の体重の変化として、基準として、①低体重(やせ)の場合:12~15kg、②標準(ふつう)の場合:10~13kg、③肥満(1度)の場合:7~10kg、④肥満(2度以上):個別対応(上限5kgまでが目安)とされている。これ以上、体重が増加した場合、早産や切迫早産、胎児の発育の遅れによる影響、成人後の生活習慣病などのリスクがあげられる。
→BMIとは、体重(㎏) ÷ 身長の2乗(m) で計算される体格指数のことである。日本肥満学会の基準では、18.5以下:低体重、25以下:普通、30以下:肥満Ⅰ度、35以下:肥満Ⅱ度、40以下:肥満Ⅲ度、40以上:肥満Ⅳ度である。
1.× 母親学級への参加を勧める優先度は低い。なぜなら、現在のAさんの具体的な問題(体重管理、食生活)に対する直接的な解決策とはいえないため。ちなみに、母親学級とは、医師や助産師さんから、妊婦さんに必要な妊娠・出産・育児に関する知識や情報を学んだり、沐浴や赤ちゃんの抱っこなどの体験ができたりする場のことである。
2.〇 正しい。体重管理のための食生活を一緒に考える。なぜなら、Aさんの気持ちに寄り添いつつ、体重増加や食生活の問題に対して具体的なアドバイスを提供することができるため。Aさんの体重増加量自体は問題ないことをしっかり伝えることで、安心感にもつながる。
3.× 産前休業に入って意識が変化するのを待つ優先度は低い。なぜなら、すでにAさんの意識は、食生活や生活習慣の改善へ向かっているため。産前休業まで、様子を観察するよりは、コミュニケーションをとり現状の把握が望ましい。ちなみに、産前休業とは、女性労働者が母体保護のため出産の前後においてとる休業の期間である。産休とも称される。
4.× 生活行動の問題点について解決策を提示するより優先されるものが他にある。なぜなら、問題点について解決するだけでなく、良いところがあればさらに伸ばすといった解決策も考えられるため。成功体験を与えたり、言語的な賞賛や励まし、行動の変化を促すような情報や気づきの提供など様々な手段があげられる。
5.× 体重増加が続いた場合の危険性について強調して説明するより優先されるものが他にある。なぜなら、危険性について説明するだけでは、不安を煽るだけで、直接的な解決策とはいえないため。
1.「妊娠前の体格と妊娠予後」について尋ねられたら,以下の情報を提供する.
①やせ女性は切迫早産,早産,貧血および低出生体重児分娩のリスクが高い.
②肥満女性は妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,帝王切開分娩,巨大児などのリスクが高い.
2.「妊娠中の体重増加量」について尋ねられたら,以下の情報を提供する.
①妊娠前の体格によって推奨体重増加量が異なる.
②妊娠期に体重増加量が著しく少ない場合には,低出生体重児分娩や早産のリスクが高まり,体重増加量が著しく多い場合には,巨大児分娩,帝王切開分娩のリスクが高まる.
3.妊娠中の栄養指導では以下に留意する.
①バランスのとれた栄養素の摂取を勧める.
②妊娠前の体格(自己申告妊娠前体重を用いた BMI 値)に応じて指導する.
③増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し,個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける.
④授乳期間中の必要カロリー量について問われた場合,「妊娠前より増加する」と説明する.
(一部引用:「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020 P45 」日本産科婦人科学会より)
19 40歳の初妊婦。妊娠16週0日に母体血を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査<NIPT>を受けたところ、異常が指摘された。
助産師の対応で適切なのはどれか。
1.妊婦の両親に意見を聞くよう勧める。
2.羊水検査の実施について夫婦の意思を確認する。
3.染色体異常の児を持つ親の会について情報提供を行う。
4.妊娠の継続について夫婦でよく相談して決めるよう話す。
5.人工妊娠中絶は妊娠21週6日まで可能であると説明する。
解答2
解説
・40歳の初妊婦(妊娠16週0日)。
・母体血を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査:異常。
→非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT:Noninvasive prenatal genetic testing)とは、お母さんの血液中には胎盤を通して赤ちゃんのDNAが10%程度混ざっているため、お母さんから血液を採血し、DNAの断片を分析することで赤ちゃんに染色体疾患があるかどうかを検出する検査方法である。この検査で検出できるのは、21トリソミー症候群(ダウン症候群)、18トリソミー症候群、13トリソミー症候群の3つの染色体の数的異常症である。その他の染色体疾患や遺伝子異常の検査はできない。
【NIPTの検査】
①保険の適用にはならない。(20~25万円前後)
②対象:出産予定日の年齢が35歳以上の方、染色体疾患に罹患した児を妊娠もしくは分娩した経験のある方。
③検査期間:妊娠10週~22週の間。
④検査:遺伝カウンセリングが行われる。
⑤お母さんから血液を20cc採血し2~3週間後に結果が 陽性 / 陰性 で判定される。
1.× 妊婦の両親に意見を聞くよう勧める優先度は低い。なぜなら、設問から妊婦の両親の記載がなく、重要性が判断できないため。あくまでも、一般的に最終的な決定は妊婦とそのパートナーが主体的に行うべきである。インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。
2.〇 正しい。羊水検査の実施について夫婦の意思を確認する。なぜなら、非侵襲的出生前遺伝学的検査で、異常(陽性)が出た場合、羊水染色体検査や絨毛検査などの確定検査を行い、診断を確定させる必要があるため。ちなみに、羊水検査とは、羊水穿刺により羊水中に浮遊する胎児細胞を分析し、染色体の数や構造の異常などを診断する検査である。15~16週以降の胎児染色体異常・遺伝子異常に適応となり、ほぼ100%で確定診断が可能である。
3.× 染色体異常の児を持つ「親の会」について情報提供を行う優先度は低い。なぜなら、確定診断とそれに基づく意思決定が優先されるべきであるため。ちなみに、親の会(セルフヘルプグループとも)とは、共通の課題をもつ当事者や家族によって形成されたグループである。親の会とは、普段悩んでいる悩みを話して、他のお母さんがアドバイスしたり共感したりする、いわゆる座談会のようなものである。
4.× 「妊娠の継続」について夫婦でよく相談して決めるよう話す優先度は低い。なぜなら、現時点では確定診断を行うことで、どのような病気か?、予後はどうか?など詳しい説明を提供できるため。その後、結果に基づいて、夫婦でよく相談して決めるよう促す。
5.× 人工妊娠中絶は、妊娠21週6日まで可能であると説明する優先度は低い。なぜなら、中絶に対する本症例の意向や希望が聞かれていないため。本症例は、40歳の初妊婦であることからも慎重に話さなければならないことである。
(※図引用:「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020 P79」公益社団法人 日本産科婦人科学会より)
20 Seitz<ザイツ>法について正しいのはどれか。
1.胎児の頤部の位置が把握できる。
2.骨盤内への児頭の進入の程度を判断する。
3.陰性であれば児頭骨盤不均衡<CPD>ではない。
4.恥骨結合下縁から岬角中央部の距離が把握できる。
5.恥骨結合前面が児頭より高く触れる場合は陽性となる。
解答2
解説
(※図引用:「骨盤形態からみた難産予測 著:又吉國雄 様」)
児頭が骨盤腔内に嵌入しているか否かを腹壁上からの触診でみる方法である。恥骨結合より児頭前面が低ければ Seitz(-)、同じ高さなら(±)、児頭前面の方が隆起していれば(+)と判定し、児頭骨盤不均衡を疑える。
1.× 胎児の頤部の位置が把握できるものではない。「児頭」が骨盤腔内に嵌入しているか否かを腹壁上からの触診でみる方法である。
2.〇 正しい。骨盤内への児頭の進入の程度を判断する。恥骨結合より児頭前面が低ければ Seitz(-)、同じ高さなら(±)、児頭前面の方が隆起していれば(+)と判定する。
3.× 陰性であれば児頭骨盤不均衡<CPD>「ではない」と断言することはできない。なぜなら、ザイツ法のみだと判断材料が少ないため。ほかにも、レオポルド触診法や内診により判断する方法があるため、総合的に判断すべきである。ちなみに、児頭骨盤不均衡とは、胎児の頭が母体の骨盤に比べて大きかったり、母体の骨盤の形に問題があったりして、胎児がスムーズに骨盤を通過できず分娩の進行が停止する場合を指す。全分娩の約4~6%にみられる。
【児頭骨盤不均衡の機能的診断法(※参考:「骨盤形態からみた難産予測 著:又吉國雄 様」)】
①レオポルド触診法:第3、第4手法で、妊娠38週以降の初産婦に「floating head」が確認できる。
②Seitz法:児頭が骨盤腔内に嵌入しているか否かを腹壁上からの触診でみる方法である。恥骨結合より児頭前面が低ければ Seitz(-)、同じ高さなら(±)、児頭前面の方が隆起していれば(+)と判定し、児頭骨盤不均衡を疑える。
③内診により、児頭の先進部がstation±0に達していれば、入口部における児頭骨盤不均衡はないと考えられる。
さらに、分娩の進行状況で、すでに子宮口が全開大し破水を認めているにもかかわらず、分娩が遷延している(2時間以上)状態であれば、児頭骨盤不均衡は極めて疑わしいと考えられるが、上記の所見により児頭骨盤不均衡が疑われる場合は、X線骨盤撮影による十分な骨盤形態の検討が要求される。
4.× 恥骨結合下縁から岬角中央部の距離が把握できる「わけではない」。恥骨結合下縁から岬角中央部の距離は、対角結合線という。現在ではあまり用いられていない。
5.× 恥骨結合前面が児頭より、「高く触れる場合」ではなく児頭前面の方が隆起していれば、陽性となる。恥骨結合より児頭前面が低ければ Seitz(-)、同じ高さなら(±)、児頭前面の方が隆起していれば(+)と判定する。